2020年も12月に入り最後の月となった。今年はコロナなどの影響で、Googleのアルゴリズムの変更はないと思われてたが、12月3日、日本時間では12月4日未明にGoogleは「コアアルゴリズムアップデート」の実施についてリリースした。
今回は、このコアアルゴリズムアップデートの現状での影響や対応策、また2020年も今月が最後ということで、Google広告の大きなアップデートなどまとめた。
2020年のGoogleのコアアップデートは1月14日、5月5日以来、3回目となるコアアップデートである。
このコアアップデートによるGoogleの評価順位の変動は必至で、変動が落ち着くまで1~2週間、つまり12月末頃まで待つ必要はあるが、今回のアップデートは大規模、広範囲ということで、現況で変動の途中経過から浮かび上がるポイントを整理した。
ポイントは以下の内容であるが、あくまで、現況の途中経過として、まだまだ要観察ではあるが、参考としてまとめた。
以下の4つの内容が変動ポイントであるようだ。
価格など安さをわかりやすい場所にわかり易く、その内容を紹介することで、美容系サイトでは圏外から4位まで上昇した。
サイトでは4ヶ月前から、明朗な価格、選べるプラン、無料となる範囲などの説明を実施していたようだ。コアアップデートによりこの内容が評価された。
ある教育系サイトでは、広告スペースを整理することで22位→10位に上昇したという。
WEBページに過剰に掲載されているバナー広告、例えば、両サイドバーの広告やコンテンツの途中に出現していた多くの広告を廃止し、ページのごく一部に整理して表示させるようにすることで、順位が上昇した。
ページの中で広告の占有面積が広い場合は改善した方が良いかもしれない。
ブランディングを確保するためやオーガニック検索以外からのサイトへの流入を見込むための施策を行うことが有効なようだ。
ある美容系サイトでは、この施策で順位を22位→10位に上昇したという。
具体的には、公式SNSでの情報配信活動、地域ポータルサイトの登録、さらにプレスリリースを頻繁に行うなどの認知度を上げる施策は評価されていると言える。
ある不動産系のWEBサイトでは、これまでになかった著作者情報を設置することで、順位が15位→11位に上昇したという。
これまではコンテンツに関する著作者情報は記載されてなかったが、有資格者情報などは記載することで順位に変動があったとしている。
これは、Googleが推奨するE-A-Tを元に施策すると、順位をが上昇することを証明している。
ここまでまとめた内容は、まだ、途中経過であり、不確定要素はあるだろうが、整理すると、Googleのアルゴリズムはよりユーザー目線で、ユーザーの利益を疎外しない有益なコンテンツを評価していることが見て取れる。
対応策としては、「E-A-Tを高める」、「モバイルの使いやすさを考慮する」、「ユーザーが求めるコンテンツを提供する」などが重要であるようだ。
今年のコアアルゴリズムアップデートの特徴は、健康やお金系の分野のWEBページにおいて、「E-A-T」に沿って順位を変動させることが多くなっているように感じる。
E-A-Tの概念(専門性・権威性・信頼性)とは、SEOにおいて非常に重要な概念の1つで、この内容についてしっかりとして対策を行うことが重要となっている。
ここでは、「E-A-T」の概念について整理した。
詳しくは、Googleの品質評価ガイドラインに掲載されいるが、「E-A-T」とは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness )の頭文字を取った言葉である。ひとつづつ解説する。
コンテンツの内容やWEBサイトに何らかの専門性があるか、サイト制作者が資格や経験などを有するかなど、そのトピックに精通しており、その内容が雑記的ではなく、一つの内容に特化している場合に高く評価される。
WEBサイトが、専門性の高い別サイトからのリンクや、受賞歴、推薦などの評価を獲得している場合、高く評価される。
権威性を説明するときに、体調が悪ければ、誰の言うことより、医者の判断を重視するが、それと同じように、特定の分野において一定の地位を獲得している人のコンテンツであることが求めるのが、「権威性」である。
WEBサイトの情報やサービスを利用しても問題ないという、信頼に値するかどうかを評価する。
つまり、ユーザーにとって信用できる情報・サイト・運営者であるかどうかが問題となる。
電車の事故情報などの場合、公共交通機関が発信している情報と匿名の個人ブロガーが発信している情報を比較したとき、前者の情報の方が高く評価されることになる。
この「E-A-T」のポイントは、コンテンツにおいて専門性が高いこと、情報が正確であること、正しさはもちろん重要だが、誰がそのコンテンツを書いたのか、記事の「権威性、信頼性」の重要度が極めて高く、Googleのコアアップデートのたびに大きく順位の変動が起こる要因となっている。
Googleのコアアルゴリズムアップデートは今年3回行われたわけだが、Google広告においても、多くのアップデートがあった。
ここでは広告運用者に関係するアップデートを3つに絞り内容をまとめた。
2019年に追加機能となった、ギャラリー広告は廃止となったが、それに変わる新機能として、2020年7月15日、「画像表示オプション」をベータ版として一部の広告主に提供することが発表された。
設定すると上の画像のように検索広告の説明文の右横脇に画像が表示されるようになった。
画像による視覚的な訴求が増えることで、テキストだけでは訴求できなかった内容や広告の見せ方を工夫することで、伝えたい内容が伝えやすくなり、広告パフォーマンスにもよい影響が期待できる。
これは、PCでは表示されず、スマートフォンでの検索画面にのみ表示されるようだ。
レスポンシブディスプレイ広告とは、機械学習モデルを用いてユーザーにより関連性の高いアセット(画像、広告見出し、ロゴ、動画、説明文)を組み合わせて表示することができる広告である。
今年7月のアップデートにより、この広告に新しいデザインが追加され、画像の自動調整機能を使って、より訴求できるデザインになった。
今回のアップデートの内容はは、この新しい広告レイアウトと動画広告の自動作成である。
まず、新しい広告レイアウトとは、画像調整機能の追加で、スマートな切り抜きやテキストやロゴのオーバレイ、過剰な余白のトリミングである。
さらに、Googleは画像を登録するだけで自動的に動画広告を作成してくれる機能を追加した。
これは、追加した広告見出し、説明文、画像の組み合わせにより自動的に動画広告が生成されるというもの。
自動生成された動画広告は、WEBやアプリのさまざまなプレースメントに表示されるため、広告のリーチ拡大につながる。
ファインド広告(ディスカバリー広告)は、これまで、Googleが保有するサービスの中でも特にユーザー数の多いDiscover(Google Feed)、Youtube Home Feed、Gmailの広告枠のみに広告を配信できるディスプレイ広告だったが、今回の発表により、検索広告、ショッピング広告、ディスプレイ広告においても、広告の出稿が可能になった。
ファインド広告を既存の「Google検索」、「YouTube」、「SNS」などと組み合わせることにより、カスタマージャーニー全体にわって充実したパーソナライズド広告を使って、多くのオーディエンスにアプローチできるようになる。
この時期にGoogleのコアアップデートはちょっと意外だった。
GoogleがWEBページに求めるものは、ユーザー目線であり、高品質なコンテンツでE-A-Tを高めることが重要であるということだろう。そして、来年2021年は「Core Web Vitals 」によるユーザー体験もSEO対策では重要な事項となってくる。
また、Google広告は今年も多くのアップデートを行った。アカウントによってはまだ使えないなどあるかもしれないが、アップデートされた新しい機能を最大限に活用し、Google広告を効率良く運用していただきたい。
参考:
タグ: Google, Google AdWords, SEO