越境EC ロシアのEコマース


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先日15日・16日、ロシアのプーチン大統領と安倍首相が山口県長門市と東京都内の2カ所において日露首脳会談が行われた。期待した北方4島の話題はなく、平和条約への姿勢や経済協力についての話題が主な内容だったようだ。日本外交としては得るものがなく、2国間の間にはかなり隔たりがあることを痛感した内容だったように思う。
では、我々、日本人はロシアについて、どれくらい理解しているのだろうか?
今回は日本から一番近い外国、ロシアのEコマース事情などを中心にまとめてみた。

 

●ロシアの基本データ

世界最大の面積を持つロシア共和国、面積は日本の約45倍、アメリカの1.7倍と広大だ。また、人口は1億4,654万人、中心は首都モスクワ(人口:1,233万126人)で、次にサンクトペテルブルク(人口:519万人(2015年))となっている。
言語はロシア語で、国際連合において、ロシア語は英語、フランス語、中国語、スペイン語、アラビア語と並ぶ、6つの公用語の1つである。ロシアの経済はGDPで世界12位(2015年)、世界最大の原油産出国であり、世界最大の天然ガスの保有を誇っている。また、核保有を認めらている国でもあり、世界最大の大量破壊兵器を保有している国でもある。
経済大国ではないが、資源大国、軍事大国であり、2015年は原油やガス価格の値下がりなどで、経済においては失速した。
日本とロシアの貿易の関係を見ると、日本への主な輸出品目は原油(38.2%)、天然ガス(24.9%)、非鉄金属(9.1%)、石炭(8.6%)などとなっている。
日本からの主な輸入品目は、自動車(48.0%)、自動車部品(8.4%)、ゴム製品(6.0%)、建設用機械(3.3%) となっている。ロシアの輸入相手国としてのトップは中国 (531億7,300万ドル)で、2位がドイツ(379億1,700万ドル)、3位がアメリカ(165億200万ドル)である。日本は135億6,100万ドルで6番目に位置している。

 

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2

 

●ロシアのインターネット環境

ロシアのインターネットの普及はモバイル端末の普及ともにここ数年、利用は拡大しており、2014年でインターネット利用者は8200万人に達し、ECサイトでの商品購入経験者は4000万人あることがわかった。
TNSデータによると、2015年はパソコンからのネット接続よりも、モバイル端末からの接続が大きな伸びを示し、モバイル端末の普及が加速していることがわかる。
インターネット回線は高速回線 Ethernet 接続がシェアの57%の占めているが、使用できる中心はモスクワであり、広大なロシアという国に回線が行き届いているわけではなく、各地方においては今後のインフラ整備が待たれるところだ。
主な検索エンジンは、ロシア独自のYandex.ru(ヤンデックス)が60%で次にGoogleが25%でとなる。ちなみに、あの Google の創始者の一人はロシア出身でもある。

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https://www.yandex.ru/ 

 

参考:http://true-global-ec.com/ec-info/post-3909/

 

●ロシアの国内ECは伸びている

先般の当社ブログ記事でも記してあるが、経済的には失速感のあるロシアにおいても、Eコマースは堅実な伸びを示している。
昨年2015年のロシアEコマースの売り上げ203億ドル($20.3B)=約2,436億円(1USD=120JPNで換算)であり、Eコマースからの売り上げは毎年42%増加しており、今後もこの傾向は続くと思われる。
また、Eコマースへのユーザーアクセス数を見ると、パソコンからが80%、タブレット12%、スマートフォンが8%となっている。
需要の大きいカテゴリーは、衣料品、靴などファッション系アイテムと3C電化製品だ。オンラインショッピング市場の中心はモスクワとサンクトペテルブルグがあるが、インフラが整備されれば、ロシアの各地方都市にも波及し、ますます拡大すると思われる。

 

●ロシアの有名ECサイト

ロシアのEコマースの課題は配送である。物流に時間がかかりすぎるという問題である。特にロシア郵便を使った場合は時間がかかるようだ。そん中でも自社配送を行っているECサイトに人気が高まっている。以下にロシアの有名ECサイトを取り上げてみた。

 

・Ozon(総合)

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ロシア初のオンライン小売業者で、書籍から電気製品まで多品目な品揃えはロシア版アマゾンである。

 

・Ulmart(総合)

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ロシアのEコマースを先導するUlmartは、こちらも総合として販売総額は1000億円に達しており家電製品を中心に75以上のカテゴリーを持っている。

 

・Citilink (電気製品)

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Citilink は電気製品に特化したECサイトで、1日30万人がサイトを訪問している。Citilink は自社サイトを電子機器のディスカウントショップと位置つけている。

 

・Wildberries (アパレル)

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Wildberries は100ブランド、10万点のアパレル商品を扱う、250万人のユーザーを持つ、ロシア版ZOZOTOWNといったところだ。

 

 

●越境ECは増加しているが、課題もある

ロシアの越境ECからの購買は、2014年に30%(前年比10%増)、購入件数では、約8,000万件、金額にすると60億ルーブル(108百万ユーロ)に達している。商品では家電など電化製品、スマーフォンや携帯などのモバイル機器が人気のカテゴリーで、購入先は中国からが圧倒的に多い。
やはり、中国製品の安さがポイントのようだ。決済は、消費者の多くがクレジットカードを持っていないため、支払い方法は代金代引となる。
そして、越境ECでの問題はロシア郵便による配送である。ロシア到着後の配送に時間がかかり、国際スピード配送でも最低2週間は必要だとある。
今後は配送インフラも整備され、国内の宅配業者などと連携できれば、越境ECでの購買の可能性は高いと言える。

 

●まとめ

フォーブス誌の「世界で最も影響力のある人物ランキング」で、今年の第一位がロシアのプーチン大統領だった。
ロシアは、今後の越境ECの相手国としてインターネット環境など問題もあるが、潜在的に伸びる要素は多くあると推察できる。
日本の家電メーカーはロシアでも人気あり、何より、ロシア人は日本との関係を悪くないと感じており、日本企業が好きで親日家が多いと聞く。
今後、日本がロシアへ積極的に経済協力を推進することで、日露貿易においても越境ECにおいても日本からの輸入は増長すると思われる。

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