DHLとは?越境EC向けサービス内容・料金・発送手続きまで徹底解説

海外向けに商品を販売する越境ECビジネスにおいて、信頼性の高い国際配送サービスの選定は成功を左右する重要な要素です。数ある国際物流企業の中でも、DHLは220以上の国と地域をカバーする広大なネットワークと、通関から配送までをワンストップで支援する総合力で、多くの越境EC事業者から選ばれています。本記事では、DHLの基本的な概要から、具体的なサービス内容、契約・発送手続き、そして料金体系や注意点まで、越境ECを検討している方に向けて詳しく解説します。DHLを活用して効率的な国際配送体制を構築するための参考にしていただければ幸いです。

DHLとは?国際物流のリーディングカンパニー

DHLは世界最大級の物流企業として、国際輸送分野において圧倒的な存在感を持っています。ここでは、DHLの全体像を理解するために、事業領域や歴史的背景、主要ブランドについて解説します。

DHLの事業領域

DHLは単なる宅配会社ではなく、国際物流全般をカバーする総合的なロジスティクス企業です。国際宅配便サービスを中心としながら、航空・海上貨物輸送、サプライチェーンマネジメント、Eコマース向け物流ソリューションなど、幅広い事業を展開しています。

特に越境ECの分野では、小口貨物の国際配送だけでなく、通関手続きの代行、関税計算、返品対応まで、ECビジネスに必要な物流機能を包括的に提供しています。個人事業主から大手Eコマース企業まで、事業規模を問わず利用できる柔軟なサービス体系が特徴です。

DHLの歴史的背景

DHLの歴史は1969年にさかのぼります。アメリカのサンフランシスコで、エイドリアン・ダルシー、ラリー・ヒルブロム、ロバート・リンの3人によって創業されました。社名の「DHL」は、この3人の名前の頭文字を組み合わせたものです。

創業当初は、サンフランシスコとホノルル間で船荷証券を航空便で輸送するサービスからスタートしました。その後、事業を急速に拡大し、アジア、中東、ヨーロッパへとネットワークを広げていきました。2002年にはドイツポストグループの完全子会社となり、現在はDHL Groupの中核事業として、グローバルな物流サービスを提供しています。

DHLの主要ブランド

ドイツポストDHLグループは、複数のブランドを通じて多様な物流ニーズに対応しています。「DHL Express」は国際宅配便サービスの代名詞として、緊急性の高い書類や小口貨物の迅速な配送を担当しています。「DHL Global Forwarding」は航空・海上貨物輸送を専門とし、大型貨物やプロジェクト物流に対応します。

「DHL Supply Chain」は契約物流サービスを提供し、倉庫管理や在庫管理を含むサプライチェーン全体の最適化を支援します。さらに「DHL eCommerce」は、越境ECに特化したソリューションを展開しており、オンライン販売事業者のニーズに応えるサービスラインナップを整えています。

DHLのサービス提供エリア

DHLの最大の強みの一つが、そのグローバルなネットワークです。220以上の国と地域にサービスを展開しており、世界人口の約95%をカバーしています。このネットワークは、単に配送先として対応しているだけでなく、各地域に現地法人や営業拠点を構え、現地の通関規制や商慣習に精通したスタッフを配置しています。

アジア太平洋地域では、中国、韓国、東南アジア各国に強固な物流インフラを持ち、成長著しいアジア市場への越境ECを強力にサポートしています。また、北米やヨーロッパといった成熟市場においても、高品質な配送サービスを安定的に提供しています。

DHLの主なサービスを徹底解説

DHLは多岐にわたるサービスを提供していますが、越境ECビジネスにおいて特に関係の深いサービスについて詳しく見ていきましょう。それぞれの特徴を理解することで、自社のビジネスに最適なサービスを選択できるようになります。

DHL Expressの概要

DHL Expressは、国際宅配便サービスの中核を担うブランドです。書類や小口貨物を、世界各地へ迅速かつ確実に届けることを使命としています。時間指定配達や翌日配達など、スピードを重視したサービスオプションが充実しており、緊急性の高い配送ニーズに対応します。

越境EC事業者にとって重要なのは、DHL Expressが提供する追跡機能の精度の高さです。荷物がどの段階にあるかをリアルタイムで確認でき、この情報を購入者と共有することで、顧客満足度の向上につながります。また、通関手続きを代行するサービスも含まれているため、国際輸送に不慣れな事業者でも安心して利用できます。

DHL Global Forwardingの概要

DHL Global Forwardingは、航空貨物や海上貨物の輸送を専門とするサービスです。大量の商品を一度に輸送する場合や、サイズや重量が大きい貨物を扱う場合に適しています。定期的に大口の在庫を海外倉庫へ送るようなケースでは、コスト効率の面でエクスプレスサービスよりも有利になることがあります。

このサービスでは、輸送モードの選択から、通関手続き、貨物保険の手配まで、国際輸送に関する一連の業務をワンストップで依頼できます。プロジェクト物流や特殊貨物の輸送にも対応しており、複雑な物流要件を持つ企業にも柔軟にソリューションを提供しています。

DHL Supply Chainの概要

DHL Supply Chainは、契約物流サービスを提供するブランドです。倉庫管理、在庫管理、流通加工、配送管理など、サプライチェーン全体の最適化を支援します。越境ECビジネスが拡大し、海外に物流拠点を設ける段階になった際に検討すべきサービスです。

海外倉庫を活用したフルフィルメントサービスも提供しており、商品を現地倉庫に事前に在庫しておくことで、配送リードタイムの短縮と配送コストの削減を同時に実現できます。これにより、海外の購入者に対して、現地EC事業者と同等の配送スピードを提供することが可能になります。

DHLの越境EC向けソリューション

DHLは越境EC事業者向けに、「DHL EXPRESS COMMERCE」という専用のソリューションを提供しています。このサービスは、主要なEコマースプラットフォームとの連携機能を備えており、Shopify、WooCommerce、Magentoといったプラットフォームとスムーズに接続できます。

「MyDHL+」というオンラインツールを活用することで、見積もりから集荷依頼、配送状況の確認まで、すべての手続きをオンラインで完結できます。さらに「オンデマンドデリバリー」機能により、購入者は配達日時や受取場所を自分で選択できるため、不在による再配達を減らし、顧客体験の向上につながります。また、「MyDHL API」を利用すれば、自社システムとDHLのサービスを統合し、受注から発送までの業務を自動化することも可能です。

DHLの契約と発送手続きの進め方

DHLを利用して国際配送を行うには、アカウントの開設から発送手続きまで、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、具体的な手続きの流れを順を追って説明します。

DHLアカウント開設の手順

DHLのサービスを利用するには、まずアカウントを開設する必要があります。個人でも法人でもアカウントを作成でき、オンラインで手続きを完了することができます。アカウント開設により、運賃の割引や請求書払いなど、さまざまな特典を受けられるようになります。

開設手続きはDHLの公式サイトから行います。会社情報や連絡先、配送予定量などの基本情報を入力し、申請を送信します。審査完了後、アカウント番号が発行され、MyDHL+などのオンラインツールを利用できるようになります。配送量が一定以上見込まれる場合は、営業担当者と直接交渉することで、より有利な料金条件を引き出せる可能性があります。

発送ラベル作成の方法

DHLで荷物を発送する際には、専用の発送ラベルを作成する必要があります。MyDHL+にログインし、発送元と発送先の住所、荷物のサイズと重量、内容物の詳細を入力することで、ラベルを作成できます。入力された情報に基づいて、自動的に運賃が計算されます。

ラベル作成時には、荷物の内容物を正確に申告することが重要です。内容物の記載が不正確だと、通関で遅延が発生したり、追加の検査費用が発生したりする可能性があります。また、商用貨物の場合は、インボイス情報も併せて入力する必要があります。作成したラベルはPDF形式でダウンロードでき、家庭用プリンターで印刷して荷物に貼付します。

集荷依頼の出し方

発送ラベルを作成したら、次は集荷の手配を行います。MyDHL+から集荷依頼を出すことができ、希望の集荷日時と集荷場所を指定します。集荷は平日だけでなく、土曜日にも対応している場合がありますので、事業スケジュールに合わせて柔軟に調整できます。

集荷依頼を出す際には、荷物の準備が完了している時間帯を指定することが大切です。DHLのドライバーは指定された時間帯に訪問するため、荷物が準備できていないと再度の集荷手配が必要になります。なお、DHLのサービスポイントに荷物を持ち込んで発送することも可能で、この場合は集荷手数料を節約できます。

梱包資材の選び方

国際配送では、荷物が長距離を移動し、複数回の積み替えを経験するため、適切な梱包が非常に重要です。DHLでは、国際配送に適した専用の梱包資材を提供しています。DHLブランドの段ボール箱やエンベロープは、耐久性に優れ、輸送中の衝撃から荷物を保護します。

梱包の際は、商品と箱の間に十分な緩衝材を入れることが重要です。特に壊れやすい商品を発送する場合は、二重梱包を検討してください。また、液体や粉末など、特別な取り扱いが必要な商品については、漏れ防止の対策を施し、適切なラベルを貼付する必要があります。DHLのウェブサイトには、品目別の梱包ガイドラインが掲載されていますので、参考にするとよいでしょう。

輸出入に必要な書類

国際配送では、荷物に加えて、通関に必要な書類を準備する必要があります。商用貨物の場合、最も基本的な書類はコマーシャルインボイスです。これは商品の価格、数量、原産国などを記載した商業送り状であり、輸出入の申告に使用されます。

パッキングリストも重要な書類の一つです。荷物の内容物を詳細にリスト化したもので、通関検査の際に参照されます。また、商品によっては、原産地証明書や輸出許可証、安全データシート(SDS)などの追加書類が必要になる場合があります。どのような書類が必要かは、発送先の国と商品の種類によって異なりますので、事前に確認しておくことが大切です。

DHLの料金と追加費用

越境ECにおいて配送コストは利益率に直結する重要な要素です。DHLの料金体系を正しく理解し、隠れたコストも含めて把握することで、適切な価格設定と収益管理が可能になります。

DHLの基本運賃の仕組み

DHLの基本運賃は、荷物のサイズと重量、発送元と発送先の組み合わせ、選択するサービスの種類によって決まります。重量については、実重量と容積重量のいずれか大きい方が適用される「容積重量制」が採用されています。これは、軽くてもかさばる荷物が輸送スペースを占有することを考慮した計算方法です。

容積重量は、荷物の縦・横・高さを掛け合わせ、一定の係数で割ることで算出されます。DHLの国際宅配便では、一般的に5,000cm3を1kgとして計算します。例えば、50cm×40cm×30cmの箱の場合、容積重量は12kgとなります。実重量が5kgであっても、12kg分の運賃が適用されることになります。

燃油サーチャージの扱い

基本運賃に加えて、燃油サーチャージが別途発生します。これは、航空燃料費の変動を運賃に反映させるための追加料金です。原油価格の変動に応じて毎月見直されるため、発送時期によって金額が変わります。

燃油サーチャージは基本運賃に対する一定の割合で計算されることが一般的です。DHLの公式サイトでは、最新の燃油サーチャージ率が公開されていますので、発送前に確認することをおすすめします。見積もり時と実際の発送時で燃油サーチャージ率が変わる可能性があるため、コスト管理には注意が必要です。

遠隔地配達手数料の定義

発送先が都市部から離れた遠隔地の場合、遠隔地配達手数料(Remote Area Surcharge)が追加で発生することがあります。これは、配送ネットワークから離れた場所への配達に追加のコストがかかることを反映したものです。

DHLでは、遠隔地に該当するエリアをリスト化して公開しています。発送先の郵便番号をチェックすることで、遠隔地手数料の対象かどうかを事前に確認できます。越境ECで商品を販売する際には、遠隔地への配送が多い場合、この手数料を配送料金に織り込んでおくか、遠隔地向けの送料設定を別途用意することを検討してください。

関税と通関手数料の発生条件

国際配送では、配送料金とは別に、発送先の国で関税や輸入税が発生する場合があります。これらの費用は、商品の種類、申告価格、発送先の国の税制によって異なります。一般的に、一定金額以下の少額貨物には免税枠が設けられていますが、国によってその基準は大きく異なります。

関税の支払い方法には、主に2つのパターンがあります。「DDP(Delivered Duty Paid/関税込み配達)」は発送者が関税を負担し、購入者には追加費用が発生しない方式です。一方、「DAP(Delivered At Place/関税別配達)」は購入者が受取時に関税を支払う方式です。越境ECでは、どちらの方式を採用するかを明確にし、購入者に事前に説明しておくことが、トラブル防止のために重要です。また、DHLでは通関手続きの代行費用として、通関手数料が発生する場合があります。

まとめ

本記事では、DHLの概要から具体的なサービス内容、契約・発送手続き、料金体系まで、越境ECビジネスに役立つ情報を幅広く解説しました。以下に重要なポイントを整理します。

  • DHLは220以上の国と地域をカバーする世界最大級の国際物流企業
  • DHL Expressを中心に、越境EC向けの包括的なソリューションを提供
  • MyDHL+で見積もりから集荷依頼、追跡までオンラインで完結可能
  • 主要ECプラットフォームとの連携により効率的な発送管理を実現
  • 料金は重量・サイズ・発送先に加え、燃油サーチャージや遠隔地手数料も考慮
  • 関税の取り扱い(DDP/DAP)は事前に方針を決めて購入者に明示することが重要

DHLを活用した越境EC物流の構築は、海外展開を成功させるための重要なステップです。自社のビジネス規模や配送ニーズに合わせて、最適なサービスを選択してください。

越境ECビジネスの成功には、DHLのような信頼できる配送業者の活用に加えて、自社に合った配送コストの最適化が不可欠です。高品質な国際配送を維持しながらさらに利益率を向上させるためには、強力な物流パートナーの存在が欠かせません。海外配送代行サービスを提供するLive Commerceロジでは、日本から海外への配送を最大91%OFFの特別料金で提供しています。企業向けの越境EC物流にも対応しており、複雑な発送業務をトータルでサポートします。配送コストを削減して海外市場での競争力を高めたい方は、ぜひLive Commerceロジのサービス詳細をご確認ください。

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