越境EC 韓国の集客ポイントは?

イメージ画像

先週2月9日から、4年に一度の”冬の祭典”冬季オリンピックが、韓国、平昌で開幕した。 日本人選手のメダルラッシュが伝えられる中、今回の入場式では、選手団のスマートフォンでの撮影シーンが目立っていた。
これは、韓国Samsung Galaxyが、IOCと共同で出場選手や大会関係者全員に4,000台以上の限定スマートフォンを配布し、選手らがそれらを活用し入場したたたためである。 開会入場式は選手や大会関係者、そして家族、友人の間で、スマートフォンでコミュニケーションを深めるという和やかな演出となっていた。
一方、韓国は日本より、インターネット普及率が高いということをご存知だろうか。韓国のIT企業の大手、Samsung 、LGは世界的にも有名だ。
今回はこの韓国EC市場のマーケティングの特徴などについて見ていこう。

 

●韓国の基本情報

  • 人口:5,125万人
  • 面積:100,399k㎡(日本の約1/4、北海道より少し広いくらい)
  • 通貨:ウォン (1000ウォン=約100円)
  • GDP:1兆4,110億ドル(世界第11位)
  • 大卒初任給:2,228ドル(約26万7800円)(主要アジア諸国では第1位)
  • 言語:韓国語
  • インターネット普及率:92%
  • インターネット利用人口:4,500万人
  • スマートフォン普及率:92%
  • EC市場規模:64兆9,134億ウォン(約6兆3,000億円)(日本の市場規模は15.1兆円)
  • EC化率:18%(日本のEC化率は5%)
  • ECを通じて商品購入経験者:2,500万人(57%)
  • 越境EC市場規模:約4.6兆円

韓国のインターネットは世界最速を保持している。韓国ECの特徴はスマートフォンからの購入率が高い為、スマートフォン対応のサイト構築が必須である。 また、韓国には独自の検索エンジンがある。シェア率60%、ユーザー数3700万人の「NAVER(ネイバー)」である。
その為、海外から韓国向けECの集客を行う為には、この「NAVER」の検索順位を高めるのが近道となる。

 

●韓国NO.1 検索エンジンNAVERとは?

NAVERのサイト検索画面

越境ECで海外集客するには、まず、その国の人々がどのように、ITを利用して情報収集しているかをを押さえることが第一である。 韓国のITによる情報収集はGoogleではなく、「NAVER」という検索エンジンが最も利用されている。 商品情報や、越境ECサイトを韓国語で構築していても、この「NEVER」で検索優位性がないと、集客することはできないだろう。
この検索サイト「NAVER」の特徴は、Googleのようなサイトの検索結果が順位表示されるものではないということだ。 例えば「NAVER」で”越境EC”と検索すると、検索結果はカテゴリーでごとにサイト内容が表示されている。
カテゴリーは上から、ニュース、知識(Yahoo!知恵袋のようなもの)、画像、ブログ、動画など順番で表示され、日本のようなSEO対策は通用しないということが分かる。 企業サイトが表示されるのは、ブラント名や企業名を直接入力検索した時のみで、それ以外はほとんど上位に表示されることはない。
それでは、「NAVER」に露出するにはどうしたら良いか?  韓国の集客には、大きくは2つ、「リスティング広告」と「NAVERブログ SEO」を施策することである。

 

越境ECをNEVERで検索

 

●NAVERリスティング広告

NAVERの集客で最も成果が上がる方法は「NAVERリスティング広告」を出稿することである。リスティング広告は検索キーワードに応じて広告が最大20個表示される。
下の画像は「iphone おすすめ」と調べた際の検索結果だが、検索結果ページの最上位に、黄色く広告エリアとして区別され、視認性が高いのが特徴だ。
このNAVERリスティング広告のポイントを下記にまとめた。

  • 課金方法:クリック課金
  • 表示ロジック:キーワード検索連動型+コンテンツ連動型
  • デバイス:PCとモバイルの同時入札
  • 広告順位決定:入札単価×品質コア
  • 最低入札単価:70KRW
  • フォーマット:テキストのみ
  • マッチタイプ:完全一致のみ(広告主が指定した言葉に一致した言葉が検索された場合のみ広告が表示される仕組み)
  • 広告規定:タイトル15文字以内、紹介文45文字以内、キーワード25文字以内、リンクURLはサイト登録時のURLなど
  • ターゲティング:曜日、時間帯、エリア

Iphoneを検索した場合

 

●NAVER ブログ SEO

リスティング広告の次に集客手法として有効なのが「NAVER ブログ SEO」、つまり、NAVERのフォーマットで作成したブログを投稿することである。 検索結果にもあるように、ブログカテゴリーがありそこに個人のブログ項目が結果として表示される。
これは、韓国人の情報収集の第1位が個人のブログ(54.2%)、2位 SNS(22.8%)といところからきているようだ。 つまり、韓国人は調べ物や情報収集する時、ブログを読む文化が形成されいるのである。 次にNAVER ブログのライティングポイントをまとめてみた。

1.記事を沢山書き毎日更新する

検索結果として表示されるブログコンテンツは、どれも新しいものが多い。 上位表示させるには記事を継続的に更新することが望まれる。

2.記事の中にキーワードを盛り込む

韓国の言葉には言い回しが、複数あるものが多く、複数の言い回しを全てをキーワードとして、文章に盛り込むことが重要である。 韓国ではSEO対策を行う際には、見込み客が検索する キーワードを考えうるだけ記事の中に盛り込まないと、別の言い回しで検索した ユーザーを取りこぼしてしまうという特徴がある。

3.画像をたくさん使う

記事内にオリジナル画像を多用することもポイントである。美しい写真や画像はユーザーのクリック率、滞在時間に大きく影響する。

 

●2018年1月、韓国消費者が越境ECで購入しているもの

韓国消費者が越境ECを利用して商品を購入する割合がもっとも多いのは、25~34歳の年代層で、46%を占めている。購入相手国は主にアメリカ、日本、中国となっている。 購入の動機は、製品に品質と割安な価格となっており、良く売れる商品は衣料品、食品などである。
今回、Live Commerceご契約のお客様が販売している商品で、先月、多く注文があった商品にはどんなものがあったのかを調べてみた。
特に多かったのはファッション関連商品だった。さらに酒類、化粧品なども多く購入されていた。

韓国で売れている商品

 

●まとめ

韓国での 越境ECで集客する為のか基礎知識やNAVERのリスティング広告、NEVERブログなどについて説明した。 韓国は中国同様、日本や欧米と違い検索Googleのシェア率は低く、モバイル検索シェア率では54.8%のNAVERが圧倒的に強いお国柄だ。
プロモーションを行うにはこの「NAVER」の仕組みを熟知し、集客につなげることが重要なようだ。
さらに、韓国ではFacebookやkakaostoryといったSNSが非常に浸透しているので、それらも活用しつつ、越境ECプロモーションに取り組んで行っていただきたい。

 

出典:https://ferret-plus.com/8321など

関連する記事

ドイツ、スウェーデン、ルクセンブルクの2015年のEコマースをレポートする... ドイツでのオンラインやメールオーダーの注文による売り上げが昨年度より12%も増加している。この増加 は、店舗での販売を大幅に超えている結果となり、成長率は3.1%、2015年のドイツでのオンライン販売総売り 上げは598億ユーロという莫大な金額だ。 今回はドイツ、スウェーデン、ルクセンブルグ...
海外販路拡大を支援する最新補助金・助成金情報(2021年1月)...   2021年、明けましておめでとうございます。本年もLive Commerceを宜しくお願い致します。 2021年の干支は十二支で言うところの「丑年(うしどし)」である。 丑年は、先を急がず目前のことを着実に進めることで将来の成功につながると言われている。 コロナ禍が...
海外発送で送れない注意すべき禁制品... 越境ECでは、そもそも、その商品が「送れるのか、送れないのか」まず最初に確認すべきである。 まず、「航空危険物」は送れない。さらに、各国や地域によっては、法律や条例などで輸入を禁止している品目がたくさんある。 今回はEMS(国際スピード郵便)のサイトを参考に、海外へ発送出来ない品目(禁制...
越境ECで売り上げ好調なサイトは? 越境ECで海外に販路を拡大しようとする企業が増えている。越境ECとは日本から世界に向けネット販売することだが、言語、物流、決済、クレーム対応などの問題をクリアすれば、世界に向け消費者を開拓することができる。これからは、この市場はさらに拡大し、品質や価格面だけではなく、きめ細やかな顧客対応、商品数...
ebay.comで人気の日本の商品(2016−Sep)... 前回、6月にも行ったが今回も引き続き、世界的に有名なアメリカのオークションサイトebay.comでは今、どんな日本の商品が売れているか? 9月27日にキーワードを"japan"として約300点ほど調べ、グラフ化した。ただし、調べる日時によっては内容に差異があることを了解...
今さら聞けない?新マーケティング用語... Webマーケティングではその概念や用語が日々進化し、新しい用語であったり、マーケッティングの仕組みやニュアンスといったものが変化している。そのスピードは速く、その中身もさまざまに多義化し難しいものになっているようだ。 今回は、そのマーケッティング用語として昨今、新しい概念として定着した感のあ...

タグ: , ,

コメントをどうぞ