オンラインでの買い物は、効率的で楽しいショッピング経験をユーザーにもたらしてくれます。世界中でEコマースがますます日常的なものになりつつある昨今、オンラインショッピングとオフラインショッピング(=実店舗での買い物)をいかにして連動させるか、に注意を向ける必要性が高まっていると言えます。
最近のマサチューセッツ工科大学の調査によれば、消費者はショッピングにおいて、オンラインとオフラインの両方からアプローチしているということが分かっています。例えば、実店舗にいる買い物客の約80%は、事前にインターネットで価格情報を調べていますし、約3分の1は、手にしているモバイル端末(スマートフォン等)でオンラインの価格情報をチェックしながら買い物をしています。
こうした消費者行動を踏まえて、販売戦略上どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
オンラインとオフライン双方の経験を活かす
例えば、Eコマースサイトの閲覧記録・購入記録からレコメンド商品をピックアップする技術を実店舗でも活用できるようにしたり、実店舗で品切れの商品をオンラインで取り寄せて自宅に届ける、逆にオンラインで注文した商品を実店舗でピックアップできるようにしたり、オンラインでの売れ筋商品を実店舗でもアピールして陳列したり、といったようなことが考えられます。
このように、オンラインとオフラインの双方で得られたマーケティング情報を、お客さまが便利でスムーズに買い物できるように活用することが大切なのです。例えば、次のように、オンラインとオフラインの垣根を取り払う試みを実施しているブランドもあります。
オンラインとオフラインを行ったり来たり!Kate Spade Saturday
昨年春、Kate Spade NewYorkから新しいライフスタイルを提案するKate Spade Saturdayのフラッグショップが、世界に先駆けて東京・
原宿に誕生、日本でのEコマースサイト「SATURDAY.JP」も同時オープンしました。
「土曜日のワクワク感を毎日に」というブランドコンセプトのもと、毎週土曜日に新着アイテムをアップするといった仕掛けに加え、店舗には規格外の大きなiPadが設置されており、お客さまに積極的にオンライン利用をすすめています。
設置されたiPadには、価格情報・在庫情報・デザインの詳細・コーディネートアイデアなど、膨大な量の商品情報が入っており、店頭で興味を持ったアイテムについて好きなだけ調べることができます。また、店頭で気に入った商品があれば、その場でソーシャルネットワーク上にシェアしたり、友達に商品についての感想を聞いたりすることもできます。
インターネットでちょっと調べたい、気に入った商品をシェアしたいといった顧客の欲求を、積極的にお店側がくみ取り提供するという試みが進められているのです。
まとめ
オンラインとオフライン双方で得られる情報を販売に活かす、と一口に言っても、さまざまな方法が考えられます。しかし、Eコマースの浸透により、お客さまに関する情報が比較的簡単に膨大に集められるようになったこともまた事実です。このような情報を正確なターゲティング、顧客満足などに活かすことが、ブランドへのロイヤリティを高め、ひいては事業全体の売上アップへとつながります。ぜひ、実践されることをおすすめします。
参考:
タグ: http://web.mit.edu/, https://www.saturday.jp/