前回のブログに引き続き、今回は、越境ECでダイナミックプライシングを導入する際に役立つAIやツールについて調べてみました。その結果、以下のようなツールやプラットフォームが例として挙げられます。これらは、市場データをリアルタイムで分析し、価格を自動的に調整することで、さまざまな市場のニーズに対応できるよう設計されています。
越境ECではありませんが、実際にAIダイナミックプライシングを活用している企業の事例をご紹介します。
トライアル(スーパーマーケット): 福岡市の「トライアル Quick大野城店」では、約1万2000枚の電子プライスカードを全商品に導入。IoTとAIで需要と供給に基づいた価格調整を実施。
OYO(ホテルベンチャー): ユーザーの位置情報や需要に応じて、1日6000万回以上の価格調整をAIで実施。高い稼働率を達成。
福岡ソフトバンクホークス(スポーツ): 試合チケットでAIを活用した価格調整を導入。試合データや席位置ごとの需要を分析して価格設定。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(テーマパーク): 閑散日と繁忙日で価格差を付けることで、来場者数を平準化し顧客満足度を向上。
Grab(配車サービス): 需要や天候、道路状況に応じて運賃を調整。需要の少ない時は割安な価格に。
Amazon (ECサイト) : ECサイトで、商品需要や競合状況に基づき価格をリアルタイムに調整。
航空業界(ANA, JALなど): 需要予測に基づくフライト料金の変動。
AIツールの開発は世界中で進んでおり、今後さらに進化し、さまざまな業界での導入が拡大すると予測されています。越境EC事業者にとって、これらのツールは、多様な市場ニーズに素早く対応し、競争力を維持するための強力な武器となるでしょう。
AIを活用することで、市場ごとの需要や競合状況に応じた柔軟な価格設定が可能となり、越境ECの成功に直結します。ただし、ダイナミックプライシングを導入する際には、各国の法規制や文化的背景を十分に考慮することが重要です。たとえば、一部の文化圏では不吉とされる数字を価格に含めない配慮が必要な場合など注意しなければいけない点があります。文化的な面以外でも、それぞれの国の法規制を遵守することが求められます。
また、価格変動の理由を顧客に分かりやすく伝えることで、信頼を損なうことなく運用を進めることができます。こうした点を踏まえ、自社のビジネス規模やニーズに最適なAIツールを選定し、効率的で効果的なダイナミックプライシングを実現してみましょう。
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