越境EC 韓国のポテンシャルは?

イメージ画像

連日のニュースでは韓国パク・クネ(朴槿恵)大統領の知人や側近らをめぐる一連の事件で話題となっている韓国情勢であるが、知っているようで、あまり知られていない日本の隣国である韓国。
statista.comの調べによると、韓国のEC市場規模は2015年時点で388億ドル、2016年には427億ドル規模になると予想されている。
日本のEC市場規模、13.8兆円(約1,254億ドル)と比べると差はあるが、韓国の人口は5,062万人であるので、その市場規模はさほど低い数字ではない。
今回は、韓国で越境ECで商品を販売するポイントと韓国マーケットのポテンシャルについて見ていこう。

 

●韓国のITインフラはどうなっているの?

韓国はアジア諸国の中でも有数のIT大国である。普段の生活の中でもITインフラの整備による恩恵は多く、ここ5、6年で社会が急速に便利になったと実感しているようだ。インターネット普及率は2015年時点で92%超と日本より高い。スマートフォンのシェアも2015年時点で76%を超えている。
また、買い物はスマートフォンからの購入率が高いというのが、韓国ECの特徴でもある。2015年のEC売り上げの37.5%がスマートフォンからのアアクセスによるもので、ユーザーの52%がクーポン利用で何らかの商品を購入しているようだ。
韓国は「世界のオンラインビジネス魅力度ランキング」を見るとドイツ、フランスについで7位にランキングしている。
また、SNSでは、Facebookが一番人気となっている。次にkakaostory、BAND、Instagram、Naver Cafeと続いている。kakaostoryは家族や友人に限定したLineのようなSNSアプリ。BANDは同じような趣味などで繋がることができるクループコミュニケーションSNSアプリである。
韓国のSNS利用率は女性(56.2%)が男性(54.1%)で、20代が(87.5%)、30代が(74.0%)となっている。これらを見ると、韓国ではスマートフォンの対応がEC販売のポイントであることがわかる。

 

●韓国の越境ECポテンシャル

韓国関税庁の調べによると、韓国の越境EC市場は、2009年の1.7億ドルから2014年には15.5億ドルと、5、6年で9倍に成長している。今後もさらに安定した成長が見込め、日本製品の人気も非常に高いことから韓国は魅力的な市場と言える。
韓国の越境ECの相手国としては、アメリカ(20%)、日本(9%)、中国(6%)と日本からの購入も多い。越境ECからの購入する方が、自国で買うより安いことから越境ECを利用する消費者が増えている。
また、韓国のオンラインショップの利用を見ると、国内ECの利用は(73%)、国内の越境EC利用は(23%)、直接海外の越境EC利用は(4%)となっており、越境EC利用は27%と日本の越境EC利用率に比べると非常に高いことが分かる。
韓国ではオープンマーケット型のモールサイトが力を持っており、韓国で商品を販売するには、まず、この国内の越境EC利用する、つまりオープンマーケット型モールサイトにお店を開店するのが妥当な選択であることがわかる。

 

●韓国で人気のオープンマーケット型ECサイトって何?

韓国も日本同様、モノがなかなか売れない、小売業苦戦の時代であるが、オープンマーケットと呼ばれるモールサイトの売り上げは好調のようだ。オープンマーケットとは、個人や事業者が、商品を販売できる形態のオンラインショッピングモールだ。
誰でも自由に出店でき、不特定多数に向けて商品を売ることができる。韓国ではGmarket(Gマーケット)、COUPANG(クーパン)、11st.co.krなどが有名である。
下記に韓国の有名モールサイトをまとめた。

 

Gmarket(Gマーケット)

ジーマーケット

Gmarketは韓国最大のショッピングモールサイトである。今年2月には日本の楽天市場と協業し、相互出店できるようになった。英語、中国語(簡体字)にも対応しており、通貨表示、配送国を選択することができる。
日本からは韓国に向け、人気が高い化粧品、玩具、スポーツ用品などを販売でき、韓国からは日本に向け人気の高いファッションアイテム、化粧品などを販売できる。

 

 

COUPANG(クーパン)

クーパン画像

COUPANGはサービスインが2010年と遅まきながら、韓国人の2人に1人が使っているサイトである。これまで、国内売上が1兆ウォン(約940億円)を突破するなど、韓国の大手ECサイトと成長している。
ソフトバンクから10億ドルの出資を受けたCOUPANGの特徴は、自社物流ネットワークと配送拠点をもち、ロケット配送と呼ばれる同日配送を実現しているところだ。COUPANGはモバイル利用率が高いことも特徴で、全売上高の75%、アクセス数の85%がモバイルユーザーからの利用によるものだ。

 

LOTTE(ロッテ)

ロッテ画像

日本ではお菓子のロッテという印象が強いLOTTEだが、韓国ではホテル、百貨店、テーマパークなど展開する財閥グループで、ロッテ百貨店、テレビ通販と連動し、越境EC出店も可能となっている。

 

STYLENANDA(スタイルナンダ)

スタイルナンダ

今年2月にはリアル店舗が日本上陸したファッションブランド、STYLENANDAは中国、香港、タイ、シンガポールなどアジアを中心に人気が高まっている。
STYLENANDAはファッション関連専門の通販サイトで高いクオリティの写真が並び、服などの商品はモデルが着こなしたショットが多く掲載され、雑誌より着用イメージがわきやすいと評価が高い。

 

●越境ECで日本の商品を韓国に向け販売するには

本格的に越境ECで自社サイトで販売する前に、Gmarket(Gマーケット)などのオープンマーケットで販売し、様子を見るのが賢明だ。
韓国では、どんな商品がどのくらい売れるのか、オープンマーケットに出店して売れ行きを見るのが良い。
ある程度、売れる見込みが見えてきたところで、自社サイトで販売を開始するのが、順当なやり方である。

また、自社越境ECサイトで販売する場合は、集客が重要であるが、韓国の場合はSEOが通用しない。韓国では、自社サイトへの集客はNAVERへのサイト登録が威力を発揮する。
韓国はGoogle検索などより、NAVER検索の利用率が80%と高く、NAVERにおいての検索優位性を高めることが集客の鍵となり、越境EC開設はNAVERを中心に行わなければならない。

 

●まとめ

「平成27年度版観光白書」の国別の旅行者消費額を見ると、中国が5,583億円で(27.5%)を占めており、次いで台湾の3,544億円(18.5%)、韓国2,090億円(10.3%)、米国1,475億円(7.3%)、香港1,370億円(6.8%)の順に続き、これら上位の国は、日本からの越境EC、海外販路拡大のポテンシャルが高いということが推断できる。
越境ECのメリットは、日本国内に留まらず、海外でビジネスを広げられるというのが最大のメリットである。
日本では当たり前の商品でも、海外では手に入りにくかったり、目新しかったりする日本の商品やサービスはたくさんあり、新規顧客獲得という意味でも、海外に向かって商圏を広げることは重要である。
韓国に販路を広げるには韓国語が必須だが、言語の壁さえ乗り越えれば、韓国EC市場参入は容易で、その市場規模も小さくはない。韓国は日本製品ファンも多い国なので、行ってみる価値は十分あるといえる。

関連する記事

圧倒的に強い!世界を牽引する中国EC市場 その強さの理由とは?... 7月8日、三菱UFJ銀行 国際業務部は「MUFG BK CHINA WEEKLY」公表した。その中では、2019年の中国の越境EC輸入額についても報告されていた。 中国の越境EC小売額は前年比38.3%の1,862.1億元となっている。伸び率は2018年の49.3%増から鈍化したものの高成...
過去最多! 海外に出かける”中国の春節2018”... 先週2月16日から中国では春節の大型連休が始まっている。 春節というのは日本でいう旧暦の正月である。 オンライン旅行大手、携程旅行網(シートリップ)などの発表によると、春節の大型連休を利用して海外に旅行する中国人が2017年より約6%も多く、その人数は650万人を上回る過去最多になると予測...
Googleショピング広告で新規ユーザーを獲得しよう... 8月3日、消費者調査を手がける、マイボイスコムはスマホ広告に関する調査結果を公表した。 調査結果によると、過去1年以内に広告を意図的にクリックした経験がある人は13.8%と低い。また、スマホ広告が表示されないようにブロック対策をしている人は、15.6%。スマホ広告を閉じたとする人は、37....
越境ECの関税はどうなってるの? 10月5日(月)TPP「環太平洋パートナーシップ協定」の交渉が大筋で合意に至った。この協定締結後には関税率が大きく変わることが予想される。 近い将来、特に参加12カ国のなかでもアメリカ、オーストラリアなどでは扱う物品、商品により現時点より関税率が低く統一されることになるので、海外販売を行って...
越境EC 韓国の集客ポイントは? 先週2月9日から、4年に一度の”冬の祭典”冬季オリンピックが、韓国、平昌で開幕した。 日本人選手のメダルラッシュが伝えられる中、今回の入場式では、選手団のスマートフォンでの撮影シーンが目立っていた。 これは、韓国Samsung Galaxyが、IOCと共同で出場選手や大会関係者全員に4,0...
海外販売に関する補助金・助成金情報(2017.September)... 補助金・助成金とは国や地方自治体から民間企業へ資金支援する返済不要のお金である。 補助金と助成金の違いは、補助金には予算があり、要件があっても受給できない可能性があり、助成金は要件が合致すれば受給できる。 また、補助金・助成金の注意点は、銀行などの融資と違い、申請が認可されるとすぐにキャッ...

タグ: , ,

コメントをどうぞ