インフルエンサーマーケティング活用 -美容業界編-

 

今夏は口元のケア商品が売れる!

日本でマスク着用の義務が解除になってから早1ヶ月が経ちましたが、暖かくなってきた事もあり少しずつマスクを着用しない人も増えてきたように思います。

私はと言いますと、最近珍しくリップグロスを買いました。今までは、口が隠れるからという理由で口紅やリップグロスを使っていませんでしたが、今後は使用するシーンが増えそうです。

今後はリップグロスや口紅以外にも、口臭ケア商品の売り上げも増えていくと予想されています。

さて、今回はそんな化粧品や美容品、そして健康用品にまつわるインフルエンサーマーケティングについてご紹介します。

美容品・化粧品の購入トレンドの変化

コロナ以前は、美容品、化粧品はオンラインよりも実店舗で購入する方がいいという印象を持っている人が多かったのではないでしょうか。

例えば、店舗のスタッフにアドバイスを直接もらえるというのも実店舗でのショッピングの一つの魅力です。また、購入前にテスターで試せるというのもありがたいですね。オンラインではそれができません。お試しサイズの化粧品サンプルを送るショップもありますが、基本的にはお試しができないというのが従来の課題でした。

ところが、コロナ禍で実店舗でのお買い物が制限されたことで、美容業界は迅速に対策を練る必要がありました。VRを導入したアプリなどが急激に需要を伸ばし、お店に行かなくても、携帯の画面上でメイクを試すこともできるようになりました。

また、それに加え、最近のインフルエンサーマーケティングブームで、オンラインでの美容品購入に更に拍車がかかっています。

Statistaによれば、2025年には実店舗で美容品やパーソナルケア商品を購入する人よりもオンラインで購入する人が上回るであろうと予想されています。

2021年の美容品・パーソナルケアカテゴリーのEC売り上げは5,110億ドルでしたが、2025年までには7,166億ドルに上るであろうと予想されています。

 

インフルエンサーへの信頼度は絶大

今では、92%の消費者がセレブの投稿よりもインフルエンサーの投稿に信頼感を置くと言います。更に、33%の消費者はインフルエンサーの投稿を見てから購入に至ると言います。

それだけインフルエンサーの影響力は絶大なのです。

 

ビューティー業界へのインフルエンサーの影響

化粧品や美容品を扱うビューティー業界は特にこのインフルエンサーマーケティングの恩恵を受けているといえます。

お気に入りのインフルエンサーの勧める化粧品であれば、信頼度が高くなりますし、商品の使用感やレビューがブランド認知度を上げるだけではなく、購買促進に繋がることもあります。

中には、特有のお肌の悩みを抱えているインフルエンサーもいます。

例えばこちらのChrisさん(@hashi_skincare)は橋本病の持病持ちで、橋本病患者特有の肌の悩みを抱えています。自分の肌に合うメイクや化粧品を紹介し、同じような症状を抱えているフォロアーから支持を得ています。

 

Photo credit: @hashi_skincare

 

美容系インフルエンサーの多いプラットホーム

美容系インフルエンサーが最も多いのはインフルエンサーで、次にYouTube、そしてTikTokとなっています。

インスタグラムとYouTubeの両方を利用しているインフルエンサーも少なくありません。

TikTokをプラットホームとして利用する美容系インフルエンサーは他のプラットホームに比べて少ないですが、一人当たりのフォロアー数が約76万人と多いのが強みです。それと比較してインスタグラムでは平均フォロアー数が約43万人、YouTubeでは約41万人となっています。

 

エンゲージメント率が高いのはTikTok

エンゲージメント率とは投稿につく「いいね」やコメント数など、ユーザーの反応率のことをさします。

TikTokの美容系インフルエンサーの平均エンゲージメント率は7.52%と高く、一方インスタグラムでは1.87%YouTubeでは0.56%となっています。

 

フォロアーの内訳 

【男女比】

美容系インフルエンサーのフォロアーの男女比の内訳は以下のようになっています。

女性:82%

男性:18%

圧倒的に女性フォロアーの方が多くなっていますね。

【年齢層】

インスタグラムにおける美容系インフルエンサーのフォロアーで最も多い年齢層は25〜34歳で、全体の49%を占めています。それに次いで18〜24歳は34%となっており、17歳以下は10%となっております。以前はティーンの間人気のあったインスタグラムですが、利用者の年齢層が上がってきていることが伺えます。

 

エンゲージメント率が高いのはマイクロ・インフルエンサー

インフルエンサーはフォロアー数の多さでカテゴライズできます。

「コラボレーションをするならフォロアー数の多いインフルエンサーの方がいい」と思われがちですが、実はそうとも限らないのです。

インフルエンサーを探す際、私はフォロアー数よりも「エンゲージメント率」に着目するようにしています。

なぜなら、どんなにフォロアー数が多くても、「いいね」やコメントなどのユーザーの反応が少なければ、高いROI*を得られないからなのです。

(*投資利益率)

そこで、最近の私のオススメは「マイクロ・インフルエンサー」との提携です。

フォロアーが15,000人以下のマイクロ・インフルエンサーの平均エンゲージメント率は2.7%ですが、一方でフォロアーが 100万人以上のメガ・インフルエンサーは1.5%となっています。

もちろん、フォロアー数の多い方が多くの人に見てもらえる可能性は高くなります。しかし、インフルエンサーへの報酬は大抵フォロアー数ベースで決まってきます。当然ですが、メガ・インフルエンサーであれば報酬もその分大きくなるわけで、人によっては1000万円〜1億円の報酬を求められることもありますので、その分リスクは大きくなります。

まとめ

今回はECにおける美容・パーソナルケア商品のトレンドの変動、また美容系インフルエンサーに着目しましたが、いかがでしたでしょうか?

ぜひ参考にして見てください。

今回もご高覧ありがとうございました。

(参考元)

https://influencermarketinghub.com/influencer-marketing-beauty-industry/

https://nealschaffer.com/influencer-marketing-strategy/

Digital commerce innovation in health, beauty and wellness report by Adobe and InternetRetailing

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/377560?display=1

関連する記事

マレーシアのネット通販 2021年までに利用者数2000万人へ... この記事ではマレーシアのネット通販事情について見ていきましょう。 経済 マレーシアの人口は約3000万人、GDPは2,960億ドルである。1人当たりGDPは10,757ドルで、2021年には15,492ドルに達すると予想されている。2015年から2021年にかけて8.4%以上の高いCAG...
イギリスの越境EC、Eコマース事情 2016年に日本に訪れたイギリス人は29万2,457人となっており、ヨーロッパ諸国では、日本へ訪れた国民が一番多かったのがイギリス人である。 また、イギリス人は旅行支出額が大きいこと、ビジネス関連で訪日が多いのが特徴のようだ。イギリスの人口は約6,490万人、そのうち93%がインターネット...
新しいマーケティング手法である「インフルエンサーアフェリエイト」とは?... 前回は「アフィリエイトとインフルエンサーの違い」について解説しましたが、今回は、この2つを組み合わせた新しい手法である「インフルエンサーアフィリエイト」について紹介していきます。 この記事では、ブランド向けのインフルエンサーアフィリエイトについて、以下のような内容をご紹介します: イ...
2017年、日本のEC市場はどこまで成長したのか?... 今回は、前回に引き続き、経済産業省「平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」報告書に基づき、国内のEC市場の状況を中心にまとめてみた。 報告によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は、16兆5,054億円。前年より9.1%増加したと発表されている。 各分野では物販系分...
ebayが日本再上陸 勝算はどこにあるのか?... 2月27日(現地時間)米ebayはアジア各国で展開するECサイト「Qoo10(キューテン)」を運営するジオシスから、日本事業を買収したと発表し、実質、ebayは日本EC市場に再度参入することとなった。 ebayは1999年にヤフーオークションと同様のネットオークションサイトとして、日本に進...
2023年 注目のインフルエンサーマーケティング... 2023年 注目のインフルエンサーマーケティング 去年に引き続き、インフルエンサーマーケティングは新顧客獲得や売り上げ増大を目指す事業にとって欠かせないマーケティング手法の一つとなっています。 そこで、今年注目したいインフルエンサーマーケティングのトレンドはズバリ「ショート動画」を用いた...

タグ: , , , , , , , , , , ,

コメントをどうぞ