2020年の年頭は、今年のWEBデザインのトレンドを予想してみたい。2019年は大きなタイポグラフィによるデザイン、フラットデザイン2.0、ノングリットデザインなど、これまでのWEBデザインの主流だったフラットデザイン、グリットデザインから真逆な方向のデザインが出てきた。今年はどんなWEBサイトがトレンドとなるのだろうか?
今回は2020年、トレンドとなるだろうWEBデザイン7選を紹介する。
2020年は「ダークモード」サイト、つまり背景が暗いトーンとデザインが増加すると思われる。
それは、昨年9月にリリースされた、「iOS 13」や「Android 10」にはダークモード機能が導入され、今では、Twitter、Youtube、Safariなどにも追加されているからだ。
これまでの白い背景とは真逆なデザインは「目に優しい」、「疲れにくい」、「バッテリーが長持ちする」など利点もあるようだ。
「ダークモード」はユーザーの環境に応じて切り替えが可能なものにするのが理想的である。
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グラデーションを配したデザインは2,3年前からよく目にするようになったが、今年も引き続きトレンドとなるだろう。
グラデーションは、ビジュアル全体にグラデーションレイヤーを重ねたり、ロゴマークやカートボタン、カラム要素に使用したり用途は様々である。
また、昨年は鮮やかなブライトカラー、人目をひくビビットカラー、コントラストを強調したものなどが増えてきた。
グラデーションカラーを使用することで、WEBサイトの色彩を強調でき、奥行きをや質感を追加し、現代的でモダンなWEBサイトを表現できる。
流体シェイプによるデザインも、昨年から多く見られるようになった。
滑らかで、ゆるやなカーブ、水滴の波紋、幾何学図形など、それら要素を追加することで、抽象的で幻想的な雰囲気を出すことができる。
流体シェイプと幾何学図形を取り入れたデザインは、メインビジュアルのマスクに利用したり、背景の一部として図形を配したりなど、グラデーションカラーと同様に今年もこのデザインを取り入れたWEBサイトが多く見られるようになるだろう。
これまではスクロールに合わせて、フワッと現れるものが多かったが、最近ではもっとストレートにスクロールに合わせて、コンテンツが追加されたり、変化したり、固定されたりなど、スクロールに合わせて様々に展開していくデザインが多くみられるようになった。
「スクロールデザイン」は基本的にはユーザー操作による動的アニメーションになるが、スクロールによって動的に変化するコンテンツは認識しやすく、良いユーザー体験(UX)となるだろう。
今後は、コンテンツなど一部分でだけではなく、WEBサイト全体が動的に変化するようになると良いだろう。
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3Dグラフィックスを配したトップ画面も、今後増えてくると思われる。特に、3DCGとアニメーション組み合わせたものだ。
3Dグラフィックスでビジュアルが回転するトップ画面は没入感があり、印象に残りやすい。
特に商品や製品など紹介するECサイトなどでは、3Dグラフィックを用いることで、消費者に商品を分かりやすくイメージさせることができるだろう。
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ユーザーアクションに対する細かなフィードバックは、ユーザビリティの向上につながる。マイクロインスタラクションとは「細かな相互作用」である。
簡単なものではローディング画面などあるが、カーソルの動きに追随したマークや、マウスのホバー時の動的変化などは、ユーザー体験(UX)を向上させ、離脱率の減少につながるだろう。
2020年にはすべてのインターネット検索のうち、50%以上が「音声検索」になるとの指摘もある。
音声ユーザーインターフェイス(VUI)とは、ユーザーがデバイスに対して話しかけるとその発言を理解し、ユーザーの命令に応じて動作する機能である。
音声によるユーザー体験(UX)の拡大は、ユーザーにとって大変好ましいことである。
このユーザー音声をWEBページでも利用できるようにするのが、「WEB音声インターフェース」である。
昨年12月3日、「アドバンスト・メディア」が、音声認識APIを提供する開発プラットフォームを一般公開した。これは、WEBサイトやアプリケーションに音声文字化や音声対話、音声制御、音声翻訳などを組み込めるサービスである。
現状ではまだまだ、普及しているとは言いがたい「音声インターフェース」ではあるが、今後はAIとクラウドコンピューティングの進化とともに、対話型WEBインターフェースが重要な時代になるだろう。
2020年のWEBデザイントレンドは、今回取り上げた以外にも様々なデザインが出てくるだろう。
トレンドはトレンドだからといって、単純に取り入れればいいというものではない。やはりそこには、ターゲット層としてユーザー嗜好にマッチするかどうかやWEBサイトのテイスト感に支障がないかなど考えて、取り入れるかどうかを検討しなくてはならない。
2020年は、「見た目のデザイン」より、ユーザー体験(UX)向上のためのデザインが重要視されるだろう。