色が何らかのサインを送りだしていることは誰もがよく知っている。
誰がどんな色を選ぼうと、共通しているのは、その色に対して人は反応するということだ。私たちは色に対し条件反射し、気づくこともない。
色に対する反応は直観的反応とも言われ、個々の色は人の本能的な反応と密接に関係し、その反応は生理的、感情的、環境、文化的な意味合いと密接に関係している。
12月も半ばを過ぎ、来週はクリスマスである。ホワイトクリスマス、冬、雪が連想される12月は白・ホワイトをとりあげてみる。
1.白の持つイメージ
白はすべての光の色波長を跳ね返す色である。色がないので色にまつわる感情、高揚、鎮静など感情を伴わない。
無であり、「頭が真白」「白紙に戻す」などの言葉が連想される。白はウェディングドレスの白、看護師の白衣、亡くなられた方の白装束など、イメージとしては混じりけのない、純白性、処女性、終焉、再生といったイメージがある。
白には単に真白、#ffffff、RGB,255,255,255の白だけではなく、青味がかった白、黄色味がかった白、グレーっぽい白などがある。欧米では青味がかった白が好まれ、アジアでは黄色味がかった白が好まれるようである。
いずれにしろ、白のイメージは清潔さ、汚れのない、ピュア、純真無垢、シンプル、平和をメッセージできる色である。
一方、わずかながら、否定的イメージも持っている。無味乾燥、降服の白旗、冷たい、人口的、平凡、安い、などがある。
デザインでは余白、ホワイトスペースと呼ばれる白がある。
白=地のスペースを大きくとると落ち着いたイメージになり、ホワイトスペースが少なくなると、活気のある、活動的なイメージになる。この余白をコントロールすることがデザインでは重要な要素となる。
2.白をメッセージする場合の注意点
Webではベースカラー(背景色)としての白が圧倒的に多く使われる。
今回は真白の背景で全体のイメージを白に統一したサイトを取り上げ、その白の使いかたのポイントを説明する。
2-1.コントラストで見せる
白を背景色にした場合はコントラストを考慮することが望まれる。タイトルやタイポグラフィに、ロゴなどに「黒・濃いグレー」を使うことでコントラストが強調される。
背景の白とコントラストを高めることは、読みやすさ可読性を高めることにつながる。
2-2.シンプルなデザインにする
白を基調したデザインは品がありミニマムなデザインにすると統一感を出すことができる。
レイアウトはシンプルにする。イメージ写真やイラストレーションも色彩の少ないシンプルなものを選ぶと良い。
2-3.余白を十分にとる
全てのデザインに十分な余白スペースを設ける。
デザインパーツの周辺、メニュー、テキスト、写真などの周囲に十分なマージンを与えると白が強調される。
2-4.アクセントカラーを設定する
アクセントカラーは1色である。アクセントカラーを設定した場合は、背景の白は脇役である。
アクセントカラーは内容に注目、強調させたいところに明るい、彩度の高い色彩を設定する。
背景が白の場合、ほとんどのアクセントカラーは問題なく使うことができる。
まとめ
Webサイトでは背景色を白にすることが非常に多い。そして、その背景色”白”でメッセージすることは難しい。白はあくまでベースカラーとしての意味合いが強い色だからだ。
色は意識して使わない限り、その色でメッセージを伝えることはできない。白を使う場合はそのポイントを把握し、より、シンプルにモダンにしたい、クリーン感を強調したいなど、白という色を意識的に使うことで、メッセージすることができる。
写真出典:新着写真素材 | ぱくたそ – フリー写真素材・無料ダウンロード