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デザイナーなら知っておくべき著作権のきほん

   投稿者 : 2016年1月13日 By

2015年を振り返ると、インターネット時代を象徴する出来事として東京オリンピックのエンブレムが白紙撤回されたことがあげられる。デジタル化された情報は誰でも比較検討することは容易にできる。
そして、その真相の真偽にかかわらずニュースは瞬く間に拡散する。あまりにも影響力が大きく、事態を収束させるには白紙に戻す以外に打つ手はなかった。
オリンピックのエンブレムの真偽は不明なままであるが、一旦決定したものが白紙に戻すという前代未聞の事態にまで発展し、「著作権とは何か」について調べた方も多かったと思う。
今回はサイト制作に関わる方々には知っておいていただきたい、著作権の基本についてまとめてみた。

 

1.著作権の基本的なルールを知ろう

著作権とは、知的財産権(知的所有権)の一つである。知的所有権とは大きく二つに分けることができる。
一つは特許権、実用新案権、意匠権、商標権といった「産業財産権(工業所有権)」。そして、もう一つが”文化的な創作物”を保護の対象とする「著作権」である。
文化的な創作物とは、文芸、学術、美術、音楽などのジャンルに入り、人間の思想、感情を創作的に表現したもののこと。また、それを創作した人が著作者となる。そして著作者の権利、「著作権」はその作品が作られたときに自動的に発生し、日本では著作者の没後50年、海外では70年の間は保護されている。
昨年の東京オリンピックのエンブレム問題は、原作物のほぼコピーだと思われた場合、既にある作品をコピーしたようなデザインと判断された場合にどうなるかとぃったものだ。当然、他人の作品を勝手に使用、真似することは著作権の侵害に触れることになる。
著作権の侵害にならないようにするには、オリジナルであることが基本だ。もし、何らかの理由で使用する場合は、著作者に許諾を得ることが重要なのだ。
著作者の許諾を受けることなく著作物を複製したり、翻訳・翻案などを行ったりすれば、原則として著作権の侵害となる。それらは著作物の全部ではなく、部分であっても同様なのである。

 

2.WEBサイトのデザインに関する著作権

制作会社に依頼して作ったサイトの著作権は製作した会社に帰属する。
もし、著作権を発注者側にする場合は著作権の譲渡等の手続きが必要である。画面のキャプチャであっても同様で著作権があり、無断で使用はできない。Webサイトデザインを行う場合のレイアウトを真似する場合などのレイアウトデザインに関しては、著作権の侵害は認められにくいと言える。
レイアウトレベルであれば、著作権が認められず、著作権の行使は独創的なレイアウトである必要がある為だ。
また、サイトのフッターにあるcマークやcopyrightの文言は著作権保護の観点でいえば、つける必要はない。サイトの内の文章や画像、映像など著作物は、発表した時点で自動的に著作権が発生しているためである。

 

3.著作権の譲渡について

著作権は、それを作成した製作者あるいは会社にあるというところが重要だ。
文章でも写真でも、映像でもそれを作った人、会社に著作権が発生する。その仕事を依頼した発注者には著作権はない。発注者が自由に掲載したり、制作物を他のメディアに使用する場合は許可を得るか、著作権の譲渡を行う必要がある。
例えば、Webサイトに載せるためだけにデザインした、キャラクターを発注者は勝手に、お店のイメージキャラクターとして使用してはいけない。イメージキャラクターとして使用する場合は、別途、使用許可を著作者との間で交わすか、もしくは、権利を移譲する必要がある。
著作権を製作者から発注者に譲渡する場合は、用途にもよるが譲渡に関わる費用を支払い著作権を発注者側に移し、自由に使えるようにすることが肝要である。

 

4.トレースや模写も著作権の侵害である

トレースして公表する場合は、著作権的に複写しても問題のないものでなけれならない。著作権的に問題があるのものを無断でトレースした場合、トレースしたことを公表しなければ、盗作したこととなり、著作権の侵害にあたる。
オリンピックのエンブレムで問題のあったデザイン事務所がデザインしたトートバックのデザインも、一部にトレース盗用があったことを認めたことは記憶に新しい。
トレースしたものを自分のデザインとして発表したり、原画を模写して自分の作品として発表してはいけないということだ。デザインの参考として行う場合は良いかも知れないが、真似る、パクるなどは充分注意が必要だ。

 

5.フリー素材を使用するときは規約を確認

フリー素材だからと安易に使用すると、著作権の侵害にあたることがある。フリー素材は全てサイトごとに利用規約がある。多くのフリー素材は営利目的での使用を禁止している。
また、フリー素材に人物が写っている場合は著作権の他に肖像権があるのでこれも人物の許可が必要となる。グラフィックデザイン、Webデザインを行なっていると、イメージ的にビジュアルが必要な時が多々あるだろう。フリー素材を利用する場合は「加工自由」「著作権表記不要」(商用使用なら「商用利用可能」)のものかどうか、内容規約をよく読み、利用していただきたい。
また、自分で撮った写真の場合はいくら発表したり、または、トレースしたりしてもかまわない。
但し、写真の中に人物や芸術作品、TVの画面、芸術的建造物であった場合はそれらは肖像権などの関係で使用することは禁じられているのでこれも注意が必要だ。

有料写真の無断使用、「ほかのサイトから入手したので知らなかった」は通用せず──判決が確定

 

6.シンボルマーク、ロゴタイプは著作権ではなく商標権で保護する

シンボルマーク、ロゴタイプといったもののデザインは著作権を行使することは難しいといのが一般的だ。
つまりデザインを真似た、盗作したことを立証できないと「著作権の侵害」とは認められないからだ。
そこで設けられているのが商標権である。商標権とは、商標登録することでマークやロゴタイプといったデザイン、会社名など名称などを保護する、盗用を防ぐものである。
著作権では保護が難しい、このようなロゴ等はデザインする場合、商標登録されているなかで似たようなものがないか、検索、把握し、デザインする必要がある。そして、オリジナルデザインは真似されないようしっかりと商標登録をおこないたいものである。
今回の東京オリンピックのロゴ問題は結論から言えば、リエージュ劇場のロゴは商標登録をしていなかったため、商標権の侵害にはならないということになった。

特許情報プラットフォーム

 

7.映画の著作権は70年だが、今後は全て著作権の保護期間が変わるかも

映画の著作権の保護期間は、書籍や音楽、美術やデザインなどの保護期間50年ではなく、公表後70年(その著作物が創作後70年以内に公表されなかったときは、その70年)を経過するまで存続する(54条)。となっている。
また、映画においては、「その映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」が著作者であるとされる(16条本文)が、著作者が多数の創作になるため、著作者の死亡時を基準とするのではなく、著作物の公表時を基準として保護期間を算出する。
音楽の保護期間は今は50年だが、この分野の著作権を管理する、JASRACは(日本音楽著作権協会)は、著作権の国際的調和の観点から、TPP後は日本の著作権の保護期間は70年に延長される、アメリカ基準を歓迎する意向を示している。

8.YouTube動画コンテンツは違法ではないの?

映画やドラマ、ミュージックビデオなどのコンテンツは著作者の許諾なく、YouTube等の動画サイトに投稿すれば、著作権の複製権の侵害、さらに不特定多数の人が視聴できる状態となるので、送信可能化権の侵害となる。
また、違法にアップロードされた動画にリンクを張るといことも侵害になる可能性がある。許諾なくYouTubeなどに動画をアップする行為は著作権の侵害であり、違法であることは分かったが、なぜたくさんの使用許可ないだろう映像があるのか?
それは、著作権は著作者が告訴しない限り刑事罰に問えないものであるためだ。
通常、YouTubeなどでは著作者から、削除通報を受けた場合、削除する対応をとっているため、告訴には至らず、コンテンツとして配信されるケースがほとんどなのである。

YouTubeの著作権について

まとめ

何かをクリエイトする、デザインする場合は気をつけないと著作権の侵害になる場合もある。また、逆に被害者になる場合もあるだろう。
デザインする時は、オリジナルということが基本だが、何かをベースにデザインする場合は、使用許可を取る、使用許可内容を確認するといことをが重要である。
今回は、デザイナーなら知っておくべき著作権、商標権といったもの何点か紹介したが、これを機に詳しく著作権、商標権などの権利について調べておくのもよいだろう。


著作権についての参考サイト:

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