2015年のMMD研究所の調査では、スマートフォンの所有率が6割を超え、スマートフォンはSNSアプリを利用したコミュニケーションツールとして必須の存在となっている。また、スマートフォンを所有する15歳以上60歳未満の男女を対象にネットショップの際に利用するディバイスについて調べた結果によると、スマートフォンが圧倒的に多い結果となった。
そこで今回は、スマホECサイトの画面デザインで、どのような部分でユーザビリティの工夫がなされているかを見ていきたい。とりあげるECサイトはアマゾン、楽天、zozotownの3サイトで、あくまで消費者目線で「使いやすい部分」「使いにくい部分」などのユーザビリティのポイントなどを比較整理してみた。
2015年のMMD研究所の調査によると、ネットショッピングをする際によく利用するディバイスについてのアンケートをとったところ、「スマートフォン」と回答した人が70.5%となり、利用年代で高いのは10代という結果となっている。
また、スマートフォンで買い物をするのは、女性が多く、PCでの買い物は男性が多い傾向にあることがわかった。インターネットの利用時間などの調査でも、スマートフォンが70%と高い利用率で、インターネット・ディバイスとしては、確実にPCからスマートフォンに変化した感が強い。
今回は3社のスマホECサイトを例に、どのようなところでユーザビリティの工夫がされているか、「どこが使いやすく」、「どこが使いにくいか」など消費者目線で、ポイントを絞り見ていきたい。今回はトップ画面と商品画面、購入ボタン画面を比較してみた。
①検索窓は3社、共通した内容になっている。検索ボックスの入力ボックス内にはメッセージがある。これがあることで、検索ボックスであるとい認識が高くりスムーズに入力を促すことができる。
②のナビゲーションアイコンは楽天とZOZOTOWNがピクト+文字で視認性もよく、分りやすい内容になっている。
③の一番にお知らせしたい情報は3社同じで検索窓の下に配置し、ZOZOTOWNのセール内容が目立っている。
④商品画像はZOZOTOWNの画像表示が最も大きく、商品の細部を確認できる。
また、Amazonや楽天は別角度からの商品画像を見ることができる。このように多くの画像を閲覧できることで安心して買い物をすることができる。
⑤の商品購入ボタンの大きさはZOZOTOWNが最も大きい。Amazonは他に比べ高さはないが立体的な表現でボタンとしての視認性が高い。
⑥のSNSでのシェアボタンについては、Amazonはマークのみだが、楽天はピクト+文字でこちらもナビゲーション同様に視認性を高めている。
今回はスマーフォンでのECサイト3社を比較したが、そのサイトも綿密に考えぬかれた結果のデザイン、つまりユーザビリティであることがわかる。どのサイトもシンプルな構成で色調などもクールなものになっておりビジュアルとテキストの関係も程よいものになっている。
特にAmazonは白をベースとしたクリーンなイメージとシンプルな構成。さらに、テキストや色調を最小限におさえることで、スマートフォンの特徴や制約に考慮されたものになっている。