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板橋 憲生 さんの投稿記事

About: 板橋 憲生

Website
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Profile
株式会社デジタルスタジオの代表です。 個人ブログはこちらでもたまに書いています。 http://ecommerce-ha.blogspot.jp/ 2008年よりスクラッチにて多言語ECサイト Live Commerceを独自開発し、現在は700サイトを越えるネットショップが英語や中国語などのサイトを運営している。2013年の海外向けネットショップの総流通学額は70億超に。

Live Commerce 2017年にやること

2016年11月22日 火曜日

今年もあと約1ヶ月あまりとなったが、今年もLive Commereを進化させることが出来た。
Live Commerceの今年の動きを振り返ってみたいと思う。

今年は2つの大きなアップデートを行った。

Live Commerceのアップデート 管理画面のデザイン等の刷新
1つ目は6月に行った、Ver3系へのアップデートにより約6年間使い込んできた管理画面のデザインを刷新し、bootstrapなどのCSS/HTML5のフレームワークを採用し、管理画面の操作性を向上させた。このアップデートにより、社内外のエンジニアがプラグインの管理画面設計を行う際に、共通のフレームワークでデザインが行えるため、管理画面のデザイン品質の管理にも内部的には役に立った。

管理画面のリニューアルも兼ねて、管理画面のローカライズも今回行っている。管理画面は英語・簡体字・繁體字による多言語対応となっているため、社内で外国人にECサイトの運用を任せるケースなどを想定して、こちらもしっかり行っている。管理画面のログインID単位で、機能権限の設定が可能なため、スタッフ毎に作業範囲を制限することができる。

ちなみに、Live Commerceの原型となる管理画面は私が2009年頃にデザインをしたものである。これを約6年ぐらい使い込んで、今回は社内スタッフにて全面リニューアルした。

Discovery Japan Mallへの自動出品
2つ目は9月からLive CommerceとDiscovery Japan Mallのインテグレーションである。
業界初となる、ASPとしての越境ECカートを提供しつつ、自社運営のモールにも同時出店が可能となった。利用者は自社のマーケティングで集客した場合は自社サイトにて注文・決済が行われ、同時にモール側(当社)で集客した顧客についてはモールで注文・決済が行われる。モールで決済が行われたとしても、受注データは自社サイトの管理画面(受注管理)に登録されるため、店舗側としては、業務オペレーションを何ら変えることなく自社ECサイト運営とモール運営が同時に行える点である。

なにより、ASPとしてEコマースのインフラを提供している当社自身が小売の最前線にてWEBマーケティングを行っているという点で、今まで見えてこなかった多くの不都合な事実を把握することができ、利用者にとって役に立つような機能を来年以降、順次リリースしていく予定だ。

最新コードのスピード配信
これは直接の機能追加ではないが、社内におけるバグの発見から修正→アップデートまでの人的工数の最適化をはかった。
システム開発はぶっちゃけ、バグとの戦いでもあるので、バグを発見してからいかにスムーズに顧客のアプリにデリバリーができる組織を作るのかは、機能を1つリリースするのと同じく、最新コードをできる限り早くデリバリーする内部フローの体制構築をこの1年で行った。顧客は常に最新の安定したアプリを利用できるということだ。

2017年やることリスト

今後、当社としては越境ECカートとしてのLive Commerceの進化に加えて、自社運営するDiscovery Japan Mallの進化と同時並行で行う予定だ。

EMS配送ラベル印刷
Live Commerceの管理画面からEMS送り状の印刷が可能になる。(しかもボタン1クリック)
海外配送が初めての小売店でも、初期設定だけ済ませておけば面倒なインボイスの作成や英語でのEMS配送ラベルがボタン1クリックでPDF印刷できる仕様になっているため、海外販売がより簡単になる。
ちなみに、本日この記事を書いている時点ですでにプログラムは完成している。あとはリリースを待つだけ。

人工知能による販売解析
Google Analyticsを見てもさっぱり、、よくある話だが、現在Discovery Japan Mallに出店しているショップに限定されるがGoogle Analyticsを見なくても、自社の商品が、①どの国から、②どのくらいのアクセス数があって、③何回カートに挿入され、④何回購入されたか、この4つの数字がショップの管理画面に表示され、どの商品を翻訳するとより販売向上に影響するのかを提案する。

越境ECでは、大きく体験型ストーリーを提供するマーケティング活動に加え、正しい情報を消費者に伝えなければならない。
前者のストーリーとしてのマーケティング活動は当社が担うことになるが、ユーザーが実際に購入する時は、ショップ側は正しい情報を提供できないと購入に至らない。しかし、ショップ側としては、商品の仕入原価に加え、正しい情報を伝えるとなると、原価コストに翻訳費用が加算される。この翻訳費用の捻出根拠を当社としては人工知能による販売解析を通じて、どの商品をどの言語に翻訳すればより高いコンバージョン率が得られるのか、、これを以前からずっと開発したかった。というのも、翻訳費用というのは商品数が数百レベルなら大した費用感ではない。数百から数千となると、加えて英語だけでなく、簡体字やタイ語など多言語翻訳となると費用も百万単位となってくるため、どの商品から翻訳をすれば、費用対効果に見合うのか。これを担当者は上長に説明できなければ、企業として翻訳費用をマーケティングコストとして説得させることは出来ないと考えていた。


↑コンピュータに解析を委ね、最適な翻訳スべきデータを回答してもらう。

膨大なアクセス数とさまざまな国、ユーザーのブラウザ言語などを解析する場合、Google Analyticsでは難しいため、Google Analyticsから得られるデータを元に、商品と国ごとに詳細な分析が必要となる。この作業はほぼ人間の頭脳では不可能で、一定の解析パターンをコンピュータに学習させ、どの商品を何語に翻訳すればより高いコンバージョン率を得られるのかという分析と提案がされる。もう少し具体的に言えば、アクセス元の国と、実際に該当の商品を見たユーザーのブラウザ言語の差を分析し、例えば△△の商品の場合は◯◯語に翻訳するとコンバージョン率が N% 、カート突入率がX%アップする、、というような解析結果になる。

越境ECで、何が売れるのかを探し当てるのは金脈探しと同じだが、これなら売れそうな商品から少額の翻訳投資で費用対効果を検証しながら事業を進められると願っている。

中国越境EC
Discovery Japan Mallでは実は今年の10月に中国大陸向けにプレスリリースを行い、なんと1日だけで直近1年分を遥かに凌駕するトラフィックを稼いだ。Tmall国際などの海外モールへの出店ではなく、自社サイトで巨大なトラフィックを獲得した。

プレスリリース当日、私は海外出張中だったのだが、出張先のホテルでMac Book Air からGoogle Analyticsのリアルタイム解析を見たところ、久々に武者震いがしたのだ。半分夢かと思った。疑いたくなるようなアクセス数が中国大陸からDiscovery Japan Mallへ来た。


↑中国大陸から巨大なトラフィックが来た。

 


↑10月某日のある2日間で直近1年分に匹敵するトラフィックとなった。前後のトラフィク数が0に近いのは、そのせいです。

会員登録数、注文数、サーバダウン回数、、いずれもこのプレスリリースを行った日に最高を更新した。オンラインユーザ数は朝からぐんぐん伸び、3桁まで達した。顧客のECサイトでもあまりない経験を自社ECサイトで目の当たりにし、中国ECのポテンシャルの高さに、ありえない巨大なトラフィックを処理できるインフラを急いで構築しなければならないなど、、いい意味でも課題がたくさん見つかった。

11月上旬に改めて北京に出張した際、現地から中国越境ECサイト対応なんて謳っていう某企業の顧客事例のサイトを参照したのだが、あまりの表示速度の遅さに驚いた。業者名はあえて控えるが、中国越境ECサイトに対応、、、なんていうもんじゃない。はっきり言ってこのレベルの越境ECサイトで海外に売ろうもんなら、詐欺だ。日本からは閲覧できても、海外からはトップページの表示で1分とか、、あり得ない。これでは全く閲覧できないのと同じだと。

Discovery Japan MallもCDNを使ったり、中国からのアクセス対策にはそれなりに行ってきたつもりだが、改善できるポイントはやはりあった。ちなみに、私が北京にいる間、中国最大手のECサイト「Tmall」のトップページのレスポンス速度をGoogle chromeブラウザで検証したところ、150〜200msの速度に対して、Discovery Japanは700ms前後(0.7秒)だった。技術屋の私は現地ですぐにHTMLコード、キャッシュの見直し、javascript読み込みの非同期化などを対応し、現地からのスピードで380ms前後まで一気に改善した。

その後も日本に帰ってからも中国対策のHTML最適化をさらに進め、現在は中国北京からのサーバレスポンスは平均して 280〜300msだ。日本サーバを使って300msなら、北京の現地ユーザーから見てもそれほど遅いと感じることはないだろう。中国から日本のサーバーは検閲のリスクがあると言われているが、このように徹底した対策を行えば現地物理サーバを使わなくても、中国越境ECは可能だ。(現地サーバを使うとなると、ICPライセンスなどの取得が必須となってくるため、余計にコストもかかる)

こうした中国からのアクセス対策に加え、言語PR会社とのコネクションもできたことから、Tmallや現地ローカルECサイトに負けないぐらいの存在感を、Discovery Japan Mall単体で挑戦するつもりだ。日本のサーバ、日本のスタッフ、日本の商品、そして現地のPR会社と連携しながらどこまで挑戦できるか、やりがいはある。

グローバル越境EC
上述した中国越境ECと英語圏を中心とするグローバル越境ECの運用は異なる。英語圏向けのグローバル越境ECではGoogle系のサービスやfacebookが使えるため、得られるデータやリーチできる国や地域が広範囲に及ぶ。その為、グローバル越境ECと中国越境ECは別のチーム構成、利用するマーケティング媒体も異なることから、別々にアプローチをしていく予定だ。

 

市場規模20兆円へ。中国の「越境EC」 ウソかホントか !?

2016年10月24日 月曜日

市場規模20兆円へ。中国の「越境EC」は爆買を超えるか?

リンク先はNewsPickの有料記事ですが、このエントリーがアップされた前後でちょうど当社の越境ECモール Discovery Japan がまさにそうした動きがありました。
よって、上記ニュースネタは数字の根拠はともかく、現実的な話だと思っていいと思います。

先日、当社が中国大陸全域にプレスリリースを配信した翌日にと大手ニュースメディアや個人ブログにニュース記事が飛び火。
結果、約2日間ではありましたが直近1年分のトラフィックを稼ぐまでに至りました。

下の図は、本日時点でのGoogle Analyticsの解析結果ですが、中国大陸からDiscovery Japanのサイトへ一気にトラフィックが来たので中国部分だけ色が濃くなっています。

アクセス数でいうと、10月11日と12日に凸がきれいに出ており、この2日間だけを見ると他の日がほとんどアクセスすがゼロであるかのように見えますが、この2日間が通常のアクセス数の100倍ぐらい来てしまったので、9月の終わりの方なんかのアクセス数がグラフ上ではゼロに限りなく近い数字になってしまっていますが、実際には平日でもアクセス数はあります。 (さらに…)

 

Discovery Japanで商品プロモーションを動画でしてみませんか?

2016年9月16日 金曜日

本日、Discovery Japanオフィシャル動画を公開しました。といっても、皆様に見ていただくことが目的ではなく、英語で作っていますので対象は海外です。今日は、この動画マーケティングについてちょっとしたメリットをお伝えします。ズバリ、無料で作ってみませんか?ということです。

当社は動画マーケティングを専門としている会社ではありませんが、自社サイトの集客・宣伝に今年から本格的に動画を導入しており、今年は既に10本以上のDiscovery Japan関連動画を作成しいます。Youtube経由でオフィシャルへ流入する件数が全トラフィックの2割から3割稼げることからも、Youtubeへの自社コンテンツ露出はやはり効果があると言わざるを得ません。

しかし、日本国内で動画作成を業者へ発注すると、相場は1分ほどの動画で5万〜20万前後です。
この金額、ネットショップ事業者にとっては成果ベースではなく初期持ち出し経費ですから費用対効果の検証がまだはっきりしていないので私にとっては現実的でない、、、というのが本音だと思います。 (さらに…)

 

越境オンライン爆買いとは?

2016年9月13日 火曜日

東南アジア・ASEAN地域の今後5年間の成長期待
http://www.globaltimes.cn/content/1005948.shtml

アリババグループが今年買収したASEAN地域における最強プラットフォーム Lazada グループの株式を購入したことが話題になったが、今日はASEANのEコマースの話をしようと思います。ASEAN地域の人口( インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,ラオス)は5.6億人となり、中国・インドについて巨大な消費市場になるとのアリババグループ会長であるジャックマー氏は見積もっているそうです。ASEANのEコマース市場は今後5年間で2倍の成長の可能性があると。 (さらに…)

 

爆買いに沸いた「インバウンド」祭りは終わった。今後成長が期待される「越境EC」とは?

2016年9月4日 日曜日

越境ECを理解する前に訪日外国人の増加背景を理解しておきましょう。
特に中国人による「爆買」や「インバウンド」といったキーワードにまつわるビジネスは2016年8月を最後に株式相場も実際のリアル店舗でもお祭り騒ぎを終えて新鮮味がなくなっています。これは訪日外国人による不買運動ではなく、特定の個人が炊飯器や水筒を何個も買う爆買いブームが終わったということを意味しています。これは銀座やお台場にある観光客向けの免税店に行くとよくわかります。

そこで、改めて注目したいのが海外向けの「越境EC」です。「越境」は国をまたぐ、「EC」とは「Electronic Commerce」、つまり電子商取引のことなので、「越境EC」とは国をまたいだ電子商取引を意味しています。要するに海外向けネット通販のことで、「インバウンド」に対して「アウトバウンド」ともいえます。

私はこの越境ECを提供する事業者の立場から、越境ECに挑戦しようと検討中の方や、海外取引に興味はあるけれど、よくわからない?という初心者向けに、「なるほど!」と納得できるように、できるだけ専門用語を使わずに越境ECについて解説します。

(さらに…)