急成長する動画広告、そのメリット、種類、価格は?

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昨年12月、矢野経済研究所は国内のネット広告市場を調査し、市場概況、参入企業の動向、および将来展望などを公表した。ネット広告市場は年々拡大しており、アメリカなどではテレビ広告費を上回る勢いである。
日本のネット広告市場では、2020年度には2兆円を超えると見込まれており、中でもスマートフォン広告が市場を牽引しており、2019年では約7割がスマートフォン広告となる見込みだ。
ネット広告には様々な種類があるが、特にここ数年、拡大しているのが動画広告である。
ここではネット広告の中でも動画広告に着目し、動画広告のメリット、種類、運用費用などについて見ていこう。

動画広告は大きく伸びるだろう

オンラインビデオ総研によると、2019年の動画広告市場は、前年対比141%の2,592億円に達するとしている。2020年には3,289億円、2023年には5,065億円に達する見込みである。
デバイスにおいてはスマートフォン広告が圧倒的シェアを占め、2019年は2,296億円(前年比146%増)、2020年2,973億円(前年比126%増)と拡大し、スマートフォン広告は、動画広告需要全体の89%を占める見込みである。
今、アメリカ、日本とも動画広告市場は拡大しており、背景としてはスマートフォン利用者の増大、YouTubeなど動画サービスの拡大し、機能など充実してきたこと、視聴ユーザーがテレビからネットに変化していることなどが考えられる。
Googleの調査では「買い物の前に動画を探す」と答えた人は、全体の50%超えており、サイトやアプリに関してハウツー動画を用意している企業に対して、好感が持てると回答した人は約53%にも昇っている。

動画広告の広告費の推移

動画広告 3つの用途

動画広告を展開するためには、その用途を抑えておく必要がある。動画広告の施策には、「認知拡大」、「販売促進」、「ブランディング」と大きく3つの用途がある。
「認知拡大」は動画広告を配信して、自社商品やサービスの認知度を拡大するもので、SNSなどでシェアされるようなインパクトの強いものが望まれる。
「販売促進」は新規ユーザーの獲得やサイトへの問い合わせ、売り上げ向上を狙ったものである。作り手としてはユーザーを引き込むインパクトを残しつつ、商品、サービスのベネフィットなど情報を説明し、WEBサイトに誘導する必要がある。
「ブランディング」は企業価値や製品価値を高めるための広告である。企業価値を高めるには企業理念に合わせたストーリー動画などストーリー性を持たせることが基本である。

動画広告、バナー広告、検索広告を比較

動画広告は、静止画よりユーザーを引きつけ、商品、サービスなどの購入に繋がりやすいなどメリットも多い。
下記内容は、video-ad.netからの抜粋だが、動画広告にはバナー広告や検索広告以上の効果があることを示している。

●動画広告は伝えたいことが伝えられる

動画広告のメリットその1

広告内容を覚えているかどうかの割合だが、バナー広告より動画広告の方が2割ほど高い。

●動画広告はブランド好感度を高める

動画広告のメリットその2

動画ではない広告と動画広告のブランド好感度も、動画広告が高い数値を示している。

●動画広告は新規顧客を連れてくる

動画広告のメリットその3

広告接触後6ヶ月以内にサイトを訪問したことがある割合を示したものだが、バナー広告に比べて動画広告の方が3割以上高い。動画広告はサイトへの誘導率を高いことを示している。

●動画広告を行うと商品が売れる

動画広告メリットその4

広告接触後6ヶ月以内にその商品を購入したユーザーの割合を示したものだが、バナー広告に比べて動画広告は2倍以上高い数値を示している。動画広告は商品購入率も高める効果がある。

動画広告フォーマット 4つの種類

ネット広告のメリットは、テレビ広告を出すほどの予算がないがブランディングしなければならない時に低予算で出稿できる点や商品サービスの認知度の向上、売り上げアップなど施策したいときに効果がある。
そして、動画広告にはYouTubeのインストリーム広告をはじめ、様々なフォーマットがある。ここでは動画広告フォーマットについて見ていこう。

●インストリーム広告

インストリーム広告とはプラットフォーム内の動画再生時に流れる広告で、動画広告の中では最も利用されているフォーマットである。代表的なものは、YouTubeの動画再生中に流れる広告がそれにあたる。
5秒後にスキップできる長編動画広告や、スキップできないもの、動画視聴の途中で流れるものなど、これらを総じて「インストリーム広告」と呼ばれる。
課金対象も、一度読込み始めたら課金となるもの、完全視聴で課金になるものなどのタイプがある。

インストリーム広告

●インバナー広告

インバナー広告は各プラットフォームの広告枠内に配信される広告で、従来バナーの配信枠に動画で配信するフォーマットである。
この動画広告はスキップすることができないもので、最もメジャーなものは、Yahooのトップ画面の右上に配信される動画広告がある。
この動画広告のメリットは、自社商品やサーピスを知って欲しいターゲットに向けて広告を配信でき、視聴回数は少なくなるが、コンバージョン率が高い形式とされている。

インバナー広告

●インフィード広告

FacebookやTwitterなどのSNS系プラットフォームやニュースまとめサイト、キュレーションメディアなど、コンテンツとコンテンツの間に表示される動画広告である。
この広告は画面占有率が高く、ネイティブ広告に分類される。
インフィード広告はストーリー性を持ったクリエイティブとの相性が良く、また、メインコンテンツと同じ枠に表示されることから、インバナー広告よりも視認性が高くなるというメリットがある。

●インリード広告

スマートフォンをスクロールすると広告が出現するタイプの広告を見ることが多くなった。ニュース記事などに差し込めれており、動画広告の中では最も新しいタイプのフォーマットである。
インリード広告はスマートフォンを中心としたプロモーションで注目をされるが、広告嫌いのユーザーにとってはうっとうしく感じ逆効果となる。

●アプリ内広告

アプリ内広告とは、スマートフォンのアプリ使用時に画面内に表示される広告である。
ページを遷移すると表示されるものや、画面の下部や上部などに常時表示されるものもある。
無料系アプリでは、アプリ広告は視聴が必須になっているものが多い。

この中で、動画広告でオススメなのは、インストリーム動画広告である。
初めて動画広告を運用する場合なども、ユーザーにとってのCTAが高いと言われるインストリーム広告から始めるのが良いだろう。

動画制作費はどの程度必要なのか?

WEB動画広告制作の費用イメージは、テレビCMなどと比べるとはるかに安価である。
15秒の動画広告であれば、5万円から作成が可能である。
5万円〜15万円価格帯の動画は、簡単な撮影または支給素材(写真や動画)を編集して動画広告を作成するものである。BGMは入るが、ナレーションは入らない。事例的には商品に関するインタビュー風景などの撮影をベースに編集を加えたものなどがあり、特別な演出はない。
さらに、撮影時間が長くなったり、エフェクト編集など飽きのこない内容にするための編集やシナリオ構成など加わると、20万円〜80万円と価格は上昇する。
通常、WEB動画広告はこの20万円〜80万円の価格帯が相場となっている。
また、企業案内や会社PRムービーとなると、撮影のための機材や規模、所用日数、さらにモデルを使ったりと追加内容が増加し、製作費はさらに高額になる。
テレビCMの場合は放映(1回)費、製作費込みで100万円〜が相場である。それと比較するとWEB動画広告は安価なイメージである。

動画料金表

意外と安価な動画広告出稿料

動画広告も製作後は何らかのメディア、YouTube、Facebook、instagramなどに出稿する必要がある。
動画広告の出稿単価はメディアによって違うが、その料金体系である「CPV」と「CPM」を覚えておく必要がある。
「CPV」とは動画広告の視聴1回あたりの単価のこと指し、入札型と予約型の2種類ある。
入札型は動画広告の表示回数に対して広告費を支払う料金形態で、表示回数〇回で〇円という形になる運用形式。
予約型は動画広告の再生回数に対して広告費を支払う料金形態である。
「CPM」とは動画広告の表示回数1000回あたりにかかる単価を指し、管理画面から広告枠を競り落とし広告を掲載するものである。
YouTubeは「予約型のCPV」で、ユーザーが広告を30秒視聴することで課金が発生する。予約型の課金単価は1再生で3~20円程度である。
動画広告の費用は出稿費用が高いイメージがあるが、配信するコンテンツさえあれば、少額から始めることが可能であり、費用対効果の高い広告と言えるだろう。

●YouTube(ユーチューブ)の動画広告の出稿料

動画広告の中で代表的なものは、YouTubeのインストリーム広告である。
インストリーム広告は、リスティング広告とは異なり、視聴者のクリックで広告費が発生することはない。
クリック単価ではなくユーザーが30秒以上視聴した場合のみ、広告費が発生する仕組みとなっている。
つまり、インストリーム広告はユーザーが5秒でスキップした場合は広告費は発生しないため、広告の質によっては、ユーザーに視聴されるが、広告費が発生しない場合もある。
また、広告はターゲットを年齢や性別、興味関心、地域でも設定できるため、的を絞ったターゲットに広告を視聴してもらうことができる。
課金最低単価は3~20円からで、高額イメージのあるYouTubeの動画広告であるが、リスティング広告と同様、低予算でも始めることが可能である。

まとめ

2020年は動画広告市場が一気に加速するだろう。その要因としてあるのが5Gの開始である。5Gインフラが整うことで通信速度に関するトラブルはなくなり、通信制限もなくなる。いつでもどこでも安価でスマートフォンで動画が楽しめようになれば、動画広告の需要も高まることが必至である。
さらに、動画を主としたSNSプラットフォームやアプリも増えることが予想され、動画によるプロモーションの幅が増えるだろう。
WEB動画広告は数年前と比較して、費用的にもハードルが低くなっており、配信しやすくなっている。今年は、少額からでも始められる動画広告にチャレンジしてみてはいかがだろう。

参考:

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