アクセンチュア・ストラテジー社は、「デジタル世代」と言われる若い層も含め、顧客満足度の最も重要な要素について調べた。今回はストラテジー社の「Digital Disconnect in Customer Engagement report」 調査内容をもとに、消費者は”今、どんなサービスを求めているか”をまとめてみた。
「Digital Disconnect in Customer Engagement report」(顧客とデジタルディスコネクトとの関連性報告書)調査は、毎年、アクセンチュア・ストラテジーが発行している「Global Consumer Pulse Research(世界の消費者傾向調査)」を基本に、世界各国24,489名の消費者を対象に、マーケティング、セールス、カスタマーサービスについての傾向を調査、分析したものである。
消費者は、価格はもとより、店舗での接客などの対面の顧客サービスを求めていることが、アクセンチュアの調査で分かった。この報告書では、特に、何か問題が生じたときの対応には82%の回答者が、直接カスタマーサービスとの対応を求めている。
さらに10人のうち6人(65%)は、本当のニーズに応えてもらえるのは店頭での買い物だと答えている。 さらに、46%の消費者が、オンラインと比べて接客での買い物では、新製品やアップグレード製品を安心して買う傾向があるらしい。
この調査結果を受けて、多くのエクゼクティブがコメントをしている、例えば、ファッションブランドのUrban OutfittersのCEOは、店舗型のビジネスモデルの衰退を否定し、「店舗もウェブサイトもパートナーとして存在する価値がある、オムニチャンネルが必要だ、実際にこれを受けて、大手の会社では、ウェブだけではなく、店舗をオープンする会社が増加している」と述べている。
アンケートの半数(52%)の消費者は、1年以内に他のビジネスプロバイダーに変更している。カスタマーサービスの質に満足できない事が主な原因となり、この変更に伴う諸費用は、アメリカ全土で2億ドルにもなるという。
アクセンチュア・ストラテジー社、アドバンスト顧客戦略部の代表取締役のロバートウォランによると、「近年のインターネットの普及に伴い業務の簡素化、効率化を追求する傾向があったが、その反面、本来、消費者が求めている、人と人とのふれあい、接客によるサービスが著しく減少し、満足できる顧客サービスを提供できていない状況が伺える」と述べている。
さらに注目すべきポイントは次の通り:回答者のアンケートから
アンケートの結果は、デジタル社会の便利さとは相反して、原点に戻り、人とのふれあいを消費者は求めていること、そして、これが欠如していると、消費者を遠ざけることになってしまう。デジタル化への投資金額が増える一方、効果を得られない、それは、アンバランスなデジタルーノンデジタルへのアプローチによって生じるものだという。
消費者の多くは、デジタルとの関わりを望んでいる半面、画面上の情報量の多さに圧倒され、商品やサービスの選択肢が多く決められない、この様な人たちにとって、デジタル、オンラインでのショッピングに苛立ちを感じている。
さらに、過剰な宣伝広告に対して特に関心を持つわけではない。デジタル化された情報全てが、違った意味で、消費者は麻痺するので、情報が曖昧化されてしまうということである。
アクセンチュアこれを受けて次の事を推奨している。オンラインだけでなく、直接消費者と接するカスタマーサービスを提供すること、インベストメント戦略をもう一度見直し、最もフォーカスすべき点は、顧客サービスであることを認識する。チャンネルマネジメントこそが、消費者とのバランスの取れた関係を保ちサービスの向上につながる。
参考サイト:
https://www.accenture.com/us-en/insight-digital-disconnect-customer-engagement.aspx
http://e-commercefacts.com/17-general/5987-are-you-digitally-overloading-your-customers
タグ: マーケティング, 海外向けマーケティング