色が何らかのサインを送りだしていることは誰もがよく知っている。誰がどんな色を選ぼうと、共通しているのは、その色に対して人は反応するということだ。私たちは色に対し条件反射し、気づくこともない。色に対する反応は直観的反応とも言われ、個々の色は人の本能的な反応と密接に関係し、その反応は生理的、感情的、環境、文化的な意味合いと密接に関係している。
3月も後半、いよいよ春到来である。東京では先日、桜の開花宣言が出された。桜の色に非常に近いCORAL(コーラル)という色は2016年の春夏のトレンドカラーの一つにが選ばれている。CORALは珊瑚の色、少し黄みがかった暖かみのあるピンク色である。また、春といえば、「ひなまつり」「ホワイトデー」「歓送迎会」「花見」などイベントも盛りだくさんの季節でもある。
今回は桜咲くこの季節にぴったりの「ピンク色」を取り上げその色の特徴などを見ていこう。
ピンクは一つには女性らしさをイメージさせ、女性に最も好まれる色の一つである。女の子というイメージから、少し甘さを感じさせる色でもある。どんな色でもマイナスイメージ、プラスイメージ、良い印象、悪い印象の両面があるが、ピンク色に関しては、マイナスイメージが少ないという特徴がある。与えるプラスイメージとしては女性的、優しい、華やか、愛情。マイナスイメージとしては、繊細、不安定、子供っぽいなどがある。
また、ピンクは幸福、至福、癒し、恋愛のイメージもある。シャンソンの「バラ色の人生」、映画「酒とバラの日々」、ピカソの「ローズの時代」などはピンク色が人間の幸福感を表す色でもあることを象徴している。
ピンクは暖かさやデリカシー、女性らしさといったイメージの演出色として使われる。特に春、女性をターゲットにした商品やサービスによく使われる。また、恋愛の象徴しての定番カラーでもあり、ハートの形にはよくピンクが使われる。ピンクは優しさを象徴し、癒しを与える色ではあるが、使いすぎには注意が必要だ。なぜなら、ピンクは女性に最も好まれる色ではあるが、と同時に最も嫌われる色でもあるのだ。安易に女性向きだからとピンクを選ぶとそのイメージによっては嫌われてしまうこともあるので、ピンクを選ぶ場合には、十分に検討する必要がある。
ピンク色を利用したサイトにはコンテンツが堅い、真面目なサイトには向かない。金融機関のサイトや医療機関などのサイトには合わない。ピンク色に合うサイトには可愛らしさや明るさ、幸福感を与える、ブライダル関連サイト。可愛い雑貨などを扱うお店、コスメや女性をターゲットにしたファッション系サイトにはぴったりである。
春という季節感をピンク色で表現したKIRIN新商品キャンペーンサイト。
商品のピンク色を上手くサイトに活かしている。
チョコレートの「ゴティバ」のバレンタインコレクションサイト。
使われているピンク色は控えめで、上品な色相を選んでいる。
「手ピカジェル」の商品のピンク色をそのままサイトデザインに展開している。
ローズ色と合わせブランドイメージとしてピンク色を打ち出している。
コスメブランド「INTEGRATE」のサイト。
元気をアピールするマゼンタピンクを全面に出しているが、薄いピンク色も使われており、バランスよく統一さている。
サイト全体がコーラルピンクで統一され、とても心地よいピンク色である。
ピンク色は女性的で健康的な色である。ピンクの色に囲まれ生活すると、心身がほぐされ、美容効果があるとされている。
しかし、ピンク色を選ぶ時は、マイナス効果も十分検討し、ピンク色の使いすぎ、特に派手なピンク色は控え、選択するのが良いだろう。