モバイルサイトの検索エンジン対策上、絶対に避けたい5つの間違い

2011年末、Googleはスマートフォン版 Googlebot-Mobile を導入しました。スマートフォンユーザーを意識した初めての動きです。限られたスマートフォンの表示画面で、PCサイトと同様のユーザーの検索体験を提供する目的から、「PCサイトとは異なるルールを適用します」と示された瞬間でもあります。
それから1年半が経ち、2013年6月11日、急激なスマートフォンユーザー層の拡大をうけて、Googleはスマートフォンユーザーの検索体験の向上を重要視する旨を発表しました。

今回は、近々予定されているランキング変更により、誤った設定をしているスマホサイトは影響を受ける事が考えられるので、その事例を示しました。Googleの意図するところを見ながら、もはやECサイトにとっても見逃すことのできない、今後のスマートフォン対策について考えてみましょう。

誤った設定とされる2つの事例

「間違ったリダイレクト」

スマホサイトとPCサイトを、別のドメイン(URL)で運用している場合に想定される事例です。PCサイトのページに着地したスマホユーザーを、機械的にスマホサイトに誘導(リダイレクト)するとき、そのユーザーの検索意図に沿わないスマホページに誘導するのは「間違い」です。適当なスマホサイトのページが無いならば、検索意図に沿ったPCサイトのページを表示しましょう。

「スマートフォンでのみエラーが発生する」

(1)PCサイトのドメインページ(URL)に、スマホユーザーがアクセスすると、エラーが表示されるときがあります。対応したスマホページに誘導するか、それが無いのなら、検索意図に沿ったPCサイトページを表示しましょう。
(2)PCサイトで再生可能な動画が、スマホサイトページでは再生できないときがあります。端末やOSに依存するAdobe Flashを必要とする動画コンテンツの使用は避けましょう

さらに注意が必要な3事例

「アプリのダウンロードをすすめる広告の挿入」

スマホでページをダウンロードしている間や、ページからページに遷移するタイミングに、アプリのダウンロードを促す広告が挿入されることがあります。ダウンロードをすすめるときは、ページ内にシンプルなバナーを設置することを推奨します。

「不適切な相互リンク」

PCサイトとスマホサイトとを相互にリンクするとき、コンテンツ内容に相違があるページにリンクを張るのは「間違い」です。

「ページの速度」

PCよりも通信速度が遅いスマートフォンにおいては、スマートフォン向けにページ表示速度を最適化する必要があります。例えば、画像が多すぎると読み込みに時間がかかるので避けるべきです。また、小さな画面でたくさん文字を打たなくてもいいように大きくて扱いやすいボタンを用意するなど、ユーザーが素早く操作できるユーザーインターフェースを構築することも必要です。

まとめ

今回のメッセージは、スマートフォン向けページが無いことや、最適化されていないことが問題なのではなく、適切ではないページに誘導することを警告しています。ユーザーとして考えれば、意図しないページに飛ばされることほど苦痛なことはありませんよね。

もしそのコンテンツがスマートフォン向けに最適化された形で存在していない場合でも、関連性の低いページにリダイレクトするよりも、リダイレクトをしないでそのコンテンツが載ったデスクトップ環境向けページを表示させる方がよい。

(引用)Googleウェブマスター向け公式ブログより

さらにGoogleは、2013年3月に「携帯端末に最適化されたウェブサイトの構築方法」を紹介しています。そこでは、サイト構築の方法としてレスポンシブウェブデザインが推奨されています。これは、以前にも紹介しましたがレスポンシブウェブデザインに早期に対応することで、URLの統一ができるため、デバイス毎にリンク先を変更して「間違いを犯すリスクを軽減できるからです。
スマートフォンユーザーに対して、PCサイトページを表示することで、「サイトが最適化されていない」と判断されることに不安を抱くサイト管理者も多いのではないでしょうか。スマートフォンでECを利用している人が年々増えていることからも、今回のGoogleの動きを見逃すことはできません。ランキング変更の影響を受ける前に、リンク先ページの見直しと修正を行ないましょう。

関連する記事

ホリデー・シーズン到来!世界のモバイル・コマース事情... お歳暮、クリスマス、お正月…と消費熱が高まるこの季節、海外では感謝祭(サンクスギビング:11月第4木曜)やクリスマスなど、多くの国がホリデー・シーズンに突入する時期でもあります。 そこで、最近急速な伸びを見せている、タブレット端末やスマートフォンからのEコマース、いわゆるモバ...
モバイルECプラットフォームの特徴でみる、今後のモバイルEC像について... MM総研の調べによると、2014年度にはスマートフォン出荷台数比率が8割を超え、スマートフォン契約数がフューチャーフォン契約数を超えます。モバイルECに影響を与えるのは確実となりそうです。これまでEコマースサイトを起ち上げるにはPCサイトからというのが普通でしたが、今後はむしろモバイルサイトしか持た...
ミクシィがスマートフォン向けDSP事業に参入。ミクシィの勝算は?... 昨年より、スマートフォンに対応したDSPサービスが各社からリリースされています。 このような中で、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「mixi (ミクシィ)がこのスマートフォン向けDSPサービスに参入しました。 DSPサービスとは、広告主の広告効果の最大化を支援するためのサービス...
スマートフォンが開く新しい「クレジットカード決済」の時代... 平成24年3月のデータですが、クレジットカードの発行枚数は3億枚を超えました。ひとりあたり3枚以上所有している計算になります。(参考:社団法人日本クレジット協会) この枚数は、クレジット決済大国のイメージを持たせますが、実は個人消費に対するクレジットカード利用率は1割程度に過ぎません。(参考:社団...
EコマースとMコマースの違いとは? 最近のショッピング事情と言えば、従来の店舗に行って実際に商品を手に取ってレジで並んで購入するスタイルではなく、オンラインで好きなものを自由な時間に購入するスタイルにシフトしているようだ。 各個人ののショッピングスタイルの好みによるが、まず、オンラインで購入する場合、一般的に知られているEC...
スマホ・タブレット最適化に「レスポンシブWebサイト」がベストな理由... スマートフォンやタブレットの利用者数の増加にあわせ、Webサイトへのアクセス数のモニタリングから「スマホ最適化の必要性」を実感している人も多いでしょう。 昨年あたりからレスポンシブWebデザインとよばれる、PCやスマホ、タブレットなどあらゆるデバイスに対応するWebページ制作の手法が増えてきました...

タグ: , ,

コメントをどうぞ