昨年の総務省が公表した情報通信機器の普及状況データによると、国内のパソコン世帯普及率は、78.0%なっており、パソコン以外ではスマホ普及率は64.2%、タブレットは18.4%とスマホ普及が、ここ5年で急速に進んでいる状況(下図参照)を明らかにした。そのような中で、今年4月8日にニールセン株式会社は2015年の消費者のディバイス利用状況や、属性別の利用サービスの違いをまとめたレポート「Digital Trends 2015」を公開した。
今回はこのレポートから、パソコンとスマホのインターネット利用はどのように変化してきているのか、見ていきたい。
総務省データによるとの2014年末のインターネット利用者数は10,018万人(前年比0.3%減)、人口普及率は82.8%となっている。また、2014年末の端末別インターネット利用状況をみると、「自宅のパソコン」が53.5%と最も高く、次に「スマートフォン」(47.1%)、「自宅以外のパソコン」(21.8%)となっている。
この時点(2013年)でスマートフォンが自宅パソコンの利用と僅差になっていることが分かる。
ニールセンが公開した「Digital Trends 2015」によると、2015年7~9月に、スマホからインターネットを利用した人は、平均が5,080万人と、2年前同時期の1.5倍増となっている。また、増加率については2013年では10%前後だったが2015年は4%と伸び率は低下している。
図:スマートフォンからのインターネット利用人口推移および増加率 出典:ニールセン
ディバイスごとのインターネット利用人口では、45歳以上だけがパソコンからのインターネット利用が多いが、それ以外の年齢にあってはスマホがパソコンを上回っているという結果だ。今後はスマホのキーターゲットとなるのは45歳以上ということとなるが、これからは、45歳以上の中高年層をどうスマホに取り込んでゆくかを、考えてゆく必要がある。
図:PCとスマートフォンからのインターネット利用人口 2015年9月分 出典:ニールセン
パソコンとスマホの利用者の多いサイトを見ると、500万人を超える利用のあるサイトはパソコンでは42サイトに対しスマーホサイトは104サイトとパソコンの2.5倍となっている。さらに100万人を超えるサイトにいたってはPCでは26サイト減少し逆にスマホでは93サイトの増加が見られる。これは完全に主流はスマホに移ったことを意味する数字であると言える。
図:PCとスマートフォンからの利用者数別サイト数 2015年9月分 出典:ニールセン
パソコンからのアクセスよりスマホからのアクセスが優位なのは、若者層に顕著に現れている。最近ではパソコンを持たない学生も増えている。インターネットやメールを行うだけなら、スマホで事足りるからだ。
学生にとっては、パソコンは今や必要性はないとも言えるが、ある統計によると日本の学生はパソコンスキルが先進国では最低レベルという結果もある。つまり、パソコンが基本的に使えない、パワポなどでプレゼン資料の作り方を知らないなどだ。パソコン所有率が低いため、いたしかたないが、今後さらにスマホ優位が大きくなれば、学生のパソコンスキルはますます貧弱になることだろう。
出典:ニールセン 2015年のまとめレポート DIGITAL TRENDS 2015を公開 ~スマホの成長は新たなステージへ~