中国は日本にとっての大口顧客であることが分かる「ジェトロのアンケート調査」

イメージ画像

3月7日、日本貿易振興機構(JETRO・ジェトロ)は2018年11月〜2019年1月にかけて、ジェトロのサービス利用企業、10,004社を対象に「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を実施した。
そのうち、3,385社から回答を得た結果内容を公表した。 アンケート詳細内容は、「貿易・海外進出への取り組み」、「保護貿易主義の影響」、「FTAの活用」、「外国人材の活用」、「電子商取引(EC)」等についてである。
今回はこのアンケート結果を元に、「海外輸出」、「インバウンドビジネス」、「越境EC販売」について、主要な内容をピックアップしてまとめた。

海外輸出の可能性は中国輸出が大きく増加した

今後、3年程度の輸出については、「輸出の拡大を図る」としている企業は81.2%に達している。
輸出に関する方針に関しては、「輸出の拡大を図る」と答えた企業は2015年(85.6%)をピークに下降していたが、2018年は上昇に転じた。つまり「輸出拡大意欲」は、再び上昇し下げ止まったと言える。
さらに、今後、最も重視する輸出先については、「輸出の拡大を図る企業」の28.1%が中国と回答している。次にアメリカの14.7%、ベトネムの8.0%と続いているが、トップの中国は他の国と比べて、突出した増加率となっており、中国は最重要輸出国となっている。
その理由は、「当該国・地域の需要の増加」と92.2%と回答しており、中国からの引き合いが依然として大きいことを示している。

zu01

中国市場は、現状は減速気味だが、ジェトロ担当者によると「中国は足元の減速感はあっても今後3年の市場として期待感は強い。保護貿易主義の強まりによる負の影響は、一部企業に限定される」としている。

中国、アメリカでの販売の拡大を図りたいという企業が増加

海外で拡大を図る機能として、何を重要視するか(販売、生産、研究開発、地域統括、物流など)の問いに関しては、「販売機能」とする割合が、83.4%と最も高く、次に、高付加価値品が29.6%と続いている。
さらに、「販売機能を拡大する国・地域」としては、中国が47.7%とトップ。続いて、アメリカが27.7%、タイが27.6%、ベトネムが、25.2%などとなっている。

zu02

約3割が訪日外国人向け(インバウンド)ビジネスを実施し、6割が拡大に意欲

インバウンドビジネスについてに関しては、すでにビジネスを行なっている企業は28.9%と、約3割の企業はインバウンドビジネスを行なっているようだ。 また、今後、約3年後のインバウンドビジネスへの取り組みについては、59.2%(20.8%+38.4%)が取り組みを拡大したいと回答している。

zu03

越境ECで販売している企業は4割と意外に多い

EC販売で商品を販売している企業のうち、越境ECで販売をしたことがある企業は52.8%で、16年度の前回調査(47.2%)より増加している。
内訳を見ると、日本国内から海外へ販売している(越境EC)と回答した割合が40.3%と、こちらも前回調査から、9.4%ポイント上昇したようだ。 越境ECを利用するのは、中小企業が多く、海外拠点での販売は大企業が利用率が高いようだ。

zu04

越境ECを行う企業の約6割が利益・メリットを実感している

海外向け販売を行なっている企業で、何らかのメリットがあると回答した企業は59.7%となっている。
その59.7%のうち、現状、黒字なのは28.7%。内訳は大企業は40.2%、中小企業は26.1%となっており、差があるのも事実のようだ。
業種では、「医療品・化粧品分野」で、何らかの利益・メリットがあると回答した企業が7割を超えていた。

zu05

販売先では現在も今後も、中国が首位

現在の海外販売先では、中国(49.5%)、米国(31.8%)、台湾(27.5%)となっている。今後(3年程度)、海外で販売拡大を図る、もしくは新規販売を検討する国・地域では、トップが中国で50.8%、ついで台湾の29.3%、3位にアメリカ29.1%となっている。
傾向としてはアジア諸国への販売ルートが増加すると予想されている。 中国は業種別でも増加を続けており、中国は、現在も今後も、日本にとっての大口顧客であると言える。

zu06

今後はASEAN各国に向けての販売が拡大するだろう

現在と今後の海外販売の回答率を比較すると、今後の販売先でASEAN各国とする回答が多くあったようだ。
特に、中小企業はASEAN主要6カ国、全てで、「今後の販売先」とする回答率が高かった。 中小企業が今後の販売を拡大を見込む国、地域で多いのはタイ(10.4%)、ベトナム(9.3%)、シンガポール(8.8%)などとなっている。

zu07

まとめ

今回の「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を見ると、今後も、重要な輸出先として選ぶ相手国は中国が最も多く、さらに、越境ECでの海外販売先でも中国が大きく、中国は日本にとって、現在も今後も主要な貿易相手国であるとしている。
さらに、今後は、アメリカ、西欧より中国を中心にASEAN主要6カ国、(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)での需要が高まることを示唆している。
日本では少子高齢化による人口減少が続き、国内需要より、海外に目を向ける時期に来ていることは言うまでもない。
海外でも今後は、欧米以外に、特に中国とASEAN各国に目を向け海外販売を拡大すべき時代なのである。

出典:「2018年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ海外ビジネス調査) 結果概要

 

関連する記事

越境ECを始める前に知っておくべき基礎知識【アメリカ編】... アメリカは2013年までは、世界第1位のB2C Eコマース市場規模だった。2017年、現在では、急成長の中国に1位の座を奪われたが、市場規模は世界第2位で、前年比の成長率は12.1%の3,603億米ドル(約41兆円)(2016年数値)となっている。 越境EC市場規模でもアメリカは世界第2位...
不況に強く最も利益率の高いビジネスとは?(海外版)... 例えば、数字に強い貴方ならきっと利益率の高いビジネスがスタートできるはず。年間売り上げ1千万円以下の会社16000社を対象に行われた調査では、特に税務会計に関するサービスは小規模ビジネスの中で最も利益率が高く純利益率は18.4%で1位、さらに、不動産会社は15.2%、法律事務所14.5%、開業医...
中国人旅行者の4割は訪日後、越境ECを利用している... 昨年12月12日、日本貿易振興機構(ジェトロ)が「中国の消費者の日本製品等意識調査」公表した。 報告書よると、中国の越境ECで日本の商品をを購入した経験が「ある」と回答した割合は67.7%と前回調査と比べて1.1ポイント上昇しており、越境EC利用者数は高い値で推移していることがわかった。 ...
IT導入補助金を活用して越境ECを! この度、デジタルスタジオは、2018年6月29日付で「サービス等生産性向上IT導入支援事業」において「IT導入支援事業者」に認定された。 「IT導入支援事業者」とは、中小企業・小規模事業者様に向けたITツール(ソフトウエア、サービス等)導入のお手伝いと「IT導入補助金」の申請代行を行える登...
越境EC 台湾のポテンシャルは? 越境ECと言うと、まず、その市場としてイメージされるのはアメリカ、中国だが、中国の南、台湾もなかなか魅力的な市場であることはあまり、知られていない。 今年、5月9日にナビプラス株式会社が発表した越境ECで買い物をした、相手国で売上トップは台湾となって、2位はアメリカ、3位は中国であったと報...
グローバルにみた各国の貿易・物流ネットワーク... DHLが先日発表した「GCI」 "グローバルコネクションズインデックス”では、製品サービス、資本、情報、人に関して各国が世界とどれだけ広くネットワークがあるかを分析している。 さらにそのネットワークの深さについても比較している。GCIによると、グローバリゼーションは前年...

タグ: , , , ,

コメントをどうぞ