平成24年3月のデータですが、クレジットカードの発行枚数は3億枚を超えました。ひとりあたり3枚以上所有している計算になります。(参考:社団法人日本クレジット協会)
この枚数は、クレジット決済大国のイメージを持たせますが、実は個人消費に対するクレジットカード利用率は1割程度に過ぎません。(参考:社団法人日本クレジット協会 )
これは、顧客のクレジットカードでの支払いを可能にするのに際して、中小・個人事業主側に費用面や信用面において導入を見送らざるを得ないケースが多いことと大きな関係がありそうです。
そんな中、スマートフォンがカードリーダーとなりクレジット決済が利用できる「Paypal Here」が日本国内で本格的にスタートしました。今回は、クレジットカード会社と加盟店契約を結ぶことなく、スマートフォン・ユーザーであれば利用できる、3社の「クレジットカード決済サービス」について紹介しましょう。
世界最大オークションサイトeBayの子会社であるPayPalの日本法人と、ソフトバンクモバイルが提供する「PayPal Here」。初期費用はカードリーダー購入費用として1,200円、月額利用料は無料です。その他にかかる費用は、クレジットカードの決済手数料として5%のみです。小型のモバイルプリンタも用意されており、紙のレシートが必要な店舗のニーズにも対応しています。PayPalアカウントを所有していれば、即日入金されるのも大きな特徴です。ただし、ソフトバンクのキャリア以外は利用できません。
楽天が提供する「楽天スマートペイ」。初期費用は2,980円(カードリーダー費用含)、月額利用料は無料です。クレジットカード決済手数料として4.9%が必要です。申込みから最短3営業日で導入できる点は店舗にとっては大きなメリットです。また入金までのサイクルも翌日とスピーディであることも見逃せない魅力です。楽天の最大の強みである楽天ポイントとの連動がスタートすれば、ユーザーに利用される可能性は大きいです。
初期費用、月額利用料ともに無料です。クレジットカードの決済手数料が4%と、最も安いのが特徴です。ただし、入金サイクルが月1回なので、店舗側としてはキャッシュフローに注意を要します。ちなみにCoineyは、Paypal日本法人の起ちあげに参画した人物が立ち上げたスタートアップ企業です。今後、少人数ならではのスピード感と機動力で、他社と比べてどのような優位性を築いていくか、注目したいところです。
各サービスともクレジットカード会社と加盟店契約を結ぶ必要がなく手数料も比較的安価なため、中小規模の事業者や個人事業主にとって、クレジットカード決済の導入障壁が低くなるのは確かです。楽天スマートペイによると、これまでクレジットカード決済の導入が遅れていた業種、業態への利用促進が進んでいるようです。(参考:payment naviカード情報ポータルサイト)スマートフォンによるクレジットカード決済サービスは、スマートフォン利用ユーザーの増加と共に成長していくでしょう。
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