[初心者向け] 越境ECマーケティング 何をすればよい?

越境ECマーケティングについて初心者にもわかりやすく解説します。

日本マーケティング協会のWEBサイトによると、「マーケティング」とは

顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。

マーケティングとは、顧客や社会に価値を提供するためのプロセス全体のことを意味しています。

ただ、価値を提供するプロセス全体となると、広義の意味で言えば製造から最終的な価値を届ける販売までも含まれてしまうと思います。

これではあまりにも範囲が広く、具体的に行動に結びつけることが難しいため、越境ECにおけるマーケティングの定義としては、「外国人」という主語を追加して、「外国人にとって商品価値を広く浸透させるプロセス全体の活動」としたいと思います。

基本的に越境ECはあくまでもネット通販の範囲なので、物理的にモノに触れたり匂いを感じたりすることはできません。ネット通販というできることが限られた範囲の中で「外国人に商品価値を浸透」させることを考えれば、「広告」と広告後にユーザーが閲覧する「コンテンツページ」が重要なポイントになってきます。

広告は自動化されている

そこでまず、越境ECマーケティングの施策を考えるうえで重要なのが、「広告は自動化されている」という前提で話を進める必要があると考えています。

今から25年前、Googleやmetaの広告がまだ存在しなかった時代、つまりインターネット広告がなかった時代は、広告を作るコピーライターという仕事が(今もありますが)存在し重要でした。コピーライターの力量によって商品が売れるか否かが大きく左右された時代だからです。

今の時代は明らかに異なります。

結論から言えば、広告経験のない素人が作成した広告でも、そこそこの成果を出すことができます。なぜ?

これはインターネット技術によって、顧客ターゲットのフィット&ギャップが起きづらくなっているため、素人が書いた文章でも、ターゲット層にメッセージを届けることができるようになったためです。

例えば、千葉県に住んでいる30代女性で主婦の方というような細かい対象でも、インターネット広告であればメッセージを届けることができるというものです。ここまでターゲットを絞り込みされているおかげで、素人でも成果をだすことができます。

今の時代は、CHAT GPTもあるため、人工知能にアイディアを考えてもらい、ターゲット層が好むような広告文を作ってもらうことだってできてしまいます。

まず、これが越境ECマーケティングの「広告」の価値を考える時に、前提となる事実です。

私が言いたいことは、広告の配信技術がGoogleやMetaによってパフォーマンス最大化されるようになった今日では、広告をプロに頼んでお金をかけて作ったとしても、2倍、3倍、、、ほどの差はつかないと言いたいのです。

私がネット広告をやり始めて早10年、時代の進化とともにその差はどんどんなくなってきており、プロのコピーライターと素人でせいぜい1.5倍程度の差ぐらいしかつかなくなったと思います。(あくまでも個人的な肌感です)

広告の作成にお金と時間をかけるのであれば、それはあまり良い投資とは言えないと考えています。

それよりは、広告を見た後に、ユーザーが閲覧する「コンテンツページ」を作り込むことに時間を使った方が良いと考えています。

この考え(広告は自動化しており、顧客ターゲットのフィット&ギャップはますますよくなっている)が乏しい人は、Googleの広告をよく勉強されることをお勧めします。

コンテンツページの価値とは何か

では、ユーザーが広告をクリックした後に閲覧する「コンテンツページ」、ECサイトにおいては、商品個別ページを意味しますが、このページでユーザーが感じる価値とは何でしょうか?

amazon で皆さんお買い物しますよね。

なぜ、amazon なのでしょうか。

1、翌日に届くから。

2、在庫があるから。

3、価格がお手頃だったから。

4、レビューが豊富にあるから。

5、欲しいものの在庫があるか。

6、レコメンドで新しい発見があるから。

7、商品画像が豊富にあったから。

だいたいこんなところではないでしょうか。

逆を返せば、以下のようなことをいう人は少ないはずです。

商品説明の文章が分かりやすかったから

商品説明のデザインがきれいだったから

私たちが amazon に感じている価値は、販売している商品自体の価値よりも、商品が流通される過程にある価値です。

amazonはメーカーではないので、商品が持っているメーカーの理念までを届けることはできませんよね。

商品を買うときに毎回メーカーの理念を見ている人なんて、ほとんどいないと思います。amazon は流通を最適化し、それがユーザーに価値となっているわけですよね。

ということで、なんとなくわかってきたでしょうか。

コンテンツページの価値とは、売り手がメーカーなのか、amazonのような小売店なのかによって、異なるということです。

売り手がメーカーの場合のコンテンツ価値とは

売り手がメーカーであれば、コンテンツとはおのずと決まってくると思います。

1、開発に至った背景

2、開発苦労話

3、製品の特長(動画など)

4、ブランドの背景

その商品を生み出す過程で、どんな背景があったのか、これはメーカーでないと作ることができないコンテンツですよね。

これが、ユーザーが感じる価値と言えるのではないでしょうか。

苦労話からどうやって成功にたどり着いたのか、その物語全体がブランド力にもつながり、ユーザーの信頼や価値を感じるポイントになるはずです。

売り手が小売店の場合のコンテンツの価値とは

1,価格

2、売り手の商品知識が豊富(店長の商品知識が豊富)

3、お店で買った人のレビューが豊富

4、在庫がある

5、納期が早い

だいたいこんな内容だと思います。

価格、在庫、納期は実際のところ小売店の力もありますが、その納期を支えているのは物流会社であり、価格の元になるのは問屋の卸値です。

では、唯一無二の小売店が持っている本質的な価値とは何かといえば、以下の2点ではないでしょうか。

・売り手の商品知識が豊富(店長の商品知識が豊富)

・お店で買った人のレビューが豊富

店長が持っている豊富な商品知識や、その知識をベースにしたFAQコンテンツの量、また顧客から愛されていることが分かるレビューの数です。

まとめ

越境ECマーケティングというと、いかにも広告戦略やSNS戦略、インフルエンサー戦略の方が注目されがちですが、本質は何か? を常に考え続けていれば、やるべきことはそれほど多くはないということが分かったと思います。

当社が運営している越境ECモール Discovery Japan Mall は小売店です。上述した通り、当社は小売店ですから、商品で差別化することはできませんが、以下の2点であれば競合他社よりも圧倒的に差をつけることができます。

・売り手の商品知識が豊富(店長の商品知識が豊富)

・お店で買った人のレビューが豊富

WEBサイトには他社にはない店長が独実に作り込んだ商品コンテンツが豊富であり、お店で買った人のレビューが豊富にあるというのが想像できると思います。

当社は小売店というポジションですから、私が過去1年間、ユーザーからの質問に答え(それをFAQで公開し)、ユーザーの口コミをレビューとして掲載した結果、過去12ヶ月で3倍のアクセス数になっています。

以下の通り、効果がでましたね。

広告の相乗効果もあり、このようにおかれた立場に応じてマーケティングの本質が分かれば、何をやればよいのかが明確になります。

すると、アクセス数を広告で集めるほど、越境ECサイトに投稿されるFAQの数もレビューの数も増えることになり、それ自体がWEBサイトの価値を押し上げWEBサイト全体としての検索数やクリック数が増えるというのが分かると思います。

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