
Eコマースにとって配送は非常に重要である。お客様がオンライン上で購入した商品は確実にお客様の手元に届けなければならない。商品到着の確実さ、速さ、安さがショップの価値を左右する。そして、Eコマースの物流では米Amazon社が世界を牽引していると言っても過言ではない。
米Amazon社では配送トラックに4000台のトレーラーを追加したり、フリーランスのドライバーが自分の車で配送を行える配送サービスなど新しい施策を次々と実施している。
今回は独自の物流システムを構築しつつある、米Amazon社の様々な物流サービスの取組みについて見ていこう。

日本でも昨年から同様のサービスを展開している「Prime Now(プライム・ナウ)」は、米国内対象地域に住んでいるプライム会員なら、約7ドルの配送料で商品を1時間以内に届けてもらえる配送サービスである。今のところ、使えるのは売れ筋商品の25万アイテムだけであり、配送地域もかなり限定されている。
また、2時間以内でよければ配送料は無料となっている。サービスエリアはまだ狭く限定はされているが、今後は物流拠点の近隣でサービスは展開、拡大していくだろう。

昨年から米Amazon社では、「Flex」と呼ばれる配送サービスをスタートさせた。これは、特定の都市において、同都市に居住している認定された一般ドライバーにお客様宅までの配送を委託するサービスである。
このサービスは米アマゾン社のプライム会員向けのサービスで、発注された注文に対して、無料会員よりも早く、商品をお客様に届けるサービスだ。
現在、シアトル、ラスベガス、フェニックス、ダラスなど14の都市部で開始されており、その地域は徐々に拡大しつつある。認定されたドライバーは、該当された都市のアマゾンの物流倉庫で荷物を受け取り、お客様の玄関先まで届ける。
認定ドライバーは配達の質を保つため「中型セダン以上の4ドア車」を使うよう義務付けられ、労働時間は休日を含む毎日午前8時〜午後4時から選択可能である。

米Amazon社は、今年8月5日に自社専用の貨物運搬航空機「Amazon One」を利用し、商品の輸送をすでに開始していることを明かした。米Amazon社としては、一刻も早く荷物が欲しいというお客様の思いに応えるため、「Amazon Prime」有料会員へは、米国内では2日以内での配達を実現している。
この「Amazon One」はAtlas Air、ASTGの2社とパートナー契約によるもので、現行では、すでに11機の「Amazon One」を運航している。2016年内には最大40機の航空機をリースし、「Amazon One」として運航する計画があるという。近い将来、日本の空港でも、FedExのようにAmazon貨物航空機を見るようになりそうである。

「Prime Air(プライム エア)」とは2013年に米Amazonが発表したドローン(小型無人機)による配送サービスである。米Amazon社ではお客様が5ポンド(約2.3キログラム)以下の商品であれば、ドローンにより、商品を30分以内に配送することを目標としている。
この米Amazon社により独自開発されたドローンには、自動回避センサーが搭載されているため、障害物を安全に回避することが可能だが、まだ、米国では米連邦航空局(FAA)による規制によって、そうした機能の有用性を街中で確認したり、実証できていない状況にある。
だが、今年8月25日、米Amazon社はドローン宅配サービス「Amazon Prime Air」による配達テストに関して、英国政府と提携したことを発表しており、米国より先に英国での実現の可能性が大きくなった。ドローンによる大きなメリットは注文から短時間でお客様に商品を配達できるという利便性と、配送コストが大幅に削減できるというところにある。
近い将来、この米Amazon社の商用ドローンが街中の上空を飛び、品物を運んでいる光景を目にするようになるだろう。
Amazonは「地球上でもっともお客様を大切にする企業」を企業理念とし、Eコマースにおいては世界的なリーディングカンパニーである。今、Amazonが行おうとしている物流システムのイノベーションである高速宅配サービスが実現できれば、今後ますます、Eコマース全体が発展、成長することは間違いないだろう。
最近、Amazonは新しいソフトウェアの特許を申請した。このソフトは、お客様の過去の購買履歴や、閲覧行動、さらにはマウスの動きなどを参考にして、お客様が将来注文しそうな商品を予測するというものだ。その予測データは、将来購入すると思われるお客様の商品を、そのお客様の住所の近くの倉庫へ「予測出荷」することなどに使用されるものだ。
まさに、Amazonは「地球上でもっともお客様を大切にする企業」であると言える。
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