連日、熱戦が伝えられる2018FIFAワールドカップ ロシア。
グループHで日本は好発進したが、同じアジア・グループの代表として出場している、グループCのオーストラリアは、今のところ第3位と苦戦している。
そしてオーストラリアでは、今年7月1日より、1,000豪ドル以下の商品でも越境ECで購入される場合、これまでにはなかった関税10%が課せられることになるので注意が必要だ。
今回は、この変わるオーストラリアの関税について調べてみた。
6月30日までは、オーストラリアで越境ECを利用して海外から購入された商品は、1,000豪ドル(約84,000円)未満については関税もGST(消費税)も課せられない。
しかし、2018年7月1日からは、法律「低額輸入品関税免除制度」が改正され、オーストラリア向けの越境ECにおける1,000豪ドル以下の商品販売にも関税が適用される。 税率は10%である。
今後はオーストラリア向けに、越境ECを行う事業者は、商品の販売時(決済時)にGST相当額(10%)を消費者から徴収し、豪州政府に納付する必要がある。
オーストラリア消費者に売買される1,000豪ドル以下の商品についても、2018年7月1日以降GST(消費税)の課税対象となり、売り手はGSTを徴収する必要がある。
このため、商品販売者はオーストラリアにてGSTの課税事業者登録を行う必要がある。 しかし、オーストラリアに関係する売上高が75,000豪ドル(約6,000,000円)未満で、電子配信プラットフォームでの販売、または商品配送業者経由で販売を行わない場合はGSTの課税対象にはならず、GSTの課税事業者登録の必要はない。
また、動画ストリーミング配信、映像、音楽やアプリのダウンロードなどのデジタル財の供給についても課税対象になる。さらに、消費者向けのサービス、一部の金融商品、権利、ゲーム製品、保険などの無形資産の供給についても同様にGST課税が適用される。
オーストラリアは、Google Consumer Barometerによると、約7割の人が年に1回以上オンラインで海外から商品を購入すると回答している。これは、英語が使えるといことと、越境ECでの買い物すると、1,000豪ドル(約84,000円)以下の商品については関税が0%だからだろうか。
越境ECはオーストラリアでは買い物の一手段として浸透しているようだ。 statista.comの調べによると、オーストラリアのインターネットユーザーは2016年1月時点で約2,118万人。2016年3月時点でオーストラリアの人口が2,405万人とすると人口あたりのインターネット普及率は88%で、スマホの普及率も77%と高い数値だ。
人口の65%がオンラインでの購入経験があるとする調査結果もある。 ECサイトのランキングを見ても、トップ10のうち3割以上が海外のサイトという事実から、日常的に越境EC利用の多さを裏付けている。
海外サイトでの購入国ベスト3はアメリカ、中国、イギリスとなっており、越境ECサイト理由は国内で販売されている商品よりも安い物を購入できるからとなっている。 越境EC利用年齢は、18歳〜40歳が全体の約50%を占めている。
当社Live-Commerceとご契約のお客様で、越境ECで販売している商品でオーストラリアで5月、6月で売れている商品を調べてみると、釣り具関連商品がよく売れていた。その他ではフラダンスやフラメンコの衣装などファッション関連商品、健康食品フコイダンなども売れ筋商品だった。
「低額輸入品関税免除制度」の撤廃を受け、グローバルECサイト「eBay」では、7月1日以降は、オーストラリア国外のセラー(売り手)が販売している1,000豪ドル以下の商品については、オーストラリアの消費者が決済する場合、10%相当額を追加して表示するとしている。
また、Amazonでは、オーストラリア消費者のアメリカAmazon、イギリスAmazonの利用を7月1日より停止すると発表した。オーストラリア消費者がアメリカAmazon、イギリスAmazonにアクセスした場合、自動的にオーストラリアAmazonにリダイレクトされるよになる。
日本貿易振興機構(JETRO)によると、「低額輸入品関税免除制度」が海外小売業者(越境EC事業者)を優遇していると、オーストラリア国内の小売業界からは反発の声が上がっていたという。
今回の「低額輸入品関税免除制度」の撤廃、課税10%の徴収は、オーストラリアの越境EC利用者にとっても、さらに、オーストラリア向け海外販売を行う事業者にとっても大きな打撃となるだろう。
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