世界第2位、アメリカの越境ECの現況は?

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2016年の世界EC市場規模は2.0兆ドル(約230兆円)に達すると言われ、2015年より25%増となるようだ。
さらに2017年のEC市場はさらに拡大し、2.5兆ドル(約290兆円)と予想されてる。2020年には4兆ドル(約460兆円)になると見込まれている。
変わって越境EC市場をみると、PaypalとグローバルマーケティングエージェンシーIpsosが実施した全世界の32の市場を対象にした越境ECの消費動向によると、越境EC32市場の中で、越境EC利用している国のトップは中国の4,460億元(7.1兆円)で、2位はアメリカの440億ドル(4.8兆円)となっている。
今回は、この世界第2位のアメリカの越境EC市場に関する動向などについて見ていこう。

●アメリカの越境EC市場規模を整理してみた

○アメリカの越境ECの現状とポテンシャルは?

 

アメリカの越境EC規模

アメリカの越境ECは世界第2位の消費国である。EC市場においても中国に次ぎ2位であるが、そのポテンシャルはどうであろうか?
下のグラフは日本、中国を相手国とした場合の2019年まで越境EC市場規模予測を示したものだが、アメリカの2015年から2019まで越境EC成長率は1.57倍にまで拡大すると予想されている。

アメリカのポテンシャル

○アメリカのユーザーはどの国から買っているか?

paypalの資料によると、アメリカのユーザーが越境ECを利用する際、最も利用の多い国は中国(14%)。2位は英国(10%)、3位はカナダ(7%)、4位は日本(5%)、以下韓国(4%)、フランス(3%)、ドイツ(3%)、イタリア(3%)、スペイン(3%)、アイルランド(3%)となっている。
下のグラフにあるように、中国からの購入が14%と多く、その購入理由としては、やはり商品価格が安価であるというところが大きいようだ。そして、よく越境ECで利用するサイトはAmazonとeBayが多く、利用理由は、海外からの出店、品揃えが豊富なところがあげられている。

アメリカ越境ユーザー購入先の図

○アメリカユーザーはどのくらい越境ECの利用している?

下のグラフはアメリカと中国、日本の越境EC、国内EC利用率をグラフ化したものだが、アメリカの場合は国内越境ECを利用している割合が20%、海外の越境ECのみで買い物をする割合は2%となっている。これは、中国の国内越境ECと海外越境ECを36%に比べるとまだまだ、低いと言える。

越境EC利用率

●アメリカユーザーが越境ECで買っているもの

アメリカのユーザーが越境ECで買う商品

アメリカではどのようなものが越境ECで買われているのか?
アメリカでは和服も含め衣類、アパレル関連が47%、次に音楽、映像、デジタルゲームの29%、おもちゃ、玩具、フィギュア関連商品が28%と日本文化に関連する、和服、アニメなどの関連商品、民芸品など、アメリカ国内では購入困難な商品が高値で取引されている。

最近では、海外では手に入りにくい自動車関連の日本製パーツも人気の商品となっている。 アメリカユーザーが越境ECを利用して購入する理由は、まず、自国で日本の商品を買うより安いもの。そして日本国内でしか流通していない、日本独自の商品というところがポイントのようだ。

 

●アメリカの越境EC決済について

アメリカのオンライン決済で最も利用されているのは、クレジットカード/デビットカードの利用者45%、次にPayPal 15%、小切手9%、銀行振替6%などとなっている。
クレジット大国のアメリカではEC決済でもクレジットによる支払いが主流であるが、PayPal等のWEBオンライン決済サービスの利用はここ最近16%と増加傾向にあるようだ。

アメリカのオンライン決済の利用率

 

●アメリカの配送について

アメリカ国際配送サービスはFedExやDHL、EMSなど数多くの企業があるので、ニーズにより選ばれているといって良いだろう。
国際物流では、確実な配送を期待するならFedExやDHLなどを利用するのが一般的だが、これらの会社はサービスは信頼性は高いが、発送コストがかかり、何より通関手続きに時間がかかるなど、他のサービスと大きな差がある。
通関手続きに関しても、FedExやDHLで海外に荷物を発送する多くの場合は、一般通関となり、インボイスの税関手続きが必要となる。
一方、法人利用を目的としない場合はEMS(国際スピード郵便)で発送すれば、通関を簡易なものに変更が可能である。 日本から海外へ発送する場合はこの税関への事前申告、許可の必要のないEMSを利用するケースが大半である。

 

●アメリカでは本家Amazonの勢いが止まらない

米Amazonはオンライン業界では大きく拡大、進化を続けている。今年2月2日に米Amazonの決算が発表され、アメリカでは前期比20.7%増の1359億8700万ドル。日本円にして1兆4721億円(1ドル=108円で換算)となり大幅な増加となっている。 EC市場シェアに関しても、2016年は43%のシェアとアメリカのEC市場に君臨している。その一端を示す事象として、アメリカではこれまで商品を購入する際、Googleを検索して、米Amazonサイトへ流入するパターンだったが、現在は直接、米Amazonサイト内で商品を検索し、購入するパターンに変わってきているようだ。その割合を見ると2016年は52%まで上昇し、特に若者層の18~29歳のアメリカユーザーの63%はAmazonで商品検索しており、今後もこの状況は続くだろうと思われる。

アマゾンのオンラインの売上の比率

アマゾンを使うかGoogleを使うか

●まとめ

今、越境ECといえば、中国市場と巨大市場に目が行きがちであるが、中国はまだ、富裕層が越境ECを支えているに過ぎない。まだまだ、一般中間層が越境ECを利用するには全体的に貧しいというのが現状である。
一方、日本より一人当たりのGDPが大きいアメリカは日本の製品やサービスを購入することにおいてはハードルは低く、比較的容易にできるユーザーがほとんどだ。 越境ECで海外展開、海外販売をするにあたってはまず、アメリカをはじめ英語圏の市場ニーズに対して行うというのが基本となるだろう。

 

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