越境ECは課題はあるが今後も継続したいが圧倒的

 

タイトルイメージ

5月24日、BEENOS株式会社の連結子会社BeeCruise株式会社は、プレスリリースのおいて、海外向け購入サポートサービス 「Buyee(バイイー)」を導入している企業に「越境ECの活用に関するアンケート」を実施し、その結果を公表した。
その結果、このコロナ禍にあっても越境ECは継続したいと多数(84%)が回答している。
また、2021年の7〜8月に日本政策金融公庫が行った「越境ECに関するアンケート調査」でも76.5%が越境ECを今後も続けたいと回答している。
今回はそれらアンケート内容についてと越境EC導入後の課題についてまとめた。

越境ECは今後も継続したい、理由は販売拡大できるから

下の図はBeeCruise社のアンケート、「今後も越境ECの導入を継続したいか」質問に対する回答。 結果は「続けたい」が84.3%と多数を占め、多くの企業が今後も継続したいと回答している。
続けたい理由として、最も多かったのは、「販路を拡大できるから」が83.7%で最多で、次に「コストパフォーマンスが高いから」と「流通が期待できるから」が同率で30.2%となっている。

下の図は日本政策金融公庫が行った越境ECに取り組んでいる107社に対して、行ったアンケートの質問「今後の越境EC事業の方針」についての回答である。
こちらも「拡大したい」が76.5%と多数を占めている。「わからない」が18.6%、「縮小したい」が4.9%という結果だ。
越境ECに販路拡大など引き続きチャンスを見出し、期待している事業者が多いことがわかる。

商材は「ファッション」「おもちゃ・ゲーム・アニメ」「食品・飲料」

下の図はBeeCruise社のアンケート、「越境EC(Buyee)で扱っている主な商品のジャンル(単一回答)」についての回答。
トップは「ファッション」で27.5%、次に「おもちゃ・ゲーム・アニメグッズ」が15.7%、次に「食品・飲料」13.7%などなっている。
Buyeeでは「日本のファッション」や「エンタメグッズ」が流通規模が大きい2大ジャンルとなっている。

越境ECの販売エリアはアメリカ、中国、イギリス

下の図は日本政策金融公庫のアンケートによる越境EC販売先に関するものだ。
越境ECでの主な販売エリアは北米(40.7%)、アジア(30.9%)、ヨーロッパ(20.6%)の順である。
それぞれの地域で最も多かった進出国は、北米ではアメリカ(31.4%)、アジアでは中国(17.6%)、ヨーロッパではイギリス(10.3%)となっている。
越境ECでは進出国としては、やはり、BtoC EC市場規模が大きい国が選ばれやすい傾向にある。

企業は越境ECプロモーションには消極的

下の図はBeeCruise社のアンケート、「越境ECの流通を伸長させるためのプロモーション施策を行っているか?」についての回答である。
プロモーションを「行っていない」が72.5%、「行っている」が27.5%とプロモーションは実施していないが多い。

さらに、下の図はプロモーションを「行っている」と回答した方に、「プロモーション方法」について質問しその方法を回答したもの。
それによると、「Instagramでの情報発信」が64.3%でトップとなっており、次に「Facebookでの情報発信」が35.7%、 「インフルエンサー活用」が28.6%の順となっている。プロモーションは取り組みやすいSNSを活用しているのが分かる。

また、同じく下の図は日本政策金融公庫のアンケートによる「越境ECについて広告・宣伝の実施有無」についての回答だ。
BeeCruise社のアンケート同様、「実施している」が65.3%、「実施していない」が34.7%と、こちらも、広告や宣伝といったプロモーションには消極的である。

 

導入後の課題は「集客」、「差別化」、「外国人対応」

下の図は下の図はBeeCruise社のアンケート、「越境EC導入後の課題」についての回答である。
結果を見ると「海外向けマーケティングの方法がわからない」が64.7%で最多となっている。
「配送」や「コスト」の課題はBuyeeのような越境EC代行サービスの活用によって解消されているが、 「越境EC企業だけでマーケティングを行うこと」の難しさをを感じている結果である。

「Buyee」を導入している企業にとっては、配送やコスト、言語などの課題とする企業は多くないようだ。
一方、日本政策金融公庫のアンケートでは越境EC導入後の課題は少し違っている。
下の図を見ても分かるように、「競合との差別化」が35.6%、「物流の不備」と「外国人顧客との対応」が同率で25.7%、次に「外国語人材の不足」が19.8%なっており、明らかに越境EC導入後の課題に違いが見える。

越境EC運用の課題は実施形態の違いにより異なる

越境EC導入後の両社アンケート課題の違いは、越境ECをどのようなシステムで運用しているかの違いである。
つまり、「Buyee」を導入して越境ECを行った場合、海外消費者の注文処理はBuyee経由で商品購入、決済、配送を行われるため、言語や配送に関してはさほど問題とならないのだろう。この場合の課題はマーケッティング等の集客である。

一方、日本政策金融公庫のアンケートに回答した企業は、越境ECを「モール出店型」で行っている企業と「自社サイト型」である。
「モール出店型」の場合は、競合との差別化が課題となり、モール自体が集客を行うため集客はあまり課題とならない。
また、「自社サイト型」の場合は物流の問題、更に外国人顧客への対応が課題の上位となる。
越境EC導入後の課題は、このように「Buyeeのような代行サービス」を利用する場合、eBayやAmazonなど「モール出店」の場合、「自社越境ECサイトを構築」の場合により、運用課題が違ってくるのである。
越境ECは実施形態の違いにより課題はあるが、今後も想定通りの売上拡大を見込める、総じて魅力的な市場であると言える。

参考:

 

関連する記事

アメリカ TPP離脱の場合、越境ECはどうなる?... アメリカ大統領選挙で大逆転勝利したドナルド・トランプ氏。世界はトランプ氏がこれまでに発言したことを、大統領就任後、公約として実行するかが注目している。 これまで、トランプ氏の発言は様々なメディアで取り上げられ、読者も周知のことだと察する。 今回は、そのトランプ氏の様々な発言の中でも「アメリ...
7月から変わるオーストラリアの関税 越境ECでは注意が必要... 連日、熱戦が伝えられる2018FIFAワールドカップ ロシア。 グループHで日本は好発進したが、同じアジア・グループの代表として出場している、グループCのオーストラリアは、今のところ第3位と苦戦している。 そしてオーストラリアでは、今年7月1日より、1,000豪ドル以下の商品でも越境EC...
あきらめないで! 越境ECで売上げをアップする10の方法... 越境ECを構築して、海外販売を始める企業は増加しているが、構築はしたもののなかなか売り上げが上がらない、どうしたら良いのかわからない。 何か手立てがないかなど思案している事業者も少なくないと聞く。 せっかく苦労して越境サイトを構築したのに、「売り上げが上がらない」と海外進出をあきらめるの...
ヨーロッパEU諸国の平均収入まとめ 気になる各国の平均所得、最低賃金、これらのデーターに基づいて、マーケティング、価格設定することは越境ECサイトにおいて非常に大切なこと。現在のヨーロッパEU諸国の平均収入はどうなのかを知ることは、ヨーロッパへ海外進出を考えている企業にとってビジネス、生活において必須となる。 今回はヨーロッパ...
越境EC マレーシアのポテンシャルは?... 9月3日、東京都は越境ECで中国向け販売、マレーシア向け販売を支援する事業を開始した。 これは中国とマレーシアの現地モールに特設サイトを開設し、販売するというものだ。中国では、「寺庫(スーク―)」モールサイトで、マレーシアは「11street(イレブンストリート)」での販売となる。 東京都...
イギリスのトップEコマース500社 Internet Retailing社は最新のイギリスのトップEコマース500社を発表、イギリスでは、AO, Argos, Holland & Barrett, Topshop やNext などが最大手となる。 この毎年実施されるランキングは今年で3回目で、特にクロスボーダーや様々な...

タグ: , ,

コメントは受け付けていません。