越境ECは右肩上がりの拡大、成長を続けており、6世界の6大市場(英国、米国、ドイツ、北欧諸国、オランダ、フランス)における越境EC の市場規模推計(2013 年)によると250 億US ドルであるが、2020 年にはその約5.2 倍に相当する1300 億US ドルになると予測されている。
そのような中で先日、4月5日、イーベイ・ジャパンは、「国内における越境ECのイメージおよび浸透度」の調査結果を公表した。この内容によると、越境EC出店者は「日本では売れない商品が、海外では売れる」、「日本よりも高い価格で販売できる」などに出店のメリットを感じているという現況が明らかになった。
今回は、このイーベイ・ジャパンの調査結果を紹介し、越境ECの現況を探ってみたい。
越境ECを始めた主な理由については、1位は「日本では売れない商品が、海外では売れる」47.6%、2位「日本よりも高い価格で販売できる」46.6%、3位購入者が日本より多い」40.8%となっている。
日本と海外ではニーズや嗜好の違う点が大きいのと、日本では人気が無い商品でも海外では売れる可能性があることだろう。特にクールジャパン商品は海外では人気が高いし、国外のパイは日本より大きいなどメリットが多いといえる。
出店する国のトップはアメリカの64.1%(前年と比べ‐3.9pt)で、2位は中国の53.4%(+6.8pt)、3位はアジア地域(中国以外)の51.5%(+11.7pt))(以下図表を参考)という結果だ。
中国や特にアジア地域は前年調査と比較して11.7%の伸びており、注目度が高い。今後は中国も含めたアジア諸国の出店が増加することが予想される。
国内でEC出店しているが、まだ、越境ECは行っていない方(n=335)に対して「越境EC出店をしてみたいと思いますか」という問いに対しては、55.6%が「出店してみたい」もしくは「やや出店してみたい」と回答し、半数以上が越境EC出店に前向きに取り組みたいと考えているようだ。これに対して、「出店したくない」「あまり出店したくない」と越境ECへ抵抗を感じている方は22.4%となっている。
抵抗感の利用としては、各国の言語理解がないためコミュニケーションが取れない、決済が信頼できない、配送が出来るか不安、トラブルが生じた際にサポートが十分ではないなどの不安要素がその理由のようだ。
国内でEC出店しているが、越境ECは行っていない(n=309)へ、「越境EC出店に対して抵抗があるか」との問いに対し、「抵抗なし」は37.5%、「抵抗あり」は62.5%となっている。
世界のEC市場規模は158兆円にも達しており、この数値は日本の約12倍である。この数値は、今後ますます、増加傾向にあると言え、それに伴い越境EC市場も拡大、成長することは明らかだろう。
今回のイーベイ・ジャパンのアンケートから分かることは、越境ECへの転換、参入を望んでいる潜在的ニーズは高いが、まだ、実際に海外に出店として踏み出すには、超えなければならないハードルがいくつかあり、躊躇しているという姿だ。越境EC参入、転換の鍵は、それらハードルを少しでも低くすることがポイントのようだ。
出典:PR TIMES | プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1 イーベイ・ジャパン株式会社のプレスリリース(2016年4月5日)