昨年より、スマートフォンに対応したDSPサービスが各社からリリースされています。
このような中で、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「mixi (ミクシィ)がこのスマートフォン向けDSPサービスに参入しました。
DSPサービスとは、広告主の広告効果の最大化を支援するためのサービスです。広告予算やターゲットユーザーに適した広告枠の選定、入稿や掲載枠の管理、配信された広告の効果を評価できます。メディア側の、収益管理やインプレッション毎に最適な広告の自動配信を行い、メディアのビジネスチャンスを活かすサービスがSSPです。
出典:ミクシィ「Vantage DSP」
すでに国内外のDSPサービスの競争が激化する中で、mixiがメデイア側の支援ではなく広告主の支援についた背景を探りながら、スマートフォン向けDSPサービスをみていきましょう。
日本国内で、いち早くスマートフォン向けのDSPサービスにとしてと登場したのが「Bypass」です。インプレッションごとに広告売買が可能なRTB(Real Time Bidding)への対応はもちろん、ユーザーのページ閲覧や購入履歴などからユーザー属性を解析し最適な広告を配信できるレコメンド機能や、広告の接触回数に応じて表示する広告を切り替える機能など、多彩な機能を兼ね備えているのが特徴です。
スマートフォン特化ではありませんが、国産の専業DSPとして登場したのが「FreakOut!」です。アクセス解析ツール「Google Analytics」との自動連携やアトリビューション分析が可能な点など、他サービスとの差別化で利用者を増やしています。
今回、mixiが投入したDSPサービスが「Vantage」です。2004年から培ってきた mixiユーザーの様々な行動履歴や嗜好情報を分析して、ターゲット属性を想定し配信を行えるのが強みです。他社サービスでも、ターゲティング配信は可能ですが、mixiという巨大なソーシャルメディアのユーザーデータが活用できるという点が最大の魅力です。
mixiは国内有数のメディアのひとつであり、会員ユーザーの貴重なデータを武器に強力なDSPサービスとして名乗りをあげました。
スマートフォンとSNSは相性が良いとされていますが、事実、スマートフォン利用者の62%は、SNSを利用しているという調査もあります。 mixiがスマートフォンユーザー向けの広告主側の支援サービスに名乗りをあげたのも、多いに納得できますね。スマートフォンの普及に伴いSNSの利用率がさらにあがってくると、ミクシィのDSPサービスにおけるアドバンテージは上がっていくかもしれません。
我々ユーザーにとって、従来、広告は邪魔なものでした。しかし、DSPサービスのようなアドテクノロジーが駆使され、パーソナライズされた広告配信が可能になると、ユーザーのセレンディピティを刺激しその行動を変えていくことでしょう。
タグ: Bypass, DSPサービス, FreakOut!, Vantage, スマートフォン, ソーシャル