Instagramの新しいEC機能「Shops」とは

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昨年のジャストシステムの調査では、Instagramはファッション系の情報検索がGoogleの検索利用率を上回ると言う結果が公表された。あの世界の巨大検索プラットフォーム、GoogleがSNSの一つであるInstagramに抜かれたのだ。
これは、スマートフォンユーザーに対して調査を実施したもので、流行ファッションの情報を何から収集するかと言った質問に対して、Instagramで収集するが最も多く29.4%、次にGoogleが28.3%と僅差でInstagramがGooogleを上回った。
男女別では、男性ではGoogleが多くなっているが、女性では、「Instagramで調べる」が35.7%と圧倒的に多くなっている。
そして、先週5月19日、Instagramは今夏アメリカにて「Instagram Shop」をリリースすると発表した。
今回は、女性に圧倒的な人気のInstagramのマーケティングや、広告、Instagram Shopなど調べてみた。

インスタグラムマーケティングとは

Instagramの国内利用者数は月間ユーザー数は3300万人、世界の月間ユーザー数は10億人となっている。
世界的にはFacebookが24.98億人、次にYouTubeの20億人、3位にInstagramが続いている。
Instagramの特徴は画像、動画の投稿によるものだが、ハッシュタグによる拡散機能と写真加工機能が充実してるため、ビジュアルによるマーケティングやPR、ブランディングに効果が期待できるところにある。
Instagramは20代30代の女性の利用者が多く、この年代の女性をターゲットとしたマーケティングを施策する企業は多い。

インスタグラムマーケティングとは、インスタグラムを利用し、プロモーションを行うマーケティング手法である。
企業のブランディング、商品認知拡大、販売など目的に応じて、「インスタグラマーによる販売促進」や「インスタグラム広告」、「インスタグラムキャンペーン」の実施など様々な手法がある。
それでは次にインスタグラムマーケティングで、よく利用されている「インスタグラム広告」について見ていこう。

インスタグラム広告は少額から始められる費用対効果の高い広告

インスタグラム広告とは、Instagramのタイムライン、ストーリーズに、写真または動画などの広告を掲載できるものである。
掲載するにはInstagramのビジネスアカウントが必要である。
最大の特徴はFacebook広告でも活用されている精度の高いターゲティング機能を利用できるところである。
つまり、FacebookとInstagramユーザーデータを対象にし、ユーザーの「所在地」「年齢」「性別」「言語」「詳細なターゲット設定」「つながり」「カスタムオーディエンス 」の7項目を詳細設定することで、ピンポイントで訴求したいターゲットに対して広告を打つことができる
また、インスタグラム広告の種類は、「写真広告」、「動画広告」、「カルーセル広告」、「ストーリーズ広告」、「コレクション広告」、「発見タブ広告」の6種類の広告パターンがある。
6種類にはそれぞれ、特徴があり、クリエイティブ条件、サイズなど規定があり、広告はその目的に合わせて、適切な広告形式を選択し配信する。

インスタグラム広告のクリエイティブのポイントとしては。広告らしくない自然なクリエイティブが求められる。
ロゴやコピー、説明文などは20%以内にするというルールがあり、あまり広告的な派手さ、意外性、Instagramの投稿との違和感などが無いクリエイティブの方がタップ率は高い。
また、インスタグラム広告の課金方法には、「CPM課金」、「CPC課金」、「CPI課金」、「CPV課金」の4種類の方法がある。
それぞれ特色があり、簡単に解説すると、「CPM課金」は広告が1000回表示されるごとに課金が発生するもの。
これは、とにかく多くの人にリーチさせたい場合に利用する。
「CPC課金」は広告の「詳細について」などタップされるたびに課金されるもので、直接サイトへ誘導を目的とする場合に利用する。
「CPI課金」とはアプリがインストールされるたびに課金が発生するもの。
「CPV課金」は動画広告のみの課金方法で10秒以上動画再生された場合に課金が発生するものである。
どの課金方法も広告形式と同様、広告の目的に合わせて使い分けるべきである。
広告の出稿料金は最低100円から行うことができ、費用対効果が高いと言われている。
多額の広告料を工面できない場合も、行っているビジネスが視覚的に訴求力のある商材なら、少額予算で大きな効果を期待できるだろう。

インスタグラム広告

インスタグラム広告は資金力以外で戦えるSNS広告であり、効果的なターゲットは、「若者」、「女性」、「個人」である。
そして、それらターゲットに対し、「自社商品の認知度を上げたい」、「自社ブランドを確立したい」、「商品をPRし、商品・サービスなど販売したい」、などに効果がある。
広告する商品・サービスも、Instagramターゲットに訴求できるビジュアルが前提となる。
具体的には、ファッション系、美容系、飲食、インテリア商品、ゲームやアプリ関連である。
若い女性が画像や動画をみて、「綺麗、可愛い、美味しそう、楽しそう、憧れる」など感性に伝わる情報や商材が適している。

新機能「Instagram Shops」とは

これまで、Instagramには「ショッピング機能」があった。自社のフィードに商品詳細タグを埋め込み、タップすると自社ECサイトへ遷移させることができる機能である。
既に述べたように女性の場合、流行ファッション情報など調べる場合はGoogleより利用率が高い傾向がある。検索したトレンド情報からシームレスに商品を購入できれば、Instagramの利用価値はさらに上がるだろう。
5月19日の報道では、まず、「Facebook Shops」の提供の提供が発表され、さらに今年の夏にInstagram内で商品購入を可能にする新機能が「Instagram Shops」が搭載されることが発表された。ここではその内容を紹介する。

5月19日、Facebookに「Facebook Shops」機能の提供をアメリカで開始したと発表した。これは新型コロナ禍でのEコマースの利用の増加を受けての動きでだろう。
FacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏によれば、「新型コロナウイルスのパンデミックは、健康上の緊急事態というだけでなく、人々が人生において経験してきた中でも「最大規模の経済的打撃である」とし、「このオンラインショップの開設によって、減少した売り上げのすべてが補填されるわけではないが、その緩和にはつながる」と述べている。
「Facebook Shops」とは、事業規模や予算に関係なく無料でFacebook上にオンラインショップを開設できるサービスである。
Facebook Shopsは、FacebookおよびInstagramの両方からアクセスでき、他にもInstagramでは、ストーリーや広告からもショップページへアクセスすることも可能となるようだ。
Shopsでは、ブランドイメージを表すカバー画像など、外観をカスタマイズでき、カタログから商品を選択することで商品を掲載できる。Shopsに掲載されている商品を閲覧したり、商品を保存することもでき、商品を注文するときはサービスサイトへ遷移し、注文することになるようだ。
また、アメリカにおいてチェックアウト機能を実装している場合は、アプリ内での決済が可能となっている。
さらに、Messanger、WhatsApp、Instagram Directなどのメッセージングサービスを介して直接ショップ運営者にメッセージを送信し、質問したり、サポートを受けることができる。将来的には、チャット内でもショップ機能を追加して買い物ができるように計画している。

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この夏、アメリカでリリース予定の「Instagram Shops」はInstagramのEC機能となるものだ。
ユーザーは@Shopで新しい商品と出会い、お気に入りのブランドやクリエイターのセレクトした商品を閲覧し、そのまま気に入った商品をInstagram上で購入することが可能となる機能である。
また、2020年後半にはInstagramに新たにナビゲーションバーにShopタブが追加され、ワンタップでInstagram Shopにアクセスできる機能も追加する計画もある。

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Facebookの発表では「我々は人々に買い物の楽しさを体験することができる場所を提供したいと考えています。また、中小企業がFacebook Shopsに適応することで、人々が好きなものを見つけやすく、買い物がしやすくなるようにしたいと考えています」と述べている。
Facebook、InstagramのSNSの巨人が本格的にEC事業に乗り出したと言っても良いだろう。

まとめ

InstagramやFacebook内に無料でEC Shopを無料で開設できるこのサービスは、新型コロナ禍で大打撃を受けている生産者、小売事業者にとって大きな救世主となるのかもしれない。
先日のニュースでも、大分県の「富士見水産」ではブランド食材「関あじ」をホテルや高級料亭に卸していたが、新型コロナに禍よる卸先の休業を受け、売り上げの8割が減少するに至った。
しかし、Facebook広告で『関あじを食べてください』と呼び掛けたところ、一般層の購入が相次ぎ、売り上げは持ち直したと言う。SNS広告とEC販売による事業好転の例である。
InstagramやFacebookのSNS上でECショップを開設できれば、さらにユーザーは便利に買い物ができるようになる。
「Facebook Shops」はまだ、アメリカでリリースされたばかりだが、今後、日本でリリースなど新たな発表にも注目していきたい。

参考:

 

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コメント / トラックバック1件

  1. Hada より:

    興味深い内容ありがとうございます。

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