前回ブログ『広告運用者なら押さえておきたい「動的リマーケティング」とは』ではGoogle広告のリマーケティング広告について説明したが、今回は、Facebook広告のリマーケティング広告について見ていこう。
Facebook広告には画像広告、動画広告、スライドショー広告、カルーセル広告、キャンバス広告、ダイナミック広告など様々なフォーマットがあり、広告の用途に合わせた出稿が求められるが、今回は、その中でも、費用対効果が高いとされている、Googleの動的リマーケティング広告と同様のFacebookダイナミック広告の内容と運用面での注意点などまとめてみた。
Facebookのダイナミック広告はGoogle広告のリマーケティング広告と同様、Webサイトを閲覧したユーザーがFacebookを閲覧している際に、ユーザーのFacebookフィードにユーザーの興味、関心に合せた商品広告を配信するものである。
ユーザーの閲覧履歴、居住地、年齢、性別、興味、関心などに合わせ、「レコメンドエンジン」を活用し、ユーザーと関連性の高い商品を画像付きで配信する広告である。
また、Facebook広告はクロスディバイス配信が可能で、PCで商品を閲覧したことがあるユーザーに対して、後日、スマートフォンのFacebookフィードへもダイナミック広告を配信できる。
Facebookダイナミック広告:https://www.facebook.com/business/ads/dynamic-ads?ref=ens_rdr
Facebookダイナミック広告は精度が高く、閲覧者の需要に合わせた商品やサービスの広告が配信されるため、コンバージョン率アップを見込めるのが大きな特徴である。
また、Facebookが自動でユーザーの好みにあった商品を選択してくれるので、広告作成をその都度行う必要がないなど様々なメリットがある。
ここでは、そのメリットを整理した。
Facebookダイナミック広告はターゲットとの関連性が高いと判断された商品のページへ誘導する広告のため、広告と関連度が高い場合、入札額が少額でも関連度が優先されるので、費用対効果が高い広告と言える。
さらに、直接、商品購入ページへ誘導できるので、コンバージョン率の向上が期待できる。
Facebookダイナミック広告は、Facebookビジネスマネージャへアップロードした製品カタログ(Googleマーチャントセンターでは商品フィード)をベースに閲覧ユーザーにあったクリエイティブをその都度、作成するため、他のリンク広告を作成する場合より少ない労力で広告配信が行える。
Facebookは日々、Facebookユーザーの所在地や年齢、性別、つながり、アクション、興味関心、行動などのデータを蓄積しており、このユーザー属性データや行動データを基に適切な広告が配信されるため、広告主の意図を反映した、ターゲットにリーチすることができる。
Facebookダイナミック広告は、Facebookだけではなく、傘下のInstagramにも同時に広告配信できる。
Instagramは今若い女性にもっとも人気のあるSNSで、Facebook面とInstagram面の両方に広告掲載できるので、最小限のコストで広告の目的にあった配信を行うことができる。
Facebookダイナミック広告に向いている業種は、EC・通販業界、旅行業界、人材業界、不動産業界など。
推奨される条件としては、サイトに訪れるユーザー数は月間で約10,000ユーザー以上あること、商品アイテム数が多く、掲載情報がよく更新されるサイトであることなどである。
ユーザー数に関しては特に規定はないが、10,000PVというのははあくまで目安であり、もし、ユーザー数が満たない場合は、Facebookダイナミック広告以外の広告フォーマットを利用してユーザーPVを伸ばしながら、ダイナミック広告を併用するとよいだろう。
では、実際にFacebookダイナミック広告を実施するにはどのような準備が必要なのだろうか?基本的には、広告を自動反映するための製品カタログとFacebookピクセルの実装が必要になるが、その内容を下記に整理した。
参考URL:https://www.facebook.com/business/help/397103717129942
先ずは、Facebookダイナミック広告を始めるには、Facebookビジネスマネージャの管理画面のアカウントを取得しなければならない。
製品カタログとは、宣伝したい製品フィード(Googleマーチャントセンターの商品フィード)と呼ばれるデータが必要になる。
このフィードとは、製品の製品ID、名称、価格、画像、説明文、リンク先URL、在庫数などのデータである。
このFacebookの製品フィードは、Googleマーチャントセンターの商品フィードを利用することもできるので、既にGoogleショッピング広告を行っていればそのデータを転用すればよい。
製品カタログ参考URL:
https://www.facebook.com/business/help/890714097648074?helpref=faq_content
●Live CommerceにはFacebookダイナミック広告を出稿するために必要となる、製品カタログ作成のためのプラグインが用意されている。
Live Commerceの製品カタログURL:https://www.live-commerce.com/facebook/
Facebookピクセルとは、広告配信の測定のためのjavascriptタグで、このスクリプトによってユーザーが自社ページでどのようなアクションを起こしたかを追跡、調査し、そのデータを基に、製品カタログから最適な商品をピックアップし、広告としてユーザーに配信される。
FacebookピクセルはWebサイトの全てのページに実装する必要がある「ベースコード」と、商品詳細ページ、カートページ、商品購入完了ページに実装する「イベントコード」の2種類ある。
Facebookは2018年9月時点のユーザー数は22億7000万人、Instagramは約10億人となっており、グローバルに展開しているSNSユーザー数では上位を独占している。
越境ECでSNSで広告を展開するには、Facebook広告、Instagram広告を出稿し、コンバージョン率を向上してゆく必要があるだろう。
ここではFacebookダイナミック広告を展開する上での注意点を見ていこう。
Facebookページでは、”クリック、コメント、いいね”などのリアクションが多いことがランキングを上げる効果につながるので、ターゲットユーザーに届く言葉で情報を発信することが重要となる。
そのため、Facebookページは現地語で作成するのが有効である。 エンゲージメントが高いとFacebookに評価される”いいね”目安は、10,000と言われている。
Facebook広告マネージャでは、国や地域、言語ごとにターゲットや広告戦略も異なってくるため、それぞれ分けたほうが管理しやすいだろう。
Facebookダイナミック広告の目的は、コンバージョン率、来店者数の増加である。 そのため、広告パフォーマンスを上げるためにもっとも重要な要素となるのが、過去のユーザーコンバージョンデータである。
このデータをいかにたくさん集めるかが鍵となる。目安としては下記が参考数値である。
必要なデータ量が少ないと、なかなかコンバージョンに繋がらないもしれないが、できるだけたくさんのコンバージョンデータを獲得することで精度の高いダイナミック広告を配信することができるだろう。
Googleのデータフィード広告やFacebookダイナミック広告など、今年はデータフィードを活用した広告出稿がますます多くなるだろう。
Facebookダイナミック広告のポイントは、ユーザー個人個人の属性、行動履歴や趣味、嗜好に合せたクリエイティブを自動で作成し、配信が可能になったところだ。
これにより、これまで以上にリターゲティング配信の精度が高くなり、費用対効果が大きく伸びたと実感する広告主が多くなった。
越境ECでもFacebook広告を最大限に活用し、海外22億人のfacebookユーザーに向け、日本ブランドの良質な商品を世界に届けよう。
タグ: facebook, facebookダイナミック広告, SNS, マーケティング