今年の流行語大賞に「インスタ映え」が選出されたのは皆さんもご存知だろう。 今年は確かにInstagramは成長著しかったようだ。
ある調査によると、 Instagramの投稿を見て、実際にお店に出かけ食べ物を食べてみた人や、買い物をした人の割合は42%に昇り、さらに集客アップに繋がったとされる割合は76%と高い数字が示されている。
このように日本のSNS利用は年々上昇し、利用時間も増えている。そして、SNSは自社商品の認知獲得には欠かせないツールとなっている。
さらにSNSは低コストで消費者に情報提供したり、消費者ニーズの把握したり、商品開発に活用したりとその活用方法は広がりを見せている。
今回は日本の代表的なSNSの最新ユーザー数と企業のSNSマーケティングについてみていこう。
個人・企業ともFacebookを利用するユーザー数は、まだまだ増加傾向にある。Facebookは世界最大のSNS。
一般ユーザーのほか、企業、芸能人、政治家なども利用する。情報の拡散の速さはSNSでは随一。
日本ではアクティブ率が好調な伸びを示している。利用者も20代から50代と幅広くアクティブ率が非常に高い為、ターゲット層の利用時間に応じた施策が必要である。 今年6月には「LINEショッピング」をリリースし、LINEアプリで買い物が可能になった。
日本の月間アクティブ率は10%近く上昇が見られ、日本では20代の女性を中心に人気のSNS。今年10月にはストーリーズによる2択式アンケート機能も追加され、利用シーンがますます増え、ハッシュタグによる企業の進出も目立った。
海外では月間アクティブ広告主数は100万社を超えたことが発表された。
2016年の経済産業省発行の「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、国内SNSの利用率は71.2%とSNS利用者は年々増加しており、SNSは身近な存在として利用されている。
テレビを見るよりSNSで情報を得る時代、SNSの情報が消費者に与える影響は大きくなりつつある。 一方、企業にとってSNSは低コストで開設でき、取り組みやすいツールである。
自社ホームページではアプローチできないユーザーに対して、Twitterや Facebookのユーザー対しても情報配信できる点は大きな強みと言える。
ここでは、経済産業省の調査資料を元に今注目されるSNSマーケティングについて見て行こう。
まず、「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から2016年時点で企業がどのくらいSNSを活用しているかについては、活用しているが63%、今後取り組みたいと答えた割合は35%と将来的にはSNSを利用して、企業認知、販売促進に役立てたいと考えているようだ。
また、活用状況においては、認知向上の為に利用している企業が88社と最も多い。しかし、その効果が得られているかという問いに対しては54%の企業が実感がないと答えており、SNSを実際に業務に取り込むには課題があることも浮き彫りになっている。
SNSは企業にとって、単にファンの数を増やせば良いという活用だけではない。 活用次第で商品販売やユーザーニーズの分析、商品開発、消費者の共感に繋げることができる。 経済産業省の報告によると、SNSマーケティングのメリットとして、下記の3点フェーズを挙げている。
SNSを活用し、商品情報の提供、プロモーションを実施し認知度を上げ、売り上げを上げる。
低コスト、短時間に多くの消費者の声を集めることができ、消費者ニーズを知ることができる。収集した消費者ニーズから、プロダクトアウト的な発想の転換を図れる可能性もある。
企業が海外販売する場合、現地に販売拠点をおいたり、現地企業とパートナーシップを組まなくても、SNSなら海外からの注文やインバウンド消費などを取り込むことができる。
和菓子を販売する船橋屋(東京都江東区)は顧客の大半が中高年の女性だが、オンラインショップではもっと、男性や若い女性にも訴求を図る為、主要顧客層の息子、娘世代の活用が多い、Facebookを開設した。
自社の商品サービスの紹介だけにとどまらない、亀戸を中心とした、他店舗やイベントの紹介などのコンテンツを配信している。
Facebookフォロワー数:29,545人(2017年8月1日現在)
製造・販売のヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)はコンビニ限定ビールのキャンペーンにあわせて、消費者の投稿を促す試みを行った。
キャンペーンではTwitter上の公式 アカウントより「本当に売られているかどうか確かめてほしい」と消費者に呼びかけ、実際にユーザーは地元店舗でビールを探し、商品を探したユーザーは写真を投稿することで話題になったようだ。
この投稿はヤッホーが集計し、日本地図としてまとめ、さらに投稿し、双方向のコミュニケーションを生んだ。
Twitterフォロワー数:21,403Facebook
フォロワー数:56,358 (2017年8月1日現在)
SNSの企業の活用現況をみると、マーケティングに積極的に活用されているとは言い難いと言える。企業が活用していない理由を見ると、「人材や知見がない」が最も多く「効果があるかわからない」となっている。
また、企業においては先に述べたように、狙った効果が得られないという問題もある。 つまり、どんなSNSを使い、有効なSNSは何が良いのか分からない、また、どういったところに気をつければ良いかなど、ノウハウがないといったところが問題なのである。
経済産業省では、SNSマーケティング成功事例などのデータを集積し、活用できるノウハウを普及していく必要性をあげている。
さらに、大手企業ではSNSを扱える専門的人材を置いているが、成長分野である為に、専門人材も不足している現状も指摘している。
また、改正個人情報保護法の観点から、SNS活用の為のガイドラインの策定など、人材の育成、教育とあわせて整備が必要である。
「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の事例を見てもわかるように、SNSは企業の新製品の広告や情報配信だけではなく、ユーザーの声を受け取ったり、そのユーザーの声をベースに新商品の開発を進めたり、さらにキャンペーン参加を促し、顧客との交流のきっかけとしたり、可能性の高いツールである。
重要なのは、SNSの運用の目的を明確にすることである。つまり、販売促進が目的なのか、認知向上が目的なのか、製品開発のツールとするのかなど、目的を明確にすることである。
そして、SNSの目的を明確にたうえで、どのような手法があるか、自社と商品、サービスにマッチした手法を考え、専門の人材を配置して、適切に取り組むことではないかと考える。
記事参考:
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
https://ferret-plus.com/7934
http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160411002/20160411002.html
タグ: SNS, コンテンツマーケティング