ベトナムの越境ECの現状と未来

ベトナムの越境ECの現状と未来

  1. 現状: 成長著しい市場

ベトナムは、東南アジアにおいて越境EC(電子商取引)の成長が著しい国の一つです。2023年、ベトナムブリーフィングによると、全体の人口は9,885万人、特に、若い人口構成とインターネット普及率の高さが、この成長を支える要因となっています。2023年現在、ベトナムのインターネット普及率は約82%を超え、国内のEC市場規模は年々拡大しています。越境ECにおいては、中国、日本、韓国、アメリカなどの商品が特に人気であり、ファッション、化粧品、電子機器、健康食品などのカテゴリーが売れ筋となっています。

出典: CIA – The World Factbook

さらに、ベトナム版Amazonを目指すTikiSendo、Shopify、Lazada、などのECプラットフォームが、越境EC商品を消費者に届ける主要な役割を果たしています。これらのプラットフォームは、グローバルブランドの商品を扱うだけでなく、中小規模の海外業者がベトナム市場に参入するための窓口ともなっています。

また、ベトナム政府は越境ECの成長を促進するためのインフラ整備を進めています。たとえば、税関手続きのデジタル化や物流サービスの改善など、輸入プロセスを効率化する取り組みが進んでいます。

  1. 課題: 支払いと物流の壁

一方で、越境ECにはいくつかの課題も存在します。まず、支払い方法の多様性が依然として不足しており、多くの消費者がまだ現金払い(Cash on Delivery)を好む傾向があります。これにより、国際的な越境取引において支払いの円滑化が課題となっています。

また、物流インフラの発展は国内ECにおいては進んでいますが、越境ECでは国境を越えた配送コストや時間が依然として高い壁となっています。特に地方都市や農村部では、配送に時間がかかることが消費者の購買意欲を低下させる要因となっています。

新興市場を対象にしたEコマースを日本から越境ECで行う場合、d localによってその需要に応えることができます。

  1. 未来: 技術革新と地域連携によるさらなる拡大

ベトナムの越境EC市場の未来は非常に明るいと予測されています。その理由の一つは、政府のデジタル経済促進政策です。「デジタル国家2025」という国家戦略の一環として、越境ECの取引を増やすための法整備や物流支援が進められています。具体的に「国家Eコマース開発戦略」では、2025年までに人口の55%がオンラインで買い物をし、デジタル決済が取引の50%を占め、中小企業の50%がEコマースプラットフォームを利用し、企業の40%がモバイルアプリを使って取引する世界を目標として掲げています。

また、技術革新も重要なカギを握っています。たとえば、AIやブロックチェーン技術を活用したスマート物流や、デジタル決済の普及により、越境取引の効率化が見込まれています。さらに、ASEAN地域内の経済連携(RCEPなど)を活用することで、越境ECの取引コスト削減や新市場の開拓が進む可能性があります。

加えて、越境ECを通じて海外進出を目指すベトナム企業の数も増加しています。たとえば、地元のブランドが自社の商品を海外プラットフォームで販売するケースが増えており、国内外で「ベトナムブランド」の認知度向上が期待されています。

  1. 結論: 発展可能性の高い市場

ベトナムの越境EC市場は、現時点では成長過程にあるものの、多くの可能性を秘めています。物流、決済、規制といった課題は残るものの、政府の支援やテクノロジーの進化により、これらの問題は着実に解決されていくでしょう。将来的には、ベトナムが越境ECの主要市場の一つとして、さらに注目されることは間違いありません。

ベトナム最大都市、南部ホーチミンでは、12月22日に、日本の規格の鉄道システムが採用された同国初となる地下鉄が開業しました。今後、ホーチミンとハノイを南北に繋ぐ高速鉄道の計画も進行中です。

今後の発展が望まれるベトナム市場でのチャンスを見逃さないようにしましょう!

関連する記事

越境EC 台湾のポテンシャルは? 越境ECと言うと、まず、その市場としてイメージされるのはアメリカ、中国だが、中国の南、台湾もなかなか魅力的な市場であることはあまり、知られていない。 今年、5月9日にナビプラス株式会社が発表した越境ECで買い物をした、相手国で売上トップは台湾となって、2位はアメリカ、3位は中国であったと報...
Instagramの新しいEC機能「Shops」とは 昨年のジャストシステムの調査では、Instagramはファッション系の情報検索がGoogleの検索利用率を上回ると言う結果が公表された。あの世界の巨大検索プラットフォーム、GoogleがSNSの一つであるInstagramに抜かれたのだ。 これは、スマートフォンユーザーに対して調査を実施し...
Live Commerceで日本の釣り具を世界に販売する 「ASIAN PORTAL」大谷社長にイン... 今回は、今年6月より、スタートアップした「ASIAN PORTAL FISHING」の大谷社長にいろいろとお話を伺った。「ASIAN PORTAL FISHING」では日本の釣り具メーカー約300社を集約し、Fishingに特化した商品を海外に販売している。 オープン間もないが、事業内容や...
2017年、日本のEC市場はどこまで成長したのか?... 今回は、前回に引き続き、経済産業省「平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」報告書に基づき、国内のEC市場の状況を中心にまとめてみた。 報告によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は、16兆5,054億円。前年より9.1%増加したと発表されている。 各分野では物販系分...
メキシコ版ブラックフライデー「エル・ブエン・フィン」とは?... メキシコ版ブラックフライデー「エル・ブエン・フィン」とは? 毎年11月、メキシコ全土で開催される大型セールイベント「エル・ブエン・フィン(El Buen Fin)」は、メキシコ版ブラックフライデーとも言える年に一度の大型セールイベントで、2024年は11月15日から18日まで開催されています。 ...
越境EC集客・最有力打ち手10選 2026年版|最新データと実績から導く戦略ガイド... 【2026年版】越境EC集客・最有力打ち手10選 Cross-Border E-Commerce 2026 越境EC集客・最有力打ち手10選2026年版|最新データと実績から導く戦略ガイド 2026年3月 更新 ...

タグ: , ,

コメントをどうぞ