越境ECにかかせない海外配送 大手3社を比較してみた

イメージ画像

越境ECでは、海外への配送をどの会社から配送するか、海外配送するにはどんなサービスがあり、料金や日数はどれくらいかかるのかなど、データがあると便利だ。
越境ECでの海外配送を扱っている企業はいろいろあるが、国内の海外物流の主な企業は日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の3社である。
2年前にも調べたが、これまで、新しい海外配送サービスなど増えている現況から、今回はこの3社が取り組む海外配送の特徴や料金の違いなどを新たに比較してみた。

 

●EMS(日本郵便)

日本郵便画像

EMS(Express Mail Service)は、日本郵便が運営する国際郵便サービスである。
世界120カ国以上の国や地域に30kgまでの書類や荷物を配送でき、配送スピードが最速というのが特長だ。料金の基準は荷物の重量だけで変わり、重量は500gから100g、500g、1kg単位で細かく料金設定されている。
例えば、EMSでは東京から上海市までの配送で1kgの商品で料金は2,100円で、配送日数は2日である。

国際郵便 – 日本郵便 :https://www.post.japanpost.jp/int/

EMS(国際スピード郵便) – 日本郵便 :https://www.post.japanpost.jp/int/ems/

 

●国際eパケットと国際eパケットライト(日本郵便)

日本郵便には2kgまでの小荷物をEMSよりより安く配送するためのサービスとして 国際eパケットと国際eパケットライトというサービスがある。
サイズの規定があり、長さ+幅+厚さ=90cm以内。長さは最大60cmまで、重さは2kgまでの小荷物で、50gから、50g、100g単位で料金が設定されており、EMSより配送時間はかかるが、安価に配送することができる。
国際eパケットでは1kgの商品で東京から上海までの配送料金は1,480円。配送日数は7日である。

越境EC事業者向けに2016年10月から「国際eパケットライト」というサービスを開始した。
国際eパケットライトは、eパケットよりさらに配送時間がかかるが、低価格なのが特長である。
追跡サービスがあり、小荷物はSAL便扱い、配達は受取人の郵便箱に投函される。
国際eパケットライトでは1kgの東京から上海までの配送料金は1,120円で、配送日数は2週間前後である。

国際eパケット: https://www.post.japanpost.jp/int/service/epacket.html

国際eパケットライト :https://www.post.japanpost.jp/int/service/epacketlight.html

 

●エコノミー航空(SAL)便(日本郵便)

日本国内と到着国内では船便として扱い、両国間は航空輸送するので、船便より速く、航空便より安いサービスがSAL便だ。
アジア、オセアニア、北中米、南米、中近東、ヨーロッパ、アフリカなど幅広い地域への配送に対応しており、小荷物は同時にまとめて利用すれば10個以上で10%、50個以上20%の割引を受けることができる。
エコノミー航空(SAL)便で、東京から上海まで1kgの商品を送る場合、料金は1,800円で、配送日数は2週間前後である。

エコノミー航空(SAL)便 :https://www.post.japanpost.jp/int/service/dispatch/sal.html

 

●EMS、eパケット、eパケットライト、SAL便の料金比較

下記に概略ではあるが、EMS、国際eパケット、国際eパケットライト、SAL便で韓国、中国、シンガポール等とアメリカ、カナダ等に配送した場合の重量による料金の違いを表に示した。

日本郵便価格表

日本郵便のEMSなどの料金・日数を調べる :https://www.post.japanpost.jp/cgi-charge/

日本郵便料金表ダウンロード: https://www.post.japanpost.jp/int/download/index.html

 

●ヤマト運輸(国際宅急便)

ヤマト運輸画像

ヤマト運輸(国際宅急便) :http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/oversea/

世界200を超える国と地域に対応し、最短で3から7日で配送される。
アジア圏内で書類であれば950円で送ることができ、宅急便で6つ定型サイズと書類専用のサイズのみの7種の料金体系で、料金体系がシンプルでわかりやすいが特長だ。 サイズの上限は縦、横、高さの合計が160センチ以内で重さが25kgまでとなっている。
国際宅急便で、東京から上海まで1kgの書類を配送する場合、料金は950円で、配送日数は4日程度である。

下記に国際宅急便で東京から上海までと東京からアメリカで小荷物を配送した場合、重量による料金の違いを表に示した。

ヤマト運輸価格表

ヤマトでお届け日数を調べる:http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/Main?LINK=WT

 

●佐川急便(飛脚国際宅配便)

佐川急便画像

佐川急便(飛脚国際宅配便):http://www.sagawa-exp.co.jp/service/h-kokusai/

3社の中では一番広域エリアをカバーする世界220以上の国と地域に配送でき、現地、佐川スタッフがドアーツードアで玄関まで運んでくれる。
小荷物は0.5kg刻みの料金体系で、ビジネス書類とビジネス小荷物に別れている。
海外配送できるものは、最大3辺の合計が260cm以内、重量が50kg以内の大型の荷物まで配送対象となり、3社の中では最大のサイズ、重量を配送できる。
飛脚国際宅配便で東京から上海まで1kgの小荷物を配送する場合、料金は5,300円で配送日数は3日程度となる。

佐川のサイズについて

下記に概略ではあるが、飛脚国際宅配便で、ビジネス書類またはビジネス小荷物を中国、シンガポール、タイ等に配送した場合、アメリカ、カナダ等に配送した場合の重量による料金の違いを表に示した。

佐川飛脚便価格表

 

飛脚国際宅急便の料金検索 :http://www2.sagawa-exp.co.jp/send/fare/input/?_ga=2.3217209.849465140.1500875867-1207428058.1499310529

 

●Live Commerceには様々な配送プラグインが用意されている

Live Commerceには今回取り上げた、日本郵便のEMS国際配送、国際eパケット、eパケットライト、SAL便、ヤマト国際宅急便、飛脚国際宅急便、これらすべて配送料金を自動計算するプラグインがあり、Live Commerceのサービスを利用しているECサイトに実装することができる。
さらに、日本郵便のEMSや国際eパケットで配送する場合、これまで、手書きで書いていた送り状やインボイスを管理画面から、印刷ボタンをクリックするだけで書類を自動作成し、印刷できるたいへん便利なシステムが用意されている。

EMSのプリントシステム画像

EMSの送り状

Live CommerceのEMS送り状印刷機能 追加について:https://www.live-commerce.com/new/

Live Commerceのラベル印刷について :https://www.live-commerce.com/support/articles/ems-label

 

●まとめ

海外配送する際のポイントは、配送料を重視するのか、配送スピードを重視するのかをを明確にすることである。
今回取り上げた3社は様々な越境ECのサービスに取り組み、新しい試みに挑戦している。無駄なコストを作らないためにも、3社の展開している新サービスに注目しつつ、ニーズにあった配送サービスを選択することが重要である。

関連する記事

2018年 国内EC市場,越境EC市場 成長は鈍化傾向... 5月16日、経済産業省は「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態、及び日米中3か国間の越境電子商取引の市場動向について、その内容を公表した。 「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」の...
第22回 越境ECセミナー 3/1 日本郵便株式会社 九州支社では3月1日、JR博多シティ会議室にて「越境ECセミナー」を開催する。 セミナーではデジタルスタジオの板橋憲生氏(Discovery japan事業統括長)、関口朋宏氏とペンシルの板倉美佳氏(代表取締役社長)を講師に招き「Discovery japanモールの実績...
今年のブラックフライデーはどうだった?... 先月11月25日、アメリカ、ヨーロッパ、中国などで盛り上がりをみせたのが、「ブラックフライデー」という大々的なセールだ。日本でも様々なショップでブラックフライデーセールが実施されていた。実店舗やネットショップでは大いに売り上げを伸ばしたことだろう。まだまだ、日本には根づいてはいない、「ブラックフ...
押さえておきたい、海外マーケティングの基本... 海外に向けてECサイトを公開した後、次に行うべきは、集客し売り上げを伸ばしてゆくということになる。つまりマーケティングである。海外では自社商品の認知度が皆無に近いものを実際に越境ECサイトを立ち上げただけでは、集客できるものではない。たとえ集客できたとしてもコンバージョンまでにたどり着くには至難...
中国最大、モールサイト! T-mall(天猫)について調べてみた... 中国最大のインターネットショッピング・モールとして有名なのは、アリババグループの「T-mall(天猫)」である。アリババグループは2014年10月にニューヨーク証券取引所へ上場した。T-mallは7万を超える店舗、会員数6500万人、流通総額は8兆3325億と、その規模はとてつもない。 T-...
販路拡大を支援する最新補助金・助成金(2021年6月)... 6月に入った。6月は「水無月」と呼ばれる水の月である。田植えが終わり、田にたくさんの水を引く時節であることから和名ではこう呼ばれている。また、暦の上では6月11日は「立春」でもある。 日本では、コロナワクチン接種が加速している。地方自治体や大規模会場での集団接種だけではなく、企業や大学での...

タグ: ,

コメントをどうぞ