今年3月、ニールセン デジタルは主要なSNSやアプリの国内利用状況の調査結果を発表した。
(下図参照) 結果は、1位はLINEでスマートフォン利用者の80%にあたる4,807万人が利用し、2位はTwitterの2,392万人、3位はFacebookで2,093万人、4位がInstagramの1,294万人となっている。
ここで注目なのが、7位のSNOWである。ユーザー数408万人とその勢いを拡大している。若い女性に人気のこのSNSとはどのようなSNSなのか。今回はこの「SNOW」など、今、若者に人気のSNSについて調べてみた。
「SNOW」は、韓国のインターネット企業であるNAVERの子会社Camp Mobileから2015年リリースされたコミュニケーションカメラアプリである。
欧米で人気のカメラアプリ「Snapchat」を真似たようなアプリだが、特徴は簡単に画像や動画を撮影、加工でき、動画をメッセージとして友達に送れるところである。
また、加工するためのフィルタやスタンプが豊富で、認識スタンプが700以上、30以上のフィルタで自由に写真を加工できる。撮影した顔に動物やキャラクターのスタンプをかぶせ、口を開けたり、まばたきしたりするアニメーションも楽しめる。
このように顔認証して原型がないほど“盛れる”楽しさが人気となり、10代、20代の女子を中心にユーザー数を増やしている。
トークが一定時間経つと自動消滅する設定などはSnapchat(Snapchatの記事はこちらへ)を踏襲しているが、今回の利用状況資料によると「消える系SNS系」ではSnapchatに代わり「SNOW」が第1位となっている。
「MixChannel」は2013年12月にDonutsよりリリースされた10秒制限のある日本製動画共有コミュニティである。
10秒以内のショートムービーを投稿でき、動画の投稿はもちろん写真と音楽を組み合わせ動画を作成する機能も付いている。投稿される動画は、「LOVE」「ツインズ」「おもしろ」「顔出し」「うた」などのカテゴリーに分けられ、投稿動画は独自のカテゴリごとにランキング表示される。
若者の「注目されたい」「人気者になりたい」という欲求を満たすための設計が特徴で、投稿された動画は作りこまれたものが多く、中高校生の女子を中心にブームとなっている。
公表された資料によると、2016年に550万のダウンロード、1カ月の動画再生数は5.5億回、訪問者数は400万人以上となっている。
MixChannelが日本版なら、VINEはアメリカ版動画ツイッターと呼ばれ、広くアメリカでは普及していた。Twitterの傘下にあったVINEは、日本ではランキング圏内には入ることはなかったが、1月17日にそのサービスを終了し、新たにTwitterに動画を投稿する形でVine Cameraとして再スタートした。
「Flipagram」はアメリカで2013年リリースされた、60秒以内の動画や写真、テキスト、音楽を組み合わせてスライドショーやショートビデオを作成するアプリである。
Flipagramは、誰でも簡単に動画を作って投稿できるSNSとして話題になっている。
先日、「Flipagram」は1日42億PV、MAUは3600万人を超えたと伝えている。その最大の特徴は人気アーティストの曲をBGMとして使えるところと、外部SNSとの連携したサービスにある。 撮り溜めた写真をスライドショーにしてBGMにアーティストの音楽を使い、TwitterやFacebookで共有することが簡単にできるのだ。
日本ではまだまだ、マイナーな存在だが、著作権をクリアした使用可能な楽曲数は3,000万曲以上あり、簡単かつ高品質な動画編集機能は、これから若い女性層を中心にInstagramがかつてトレンドとなったように、インスタグラマーよりフリッパグラマーとなる時代がくるかもしれない。
「TwitCasting」通称”ツイキャス”は2009年に日本で誕生した、モイ株式会社が運営する、iPhoneやAndroid端末、PCなどから手軽にライブ配信を行えるサービスである。
昨年8月には累計配信回数3億回、ユーザー数1,600万を超え、ユーザーの2割は海外在住者という。現在は若年層にとどまらず幅広い年代のユーザーに利用されている。
今年、2月3日でツイキャスは7周年を迎え、新キャラクター「キャスくん」「ツイくん」が誕生している。 ツイキャスは、画質にあまりこだわらない点と誰でもスマフォさえあれば、どこでもライブ動画を生中継できるお手軽さが人気となっている。
今年3月、Facebookはスナップチャット的な24時間後に自動的に消える機能を導入した。
Facebookは「ユーザーが今共有する方法は、5年前や10年前とは異なる」「コミュニケーションはかつてないほど視覚的になっており、人々は1日中軽量で簡単に共有できる手段を求めている」などとコメントしている。
このコメントにあるように、若い世代のコミュニケーションの変化のスピードは凄まじく、時代はメッセージが消えたり、盛れる動画の配信だったり、動画コミュニケーションの共有であったり、新たなSNS体験に若い世代のコミュケーション方法も様変わりしているようだ。
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