MM総研の調べによると、2014年度にはスマートフォン出荷台数比率が8割を超え、スマートフォン契約数がフューチャーフォン契約数を超えます。モバイルECに影響を与えるのは確実となりそうです。これまでEコマースサイトを起ち上げるにはPCサイトからというのが普通でしたが、今後はむしろモバイルサイトしか持たないというEコマースサイトも増えていくでしょう。
今回は、モバイルECのプラットフォームサービスの紹介とあわせ、今後のモバイルEC像についてみていきます。
Origamiは、ブランドやショップ、人をフォローすることで「いいね!」や「シェア」で最新情報を得られ、気に入った商品はタップひとつで「購入」できます。MAP機能では、周辺の登録店舗を探すことができ、チェックインしたり、フォローしている自分と趣味の近いユーザーを見つけたりすることが可能です。
またチェックイン情報は、ショップアカウントにリンクされているので、チェックイン情報をみた友人が、そのショップをフォローしたり商品を購入したりすることもできます。まさにオンラインとオフラインを繋ぐ新しいモバイルECプラットフォームです。
ローンチ直後にも関わらず、ファッションブランドをはじめアートギャラリー等、500を超える出店数となっています。PinterestやFANCYのように、ECサイト特有の検索窓やカテゴリ一覧を排除した洗練されたデザインは、商品自体を印象的に見せることができます。
また著名人の参加や、「VOGUE JAPAN」「WIRED」などファッションメディア誌の参画など、これまでのECプラットフォームとは一線を画した試みにその理由がありそうです。初期費用や月額利用料がかからず成果報酬10%のみという低リスクの料金体系に加え、実店舗へのチェックイン機能などO2Oへの対応も注目すべき点です。
Frilは、スマホ・カメラで商品の写真を撮って投稿するだけで売買ができるモバイル向けフリーマーケットのプラットフォームです。無料でオリジナルのショップを簡単に持てること、決済を運営会社を通すのでトラブルが起きにくいことに加え、運営会社のブログやアプリ上の「お知らせ」によって機能の追加や使い方が詳しく紹介されているので、女子学生やOL、主婦など女性ユーザーに支持されています。
自分のタイムライン上には、いいね!をした商品やフォローしたショップの商品がFacebookやTwitterのように流れてきます。またブランドやアイテムカテゴリ、価格帯などで絞り込みができるなど分かりやすい作りが特徴です。先日、ローンチしたLISTOR(http://listor.jp/)も、ファッションに特化した同様のサービスですが、これらのサービスを利用することで個人間売買が、より簡単になり活発化していくでしょう。
aishipRは、ユーザーの使用するデバイス画面サイズの違いに対応して自動的にレイアウトを変える「レスポンシブWebデザイン」を低価格で提供しています。
aishipRの開発・販売を行う株式会社ロックウェーブは、2005年からモバイルECに最大特化しています。モバイルユーザーの行動を分析することで、手間を掛けずにサイトの管理、更新ができるシステムを実現しています。
OrigamiやFrilは初期費用や月額利用料がかからず、出店の敷居が低いのが特徴です。一方で、aishipRは、月額利用料9800円~固定費用が毎月かかること、利用するにはショップページを作りこむ必要があること、そして広告設定やアクセス解析ツール設定も可能であることなど、本格的なECサイト運営を望む方向けのサービスとなっています。
OrigamiやFrilといったスマートフォンさえあれば出店できるプラットフォームの出現で、企業対個人、個人対個人の取引きが活発化するのは確実です。また企業のモバイルEコマース対策の遅れも、aishipRのようなプラットフォームを利用することで最適化が容易になり競争が激化していきそうです。
そしてOrigamiで既に実現しているように、今後モバイルECと実店舗の共存を目指すO2Oは、スマートフォンやソーシャルメディアの普及に合わせて避けられぬ課題となるでしょう。
タグ: aishipR, ECサイト, Fril, Origami, コマース, ショッピングカート, スマートフォン