新型コロナ禍 南米で急成長するメルカドリブレとは

タイトルイメージ画像

今、南米のECサイトで最も人気のあるEC企業はどこか?
それは、Amazonではなく、メルカドリブレというECモールサイトである。
このメルカドリブレは株価的にも注目されており、新型コロナ禍でのロックダウンによる巣ごもり消費の恩恵を受け、5月のEコマースの売り上げは70.5%(前年同月比)も上昇した。
南米のインターネット普及率は、まだまだ発展途上であるので、今後はさらに拡大成長すると思われる。
今回は、このAmazonをも凌駕する南米トップのメルカリドリブレのEコマースの強みなど調べてみた。

メルカドリブレ(mercadolibre)とは

「メルカドリブレ」とはスペイン語でフリーマーケットという意味を持っている。
メルカドリブレは1999年、アルゼンチンはブエノスアイレス出身のマルコス・ガルペリン(Marcos Galperin)氏によって設立された。
マルコス・ガルペリンは創業時はまだ、大学のビジネススクールに在学中だったようだ。大学はあのスティーブジョブスも籍をおいていたスタンフォード大学である。
メルカドリブレ社は、現在、アルゼンチンをはじめブラジル、メキシコ、コロンビア、チリ、ウルグアイなど世界18か国にEコマースを展開している。
そのうちの多くは、ブラジルからの売り上げで、全体の65%を占めている。
また、登録者は南米の人口6億4,400万人のうち、2億8,000万人のユーザーを持ち、2019年の自社EC決算高は、前年比16%増の131億ドル(約1兆4060億円)となっている。

メルカドリブレの決算

今年新型コロナ禍で、南米では厳しいロックダウンが実施された。
人々は外出できない中、これまでEコマースを利用していなかったユーザーがメルカドリブレの便利さに触れ、売り上げは拡大、2020年第1四半期の決算発表では、ブラジルでの売上は55%増加、アルゼンチンは123%増加、メキシコの売上は81%増加、さらにナスダックの株価は19.18%増加の740.02ドルを記録した。
南米トップのECモール「メルカドリブレ」の強みとは何か次にまとめた。

Amazonに負けないメルカドリブレの強みとは

メルカドリブレの商品は、Amazonと同様で新湯ジャンルの商品が揃っている。しかし、Amazonとメルカドリブレの「どちらがより便利か」とユーザーの回答は50人中48人がメルカドリブレと回答する。メルカドリブレの強みはどこにあるのかまとめた。

メルカドリブレ独自の決済システム

日本ではAmazonの存在は大きいが、南米ではメルカドリブレである。その理由の一つはECで商品を購入した際の決済方法にある。
南米では現金主義で、未だ銀行に口座を持たない人も多い。そのような南米市場に合わせて、クレジットカードや現金がない人でも、Eコマースを利用できる決済システムを作っている。
メルカドリブレ独自の決済サービスは「メルカドバゴ」とよばれ、この事業は今ではメルカドリブレの大きな収入源ともなっている。
「メルカドバゴ」の決済サービスはQRコードなどを用いたファンテックサービスとなっており、実店舗でも利用できるPayPalのようなサービスである。
一方、Amazonはアメリカのクレジットカード決済をそのまま持ち込んでいるため、南米ユーザーの支持を獲得していない。やはり「郷に入っては郷に従え」なのである。

楽天も参考にした、メルカドリブレの送料無料サービス

さらに、メルカドリブレは配送システムもしっかりしている。荷物追跡、紛失補償も提供しており、配送インフラが未成熟な中南米においても、配送スピードも早くほとんどの商品は2〜3日で到着する。これは、配送量の約半数を自社物流によって配達されているからである。
また、ユーザーは「メルカドエンビオス」を使用すると、30ドル(約3200円)を超える商品購入の場合、送料無料で配送される。
これは、メルカドリブレ会員向けサービスで、一定額以上の購入で送料を無料にするサービスである。
このサービスは、2017年にブラジル、メキシコに導入され、2018年にはアルゼンチンでも実施された。
一定金額以上を無料配送することで、59%のユーザーが利用頻度が増加したと答えている。
そして、日本の楽天が2020年より実施している3980円以上送料無料サービスは、このメルカドリブレの一定金額以上送料無料サービスを参考にしているようだ。
ただ、楽天との大きな違いはメルカドリブレの場合、売り上げが2,500ドル(約27万円)を超える店舗についは送料無料となっても、最大50%をメルカドリブレが補填してくれる点にある。
メルカドリブレでは出店する企業に対してもネット広告支援やファンテックや、ロジスティックス面で支援するなど、様々なサービスを用意している。

まとめ

今、南米では新型コロナ禍以降、経済活用を再開しているが、ブラジルでの1日の感染者は連日3~5万人ペースで感染拡大が続いている。
新型コロナウイルスの感染拡大は、南米におけるデジタル経済の主要なプラットフォームとしてのメルカドリブレの地位を強化する結果となった。
Amazonをも凌ぐ、その背景には、クレジットカードや、銀行口座がない人が多いという事情に対応する決済ファンテック、送料無料サービス、さらに自社配送による安定した物流ロジスティックスにあるようだ。
今後、新型コロナが収束しても、消費者はオンラインチャネルに止まると予測され、「メルカドリブレ」の南米での快進撃はさらに続くだろう。

参考:
南米Eコマースの覇者、メルカドリブレを徹底解説
〈南米ルポ〉楽天が参考にした「メルカドリブレ」のリアル 第1回 送料無料化で成長流通総額は1.3兆円

関連する記事

猛威をふるう新型コロナ 世界のECマーケットへの影響は?... 世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症、未だに事態の収束が見えない状況である。 日本においては4月7日、政府より7都府県を対象に緊急事態宣言が発令、感染の爆発的拡大を防止するため、多くの業種や市民に対して自粛要請がなされた。 世界においては、さらに厳格な自粛、いわゆるロックダウンと...
新型コロナ前と以降、変わったのは消費者意識とネット利用... 2021年、年明け早々の1月7日「緊急事態宣言」が一都三県に発令、14日には栃木、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡にも拡大された。 2021年、年頭の1月、2月は、この緊急事態宣言の外出自粛などの影響で、消費支出はますます低迷することだろう。 昨年2020年は新型コロナの感染拡大の影響...
もう そこまで来ているVRコマース 2018年5月9日(水)~11日(金)東京ビックサイトで開催された「Japan IT Week 春 2018」は1,666社、来場者数、102,441名と大盛況だった。 弊社のLive Commerceブースにも多くのお客様が足を運ばれ、接客、商談などさせていただいた。 この「Japan...
ダイナミックプライシングが越境ECに与える影響... ダイナミックプライシングとは? ダイナミックプライシング(Dynamic Pricing)は、需要と供給、競争状況、消費者の行動データなどをリアルタイムで分析し、商品の価格を最適化する戦略です。この方法は、販売機会を最大化しつつ利益を確保することを目的としており、航空券やホテル予約業界で広く活...
2018年 国内EC市場,越境EC市場 成長は鈍化傾向... 5月16日、経済産業省は「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態、及び日米中3か国間の越境電子商取引の市場動向について、その内容を公表した。 「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」の...
2019年 国内BtoC-EC市場は7.65%増、越境EC市場も堅調に拡大... 7月22日、経済産業省より2019年(令和元年度)の「内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業」(電子商取引に関する市場調査)報告書が公表された。 この報告書は、毎年1回経済産業省が、前年度の日本のEコマースについてまとめたもので、今年も2019年の日本のBtoC、CtoC、B...

タグ: , ,

コメントをどうぞ