ヨーロッパ全域をカバーするドイツのマーケティング会社のZanoxは、先日、ヨーロッパとアメリカ、ブラジルのモバイルショッピングの傾向についての分析資料を発表した。
これは各国の4300社、特に小売、旅行、金融部門を対象に調査している。今回の調査で一番取引が多くなる時期についての調査では、特にヨーロッパ各国とブラジルに関して、感謝祭の次の日ブラックフライデーから始まり、年末のクリスマスの時期が最も多い。さらに、イギリスと北欧地域が最もモバイルショッピングの取引が多い事が分かった。
スイスは取引数は低かったものの観光業オンラインビジネスでは最も注文単価が高く売り上げも高い。 Zanoxの調査は毎年2回実施され、主にモバイルショッピングの傾向を分析している。
下記にある各国の売り上げの動向グラフでみると、特にスペインなどは夏休み期間は減少、しかし、イタリアでは通常の3月期の売り上げと比べ夏休み期間は2倍の売り上げになっている。
これは、おそらく旅行のブッキングなどの増加のためだと予測できる。東欧、フランス、スペインでは特に年末のクリスマスの時期の売り上げが急激に伸びる傾向にあり、ポーランドとその隣接国の東欧地域では2015年の1月の売り上げの3倍になる。
このグラフで明確なのはモバイルショッピングが急激に伸びているということである。東欧やスペインはかなり顕著である。
国別でみるとスペインが顕著で2014年度と比べて68.8%の成長率、さらに東欧(68.7%)、北欧(68.3%)、ベネルクス(24.2%)という結果である。
モバイルはどこでもショッピングできることから、販売者は消費者のニーズを判断し、便利なサービスを提供していくことが求められている。
Zanoxはさらにデバイス別の売り上げを調査、Zanox networkの売り上げの26%が携帯での購入、その中の10%はタブレット、16%は携帯である。2015年の7月から携帯での購入は着実に2%増加している。そして、イギリスでは全体の売り上げの41%がモバイルショッピング、続く北欧は37%、他には、アメリカ、ブラジル、スペイン、イタリア等の国がタブレットから携帯にシフトしている傾向にある。
一方、ベネルクス、フランスではデスクトップでのオンライン購入が現在も多い傾向にある。ソフトに関しては、iOSは依然としてトップのシェアであるが、価格競争もあり、減退気味である。Androidはグローバルで1%の成長、ブラジル(4%)東欧(2%)スペイン(3%)とシェアは伸びてきているが、iOSのデバイスが安定した経済の先進国で浸透しているのは確かである。
グローバルにiOSデバイスによる購入が最も高く全体の売り上げの31−52%に及んでいるが、ブラジル、東欧ではAndoroidの方が利用率が高い。iOSは65%のグローバルシェア(収益ベース)北欧、ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)イギリス、アメリカでは75%である。
デバイス別の平均単価は2013年から着実に伸び、2015年はおよそ100ユーロが平均単価になりつつある。様々な分野の業者がモバイルサイトに対応していることも理由にあげられる。
さらに、旅行予約をオンラインでする消費者も増え、家具、家電などの大型製品もネットで購入されることが多くなった。
今回の分析によるとモバイルショッピングはさらに伸びる傾向にある。モバイルでの取引における成長率は140%の国もあるほどだ。消費者がモバイルショッピングにシフトしていくことに対応していく必要がある。
グラフを見てわかるようにタブレットよりモバイルでのショッピングが主流になりつつあることから、広告、動画、出版物などのメディアを通じていかに商品をアピールしていけるか、便利な機能を備えているか、携帯だけでなく総合的なマーケット戦略(オムニチャンネル)が必要になるだろう。
参考:
March 31, 2016 by Ecommerce News. About Mobile, Statistics with tags Europe.
ZANOX Mobile Performance Barometer.
タグ: 海外向けマーケティング