
オムニチャネルという言葉を聞いたことがある方も多いと思うが、日本ではまだまだ、認知度が低いと思われる。アメリカでは認知度が高く、マーケッテング戦略の中心に変わりつつあるようだ。
Wikiによると、オムニチャネルとは『オムニチャネル(オムニチャネル小売り、Omni-Channel Retailing)は、マルチチャネルの小売りの進化形で、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)の境界を融解する試み』と記されている。
日本でもイオンやセブン&アイホールディングスなどの先鋭企業ではオムニチャネルを実施している。日本ではこれからのマーケッテング戦略ではあるが、今回はこのオムニチャネルについて、企業の取り組みなどを見ていこう。
オムニチャネルの「オムニ(omni)」とは「全」「総」「あらゆる」「あまねく」という意味をもち、いくつかの販路を組み合わせて商品を提供する取り組みであり、マルチチャンネルの進化系としての全ての販売チャンネルを統合することと意味づけられている。
オムニチャネルの背景としてはスマートフォンの普及があり、消費者はいつでも、どこでも買い物することがが可能な時代になったことがあげられる。そして、このような時代の新たな小売りのあり方として、すべての販路、実店舗、ECサイト、テレビ通販、カタログ通販、DM、SNSなどを連携させることで、消費者はどのような販売チャンネルからでも、同じように商品を購入できる仕組みが「オムニチャネル」なのである。

オムニチャネルとは、実店舗やECサイト、カタログ販売などあらゆるチャンネルを融合させることで、”顧客満足度を上げる”ための戦略である。最近の企業はどのような取り組みを見ていこう。
2015年9月24日にセブン&アイ・ホールディングスはネットと全国1万9千店舗ある実店舗を連動させた「Omni7」(オムニセブン)を発表し、ネット注文したものを全国の実店舗で受け取ることができるようになった。自分の都合にあわせて商品の受け取りができるので、自宅を不在にすることが多い人には便利である。
セブン&アイ・ホールディングスは「お客様の利便性」を重要視している。そして「お客様の利便性」を高めることで、さらなる収益につなげていこうという発想である。

イオンのオムニチャネルの取り組みとしてイオン幕張新都心店がある。
「実店舗とインターネットの連携の強化」がポイントでPOPにスマフォをかざすと料理レシピが現れる「撮って!インフォ」や、店舗には無い商品をお取り寄せし、店舗で受け取ることができるタブレット端末の「AtouchRu*Run」などがある。
イオンの取り組みは現時点ではイオン幕張新都心店のみだが、お客様に楽しんで買い物をしていただく工夫がいろいろ行われている。

「MUJI passport」は無印良品のあらゆるチャンネルから「マイル」を貯めることができるものだ。実店舗、ECサイトでの商品購入やSNSによる店舗のチェックインや投稿の際にマイルが貯まり、マイルはポイントやクーポンにも変換できる。
また、「IDEA PARK」というお客様との企業の交流サイトを開設し、サイト内でディスカッションした内容が、新商品に活かされたりするなど、ブランドファンの増加にも力を入れている。

ECサイト単体でのマーケティング施策はある程度限界点にきていると言える。そのような中でECサイトでもオムニチャネルを伴った取り組み、リニューアルが必要となる。
ここでは、ECサイトのオムニチャネル化を支援するカートにはどのようなものがあるのか見ていこう。
実店舗とECサイトを連携させるための「Orangeオムニ」・「Orange Club」パッケージはは複数の実店舗とECサイトの売上げ情報、在庫情報、顧客情報を統合管理できたり、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取りができる。また、店舗のPOSレジを1店舗あたりたったの5分で開設できる機能もある。

FutureShop2Xはオムニチャネルを推進するアパレル・ファッション分野に強いFutureShopのASPサービスだ。機能としてはECサイトでも実店舗でもポイントが使うことができる会員ポイント統合。在庫情報や顧客情報の一元管理機能などがある。
また、ECを利用するお客様には「お近くの店頭での特売キャンペーン」情報を配信でき、実店舗に誘導できる機能などがある。これなどはECサイトから実店舗、実店舗からECサイトへの誘導に重点がおかれた機能と言える。

カートASPをベースにしてる「MakeShop for オムニチャネル」は最低限の投資でオムニチャネルを実現できるサービスのようだ。
特徴としては実店舗への来店を促すためのスマートフォン経由での割引キャンペーンやクーポン発行通知、さらに、ECサイトと全ての実店舗の在庫情報を連携することで、訪れた実店舗で商品在庫が無い場合でも、ECサイトで注文を受け、商品のある別店舗から配送することもできる。
また、店頭商品のバーコードやQRコードを読み取ると、自動でECサイトの商品ページが表示される機能などもある。

ここまで見てきたように、オムニチャネルは実店舗での在庫情報の一元化や顧客情報の一元化、ポイント連動、実店舗、ネットにかかわらず、他店舗から統合配送の実施などがメインである。どちらかというと企業の業務システムの効率化のためのデータ総合の一部としての施策のように思えるところがある。
これからは、顧客目線でどうすれば、今より”お客様が便利になるだろう”、企業目線の「売り上げを伸ばすためのオムニチャネル」ではなく、「お客様の満足度を上げるため」のオムニチャネルの施策がもっと必要になってくるだろう。