株式会社ジャストシステムは、2月25日、セルフ型ネットリサーチ「Fastask(ファスクアスク)」モニタのアンケート調査で『Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2020年1月度)』を公表した。
その調査内容には、日本人消費者の海外ECサイト利用に関する調査内容も含まれていた。
今回は、このジャストシステムの調査から、日本人が海外のECサイトをどの程度利用し、海外のECサイトの情報をどこから得ているか、海外ECサイトの利用した際のトラブルなどのアンケート内容ついてまとめた。
以前、ペイパル調査資料の中に世界の越境EC利用状況についてというのがあった。その資料では、日本人の海外ECサイトは26%と他国と比べ、最も低い数値だった。
だが、今回のジャストシステムが行った『Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2020年1月度)』によると、日本人の越境EC利用は30.5%と世界的には標準的な割合となっている。
ジャストシステムの今回のこの調査は、2020年1月27日(月)~2月1日(土)に行われたものだ。
調査はネットでのアンケートによるもので、Fastaskのモニタ、17歳~68歳の男女1,100名の集計結果である。
その中に「日本人消費者の越境EC利用状況」があり、利用したことがあると答えた人は、全体の30.5%となっている。
年代別で越境EC利用を見ると、10代が55.1%、20代で43.3%、30代で30.8%、40代で23.1%、50代で23.9%、60代で21.1%となっており、10代では半数以上が越境ECで買い物経験があるという内容になっている。
海外のECサイトを知ったきっかけは「インターネットのニュース記事」が30.1%と最も高い。次に友人・知人の22.4%、そしてSNSのInstagramの21.9%などとなっている。
男女別では、男性の37.4%はネットニュースからで、女性はInstagramから31.5%と最も高い数値となっている。
日本のユーザーは海外のECサイトで商品を購入する前に、商品情報を収集している割合は、80.6%と、ほとんどの人が購入前に商品情報を収集しているようだ。
商品情報でよく利用するのが、ネットニュース記事情報の46.8%が最も多い。次に口コミサイト41.1%、Twitterの29.7%、Instagramの27.2%の順となっている。
海外のECサイトを利用する理由で、最も多かった回答は「日本にはない商品がある」が63.3%で最も高い数値となっている。次に「価格が安い」が50.5%、「商品の種類が豊富にある」が34.4%となっている。
年代別においても、30代以外は「日本にはない商品がある」が圧倒的に高い数値となっている。つまり、価格も重要だが、「日本では手に入りにくい商品」であることが重要視されているようだ。
海外のECサイトを利用した際のトラブルで最も多かったものは、「予定より配送が遅かった」が、34.7%と最も高い数値となっている。次に「商品の中身が思っていたものと違った」が31.1%、さらに「パッケージが汚れていた、破損していた」が24.5%となっている。
また、「商品が配送されない」と言うケースも17.9%と高く、海外のECサイトは国内のECサイトに比べ、各種トラブルが多いことを示されている。
今回の日本人の海外ECサイトの利用率についての調査結果を見ると、全体では3割の人が海外ECサイト利用しており、さらに10代の半数以上が利用し、海外ECサイトの情報源は、男性は「ネット記事」、女性は「Instagram」から得ていることがわかった。
昨今の10代消費者は、国内サイトに比べトラブルはあるが、海外のECサイトから日本にはない海外ブランド商品などを購入することに積極的であることを裏付けている。
出典:10代EC利用者の半数以上に、「海外EC」の経験より
図については、「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2020年1月度)」より作成