トランプ関税発動(2025年8月29日 デミニミス措置終了)により、越境ECのビジネスモデルが終了してしまうかもしれないリスクとは


2025年8月29日から800米ドル以下の価値を持つ米国への出荷に対する免税措置(デミニミス措置)が終了します。

これは、米国向け輸出でこれまで適用されていた USD 800 以下の貨物への免税が廃止されることを意味します。この廃止によって、主として日本→アメリカへ輸出を生業としている事業者、特にBtoCを主体とした越境EC事業者はビジネスモデルの崩壊が懸念されます。

その理由を詳しく説明します。

関税を事前払いにしない限り、ビジネスモデルとして成立しない?

従来:

  • USD 800 以下 → 無税で通関可能(特に越境ECで多用されていた)。

  • USD 800 超 → 通常通関、関税・税金発生。
    関税が発生した場合は、99.9%は現地払い

今後:

  • 全額課税対象。

  • 米国側の消費者が受け取る際に 予期せぬ追加費用 が発生する可能性が高まる。

 

懸念されるリスクは、どのタイミングで関税を払うか? これに集約されると思っています。

どのタイミングで?

理想は、ECサイトのチェックアウトページで、送料と関税が自動計算されるのが自然であり、消費者としての嫌気も少なくて済みます。
ECサイトの支払いタイミングで済ませてしまえば、後々関税の支払いに対して消費者は考える必要もなく、関税トラブルはほぼ皆無と言ってもよいでしょう。

これが、ECサイトのチェックアウトの後に発生した場合に払う関税は、セラーのリスクが高まります。関税を払いたくないがゆえに、注文キャンセルを要求されたり、支払い拒否をして貨物が配達されず、チャージバックとなり、結果的にセラーがすべての負担を飲まなくてはならなくなるリスクがあります。

現在、大半の越境ECサイトは、ECサイトのチェックアウト後に消費者任せになっているの現状です。

2025年8月29日以降は少額でも関税が100%発生するため、関税を払うことが前提としたビジネスモデルに変更する必要があるわけです。

もし、毎回関税の支払いを消費者任せにしていれば、私の肌感としては2割超える消費者は関税拒否をする可能性が高いといってもいいでしょう。

FedExやDHLは基本的に関税事前立て替え払いという業務オペレーションをとっているため、荷受人が関税の支払いを拒否した場合は、自動的にアカウント元にその請求が転送されます。

つまり、セラーは米国向けの売上については常に関税による不必要な請求をされるかもしれないリスクが発生するということです。

まとめると、こうなります。

収納方法 関税徴収タイミング 購入者の手間 セラーのリスク
関税計算企業による自動計算 + 数パーセントリスクヘッジ チェックアウト時(事前徴収・DDP) なし 低い
DHL/FedExが計算 チェックアウト時または到着時選択可 あれば安心 中~高(選択内容次第)
DHL/FedExが計算 到着時(DDU) 高リスク 高い

では、どうするかです。

 

eBay 等のモールの場合

プラットフォーム側で、チェックアウト時に関税・輸入税を支払う(Pay at checkout)を米国に限り強制適用するのがベストです。これを適用するか否かは eBay次第になります。セラー側がどうこうできる問題ではないので、プラットフォーム側のアナウンスを待ちましょう。

 

  • eBay では、自動的に事前徴収されるわけではありません。ただし、GSP や eIS(チェックアウト時支払い)を利用すれば、購入者が事前に関税を支払う形式も可能です。

  • 特に 2025年8月29日以降、米国向け輸出で免税枠が廃止されることを踏まえると、DDPスタイル(事前徴収)への切り替えが非常に重要になってきます。

 

独自型 越境ECサイト(Live Commerce や Shopify)の場合

Live Commerce であれば、Zonos 関税計算機能標準機能として無償で提供されています。このプラグインをインストールすれば、米国向けについては事前関税徴収ができるようになり、関税に関するトラブルは回避できます。

Shopify の場合は、標準で利用可能になっています。
細かい制御をする場合は、アプリを追加する方法です。Zonos Dudy and Tax アプリが Zonos により提供されていますが、契約が $2,500/年(368,700円相当)かかり関税徴収毎にセラー側に2ドルと関税額の10%、また契約はすべて英語で直接ZONOSと行う必要がありそうです。

Live Commerce vs Shopify

項目 Live Commerce Shopify + Zonos
関税計算 標準機能(無料) 有料アプリ(Zonos)
年間コスト 追加費用なし 約 37万円/年
徴収手数料 なし USD 2 + 関税額の10%
契約言語 日本語でOK 英語のみ
導入難易度 簡単(プラグイン導入で完了) 高い(英語での直接契約が必要)

事前徴収の場合、 貨物単位で作成するラベルに、事前徴収のトレード方式(DDP)にアップデートする必要もあるため、アメリカの場合はDDPにするなどの物流会社側でのアップデートも同時に必要になります。

ラベルを作成において、セラーが行うのか、物流会社が行うのかに応じて、この点は事前に調整が必要になります。

なを、Live Commerceで関税元払い(DDP)で送る場合は、当社の物流指定のFedEx・DHLで送っていただくことが必須条件となります。

越境EC事業者にとって、米国の売上は減る

越境ECでの米国向け販売はすべて関税事前徴収でないと、ビジネスモデルとして成立しないと言い切ってもよいと思います。
関税を事前徴収することが大前提なので、自社ECで越境ECを運営している事業者は早期にシステムのアップデートが必須になると思います。

で、このトランプ関税発動以降(2025年8月29日)は、米国から日本に対しての越境購入は買い控えをする人が多くなると予測されるため、米国内の国内ECサイトで購入する消費者の方が多くなり、いわゆるB to B to C(商社が輸出して米国の小売店が消費者に販売する伝統的なビジネスモデル)が回帰するのではないかと感じています。

越境EC事業者にとって米国の売上は大きなシェアとなっていますが、これが落ち込むことによって、ヨーロッパやアジアが急伸する訳ではないため、トランプ関税発動以降は越境EC事業者にとって冬の時代になってしまうかもしれません。

まとめ

ちょっと悲観的なことを書きましたが、何かのルールや法律が変わるときというのは、見方によってはチャンスともとれます。これは普遍的なものなので、必ずまた何年かすると、変化がおこるはずです。

その度に一喜一憂するのではなく、この変化をプラスに取る起業家こそが、事業の成功につながっていくのです。

Live Commereなら、この悪影響を逆手に取り、関税事前徴収に100%対応した越境ECサイトとして、ぶっとんだマーケティングを他社よりも先行して仕掛ければ、むしろライバルが右往左往している間に、新たな顧客を獲得できるチャンスでもあります。

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