【越境EC】Amazon.comのメリットと販売料金

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円安の加速で越境ECのニーズが高まっている。 この期を好機と捉え、自社ECを構築する前に、Amazonなど海外のプラットフォームに出品して手応えを得た後、本格参入しようという事業者もいる。
今回は、アメリカ「amazon.com」の出品について、その特徴からメリット・デメリット、販売料金などまとめた。

Amazon.com市場規模

Amazon.comは、インターネット上で世界最大のECプラットフォームだ。 下の図はアメリカeMarkerのEコマースシェア(2020年)であるが、Amazonが38.7%を占めており、2位はWalmart(5.8%)、次にeBay(4.7%)、その他、Apple(3.7%)、The Home Depot(1.7%)、Wayfair(1.5%)、Best Buy(1.3%)といった企業が並び、他を大きく引き離している。
また、アメリカの58%の消費者は、商品を買うとき、まず最初にAmazon.comで商品検索するという。

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Amazonの販売方法

Amazonの販売方法には、注文は自社受注し、海外顧客に直接販売者出荷するFBM(Fulfillment By Marchant)とAmazonが出荷するFBA(Fulfillment By Amazon)の2種類ある。 FBAというのは、在庫管理や、商品の梱包・発送などといった業務をAmazonが代行するサービスである。

amazon_FBA

Amazonのメリット

アメリカで販売拡大を狙うなら、まず、圧倒的なシェアを誇るAmazon.comから始め、商品の可能性を見定めるのが良い。
そのメリットは以下の内容である。

(1)Amazon FBAを利用できる

Amazon.comでセラーアカウントの作成さえできれば、すぐにでもアメリカのAmazonで輸出販売を始めることができる。
FBAを利用すれば、月額コスト約5,000円で、誰でも簡単に、アメリカで製品を販売することができ、しかも、受発注・デリバリー・クレーム対応といった面倒な業務を米Amazon側が対応してくれる。

(2)結果が出やすい

自社、越境ECサイトを構築に係る費用や時間などかけること無く、Amazon分析レポートなどで、どの商品がどの程度売れているか、また、今後の売れ行き予測など知ることができ、短期間にPDCAをまわすことができる。

(3)集客のための費用がかからない

アメリカのEC利用者の58%は、Google検索ではなく、Amazon.comの商品検索からスタートする。
自社越境ECの場合は集客施策が必要となるが、Amazon.comには集客しなくとも既に圧倒的なシェアがあり、Amazon FBAを利用すれば、プライムマークが表示され、商品順位がより上位に表示される。

Amazonのデメリット

Amazonに出品すれば何でも売れるわけではなく、商品は「日本でしか手に入らないもの」に絞ることが重要である。
ここではAmazonのデメリットまとめた。

(1)類似商品は価格競争になりやすい

Amazonは参入障壁が低い分、販売商品が売れ筋商品であればあるほど、類似商品は増え価格競争が起こりやすい状況となる。
一人が価格を下げると、皆が連動して価格を下げるなど価格破壊が起こる可能性が高い。

(2)仕組みやルールが予告なく変わる

Amazonには独自に制定されたルールがあり、違反すると販売停止になる。
注意されることはなく、いきなりアカウントが削除されて「48時間以内に撤退せよ」などと一方的な通告がくる。

(3)Amazon出品にはコストがかかる

Amazon出品には大口出品、小口出品があり、企業の場合は大口出品である月額費用のほか、商品が売れる毎に販売手数料5-15%程度がかかる。
さらにFBAを利用していれば、平均で15%程度のコストが上乗せされ、商品価格の約30〜40%がAmazon分となることを見込んでおく必要がある。
それゆえ、Amazon販売で利益を出すために出品するとなれば、利益率の高い商品が中心となるだろう。

Amazonの販売料金はどのくらい?

Amazon出品費用は、「基本成約料or月間登録料+販売手数料」である。 基本成約料or月間登録料とは、大口出品か小口出品の違いである。

大口出品とは、月額39.99ドル(税抜)(約5400円)が必要である。
メリットは複数の商品をCSVで一括出品できることや、Amazon広告が出稿でき、Amazonレポートによる分析などが可能となところである。

小口出品とは、一品ごとの出品となり、1商品につき0.99ドル(約133円)の手数料がかかる、販売規模の小さい方向けの出品プランである。

販売手数料はだいたい8%から15%まで設定されている。
商品カテゴリーによって異なり、本、CD・レコード、DVDで15%。
カメラ、パソコン・周辺機器で8%。
楽器、スポーツ&アウトドア、カー&バイク用品、おもちゃ&ホビーで10%。
PCソフト、文房具・オフィス用品、ホーム(家具)で15%。
などとなっている。

さらに、FBAを利用する場合は、商品毎の配送代行手数料、在庫保管手数料などが必要となる。
米国Amazonでは、2022年4月28日より、燃料高とインフレによる5%の追加料金をFBA手数料に適用している。

FBA料金の変更についてはこちら:「2022年FBA手数料の改定(米国)

まとめ

越境ECを開始したい事業者にとっては、まずはメリットの多いAmazon.comから開始するのが良いだろう。
販売手数料など割高なところがデメリットとなるが、集客力もあり、早い段階で成果を確認でき、Amazon.comで売れ筋商品と成れば次に繋げることができる。
Amazon.comから販売すれば、英語圏やEU圏などから思わぬ注文が入ることもあるので、「日本でしか手に入らないもの」なら、試して見る価値は充分あるだろう。

参考:

 

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