これからのWebサイトデザインの方向性は「内容(コンテンツ)の充実」と「体験の向上」にあると言われている。それらを実現するひとつの解は、「ヒューマンセンタードデザイン(人間中心デザイン)」という思想である。
そして、ヒューマンセンタードデザインのアプローチの方法として、マイクロインタラクションという手法が取られている。このマイクロインタラクションを手法を採用すれば、ユーザーとの距離は近くなり、サイト離脱率を下げるだげではなく、サイトの印象が高くなり、再訪問率の向上にもつながるだろう。
今回は、今年も注目されている、マイクロインタラクションのポイント、注意点など見て行こう。
マイクロ インタラクションとは、「ヒューマンセンタードデザイン(人間中心のデザイン)」と呼ばれるデザイン手法のひとつであり、今どのような状況で、次にどのような行動をすれば良いかを直感的なUIで伝えることを目的としたものだ。
「マイクロインタラクション」という言葉はDan Suffer氏の著書では、 ある作業をひとつだけこなす、最小単位のインタラクション(機器とのやりとり)を意味し、UI/UXデザインの神が宿る細部が出典とされている。
また、Dan Suffer氏は、
上記のような様々な動作をマイクロインタラクションと名付け、定義している。
マイクロインタラクションを直訳すれば「とても小さなやりとり」という意味になるが、Webサイトやスマホアプリを作るうえで共通に考えられる内容であり、ユーザーが使用する様々な瞬間に関連する。
今やマイクロインタラクションは設定の変更時、データやデバイスの同期時、アラームの設定時、パスワードの選択時、ログイン時、ステータス・メッセージの設定時、『いいね』や『お気に入り』などをクリックする時など、様々なシーンで関わっている。
マイクロインタラクションを実現するには4つの構成要素をおさえる必要がある。
トリガー、ルール、フィードバック、ループとモードの4つっである。
トリガーとはユーザーにアクションを促す要素であり、ユーザーに「気づきを与える要素」を指す。アプリを初めて使うユーザーからすれば、使い方が分からないので、まず何をすればい良いか伝える内容は重要なトリガーである。
例えば、Twitter上に「新しいツイートがあります」の表示や、メッセージ受信時にチャイムが鳴るなどである。
ルールとはトリガーによって引き起こされた一連の処理、動作などを定義したもの。 ユーザーがボタンをクリックした時、何ができて何ができないかをルール付けすること。
詳細内容としては、複雑なものにしないことや同じトリガーには同じ動作にするなどがある。
フィードバックは、ユーザーが何か実行した時、処理が始まった時、処理が実行中の時 、さらに処理が終わった時、ユーザーの理解を助けるための視覚的、聴覚的、触覚的な要素を指す。
例えば、ユーザーがパスワードの入力を間違えた時、フォームが横揺れするなどである。
ユーザーの行動に合わせた、より大きなメタ・ルールと呼ばれ、 ループとはその動作を繰り返し行った場合の定義を意味し、モードとはルールが2股以上に条件分岐する場合の定義。モードは極力少なくするのがモードの注意点である。
facebookを使用して1年経つと1年を振り返る動画を作って知らせてくれるものなどがある。
入力フォームの内容を全て入力しないと購入ボタンを押すことができないマイクロインタラクションの例。
ハンバーガーメニューは気づかないことが多く、ユーザー体験の低下につながる。
このマイクロインタラクションはハンバーガーメニューを押すとどうなるかを気づかせることができる。
このマイクロインタラクションは直前のコンテンツを折りたたみ、次のコンテンツが表示されるというもの。
直前の情報は保持されたまま、次の情報が表示されるアニメーションである。
マイクロインタラクションのメリットは大きいといえる。それはユーザー視点、ユーザーファーストに立って設計されるべきものだからだ。
マイクロインタラクションはユーザーがボタンをクリック前、クリックした時に、何らかのフィードバックを与えることにより、ユーザーを手助けしてくる。
そして直感的でわかりやすくユーザーを導く点にある。
以下にマイクロインタラクションのメリットをまとめた。
マイクロインタラクションは、ユーザーにアクションを促すアニメーションが重要な要素となるが、制作しているとアニメーションの動きの美しさに固執しがちになってしまう。
アニメーションはユーザーにとっては使いやすさ向上のためのもので、美しいかどうかは問題ではない。美しい動きに固執すると動きに時間を用し、ユーザーにとっては困惑するばかりだ。動きはシンプルに、単一な動きで構成する必要がある。
マイクロインタラクションを自身で作ろうとすると、つい、ユーザー視点を忘れがちになる。マイクロインタラクションの構造を理解し、ユーザーにとってストレスなく、心地よく使えるものになっているか。その都度、ユーザー視点で動作確認しながら設計することがポイントである。
Webやスマホアプリに限らず、プロダクト製品やサービスでも、UXを改善するうえで、マイクロインタラクションは重要な手法と言える。
そして、マイクロインタラクションは、ユーザーの日々のインスタラクションに対し、小さいが楽しい瞬間を作ることができる。
ユーザーストレスを少なくし、UI/UXを向上しサイトクォリティをあげる。マイクロインタラクションは今後、さらに継続され、増えてくるだろう。
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