アメリカのEC市場規模は、世界第2位である。2017年の国別統計を見ると、トップは中国の4,489億ドル(1ドル110円換算で約49兆4000億円)、2位がアメリカで3,660億ドル(約40兆3000億円)、3位が日本の788億ドル(約8兆7000億円)となっている。
アメリカは日本の約5倍の市場規模である。人口的には、アメリカは日本の2.6倍であるから、そのEC市場規模やECの利用は大きいと言える。 そのアメリカのEC市場で、大きな存在を放っているのが、amazon.comである。 Amazonは創業24年を迎えたが、今年もその勢いは衰えを知らない。
今回はアメリカAmazonで売れ筋商品の調べ方、売れている日本製品の特徴などを調べてみた。
「地球上でもっともお客様を大切にする会社」、「顧客は常に正しい」を経営理念として今も成長し続けているAmazon。 AmazonはアメリカでのEC市場シェア49.1%(2018年調べ)と最も大きく、その影響力は図り知れない。
1月31日に発表された決算によると、2018年(1〜12月)の業績は売上高が前期比31%増の2,338億8,700万ドル(約24兆3,379億円)、営業利益が前期比300%増の124億2,100万ドル(約1兆3,526億円)、純利益は前期比332%増の100億7,300万ドル(約1兆969億円)と大きく拡大成長した結果となっている。
その背景には、世界を相手に展開した様々な施策があるが、昨年の売り上げ好調の要因としては、Amazonオリジナルディバイスの販売が好調であったことが大きいと言えるだろう。
例えば、昨年のアメリカのホリデーシーズン(12月のクリスマス休暇)では過去最高の売り上げを記録した。このホリデーシーズン期間で最も売れた商品に「Echo Dot Kids Edition」と「Fire TV Stick 4K」がある。
「Echo Dot Kids Edition」は子供向けのクリスマスプレゼントして購入が多かったようだ。「Fire TV Stick 4K」はテレビのHDMI端子につなぐだけで、4K動画を楽しめると話題となり、Amazon Echoにも連携しているのが特徴である。
家族と過ごす時間が長くなるホリデーシーズン、映画などの動画を家族団欒で楽しむために購入した人が多かったようだ。
Amazonでは消費者がより簡単に商品を見つけられるように、ノードとよばれるカテゴリー毎に商品が分類されている。この細かく分類された商品カテゴリー別に売れ筋商品をリサーチすることができる。
Amazon内でカテゴリー毎に今、どんな商品が売れていて、どんな売れていないのかなど、商品価格はどの程度なのかなど調べることができる。 調べるにはBest Sellersや下記アドレスより把握するのができる。
Best Sellers(Amazonランキング)を調べる:https://www.amazon.com/Best-Sellers/zgbs/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&linkCode=ll2&tag=kounyu-houhou-20&linkId=dc7e4a92d54d8f05584076df25eaae4e&language=en_US
AmazonランキングとはAmazonのカテゴリー毎に24時間内の売上げ数をベースにしたランキングである。 左にあるカテゴリー項目をクリックすると、そのカテゴリーで何が一番売れているのかを確認することができる。 下の画像は電化製品カテゴリーで今最も売れている商品ランキング表示である。
ランキング上位であれば売れやすいし、上位の商品価格やブランド名など参考となる。また、ランキング下位の商品は一般的には売れにくい商品として確認できるが、ランキングが下位でも売れないという意味ではない。
価格などを調整することで売れることもあるので、あくまでランキングは参考データとして見るのが良いだろう。
確認のポイントしてはランキングに掲載されいる商品の傾向を見る。そして、出品を検討している同じ商品がランキング内にあるのか、ないのか、類似品はどの程度ランキングで入っているかなど確認すると良いだろう。
また、Amzon.comでの、日本商品の売れ筋も把握することができる。 検索窓に「japan import」と入力するだけで、amazon.comで何が売れているのかを確認できる。 amazon.comで人気の日本商品は、「ゲーム」「フィギュア」「お菓子」「アニメ」といった商品だが、最近では「日本製の文房具」「包丁」なども人気が高い。
「japan import」と入力し検索すると、Amazonの中で、日本商品のどんなものが売れやすいかを把握することができる。 日本商品を出品する場合は、既に誰かがamazon.comで販売している商品であれば、需要を見込めるだろう。
「japan import」と入力し、同様の商品が存在していれば販売しても良いだろう。
そのほか、売れやすい商品のポイントをまとめた。
アメリカではAmazon内での、商品競争は激化しており、検索表示結果で上位になるには、レビューをたくさん集めて、上位ポジションに表示されなければ、売り上げを伸ばせない状況となっている。
このAmazon内検索結果で、上位ポジションを獲得するのに重要となるのが、レビューの多さであると言われている。 調査によると良いレビューをたくさん持っている商品は、amazon.comで売り上げを伸ばしており、今後、日本でも主力商品として売り出すにはレビューを増やす施策が必要となってくるだろう。
アメリカのEC市場の約5割を占めるamazon.comは、AmazonがアメリカECの中心であり、「Amazonファースト」の時代に入ったと言っても良いだろう。
これまでは、アメリカの小売業界は、どうAmazonに対抗するかがテーマだったが、これからは、Amazonをどう活用するかというステージに入ったと言える。
アメリカの小売り業は、ECの中心をAmazonに置きながら、どうやってAmazonレビューを増やし、検索上位を獲得し、売り上げを伸ばして行くかがテーマとなっている。
今後はますます、アメリカ販売ではAmazonは無視できない存在になるだろうし、Amazon内での競争も激化して行くだろう。
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