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日本のインバウンド市場 世界の中ではどのくらい?

   投稿者 : 2017年10月17日 By

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10月1日から10月8日まで、中国では建国記念日にあたる国慶節と中秋節を祝う超大型8連休となっており、中国メディアによると、最初の2日間で旅行に出かけた中国人は2億人を超えたと報じている。さらに一人当たりの商品購入額も1人平均5000元(約8万5000円)を突破したとも報じている。
中国は日本にとっては重要なインバウンド相手国である。2016年の訪日外国人旅行者の第1位は中国の637万人、2位は韓国の509万人、3位は台湾の417万人となっており、訪日外国人旅行者の72.7%は東アジアの人々という内容だ。
2017年5月のデータによると、2016年の訪日外国人旅行者は2,404万人と2,000万人の大台を超え、さらに、伸び率について言えば前年比21.8%増と諸外国と比べると高い伸び率となっている。これらインバウンドに関する数値は諸外国と比べてどのくらいの位置にあるのだろう。
今回は、世界のインバウンド市場の中で日本はどのくらいに位置し、観光大国と言われるフランスなどはインバウンドに関してどのような施策を行っているかなどを調べてみた。

インバウンド(inbound)とは、外から入ってくる旅行、一般的には訪日外国人旅行を指す。海外旅行はアウトバウンド(outbound)という。

 

●日本のインバウンド市場は世界では第何位?

2016年のインバウンド数(訪日外国人旅行者数)は2,403万9,000人、前年比21.8%増と伸長している日本だが、世界の国々と比べるとどのような位置付けになるのだろう。他国のデータと比較することで、日本が今後どのような取り組みを行う必要があるのかなど、見えてくるだろう。
まずは下の表を見てみよう。 今年発表された国連世界観光機関(UNWTO)のデータから抜粋し作成した表だが、日本はインバウンド数では世界第15位である。
1位はフランスの8,260万人、これはフランスの人口6,461万人の1.28倍となる数値であるから驚きである。 日本の場合は、インバウンド数2,404万人であり、国内人口1億2,690万人と比べると0.19%となり、フランスと比べると、いかに低いかが分かる。
今から30年ほど前、1990年は4億人程度だった世界のインバウンド数は、2016年には約3倍の12.4億人まで増えており、世界の人口74億人の割合を見ても、7人に一人は海外に出かけていることになる。

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それでは、観光客が海外旅行で実際に使う金額はどのくらいなのだろう。観光収入ランキング(下の表)を見てみよう。
2016年の第1位はアメリカで総観光収入は2億5,940万ドル(約23兆円)。一人当たりの観光支出額は2,724ドル(約305,000円)と高い数値である。また、観光客数で第1位のフランスは、年間観光収入は4億2,481万ドル(約4兆7,500万円)と5位となっている。
日本の観光収入は年間約3億678万ドル(約3兆4,000万円)となっており、この数字は高く、来年あたりはトップ10入りは確実な見通しである。
年間3兆円もの観光収入が期待できるインバウンド産業は、国内人口より年間インバウンド人口の多いフランスを目標に、2020年東京オリンピック開催に向けて市場を改善し成長させていかなければならない。

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●観光大国フランスのインバウンドの取り組み

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それでは、年間インバウンド数、8,260万人のフランスは、観光産業に対してどのように取り組み、施策を打って行こうとしているのだろうか。
その概要を調べてみた。 フランスでは2020年までに年間1億人のインバウンド観光客数を目標とし、観光収入は5兆円を確保するとしている。
そして、その内容を実現するために、フランス政府は以下の6つを重点ポイントをあげている。

  1. 観光地の安全性の強化によるインバウンド受け入れ体制の確保
  2. 団体観光客の誘致 ・民間企業等のインバウンド対策に対する資金援助
  3. 観光客の満足度向上を目的とした人材の育成・確保
  4. 各セクター間の競争力を高めるために観光情報のデジタル化を推進
  5. 長期休暇中の観光客へのアプローチ

 

具体的な施策としては以下7つの項目内容である。

  1. 新たに10か国で48時間有効の簡易ビザを発行
  2. 空港の保安検査場での待ち時間を短縮する
  3. パリと最寄りの空港を結ぶ高速道路の整備
  4. 海沿いと山沿いのリゾート地への資金援助
  5. 空港での免税手続きの簡素化
  6. “データツアーリズム”を2017年秋にローンチ
  7. “文化的ツーリズム”の促進

 

年間8,300万人のインバウンド数を誘致しているフランスだが、今よりさらに規制緩和を行いインフラを整備し、さらに観光リゾート地への国からの支援、ITによる観光データ共有化など積極的施策を試ようとしている。
日本もフランスをお手本にインバウンドの受け入れ環境をさらに整備、拡大してゆく必要があるだろう。

 

●日本政府観光局(JNTO)がインバウンド促進を強化する

日本では2020年、インバウンド数の目標を4,000万人として、どのような取り組みを行っているのだろう。日本政府観光局(JNTO)では、地域と共に訪日インバウンドを促進するための取り組みを強化するとして、以下の内容を公表している。

1. 地域のインバウンドの取り組みを後押しする「地域プロモーション連携室」を新たに設置する

インバウンド戦略部内に「地域プロモーション連携室」を設置する。 地方ブロック毎の専任職員が、地方運輸局、広域連携DMO、自治体等の専用連絡窓口として、各地域の皆様と緊密に連携を図り、インバウンドプロモーションに係る情報交換やニーズのヒアリング等を担当する。

 

2. インバウンドへの取り組み事例を発信するため、地域インバウンド促進サイト「日本の魅力を、日本のチカラに。」をスタートする

ワークショップの実施等を通じて得られた成果や地域ごとのインバウンドの取り組み事例をアーカイブ化する他、調査事業の報告やセミナー事業の開催結果等も広くご紹介。
また、JNTOが実施するイベントへのご参加や、インバウンドプロモーションに係るご相談なども受け付ける。

Webサイト「日本の魅力を、日本のチカラに」アドレス: https://action.jnto.go.jp

 

3. 地域のインバウンドプロモーションを共に考えるため、ワークショップとセミナーを開催(11月~12月)する

訪日インバウンドについての課題を抱える地域と共に考え、課題解決に向けて取り組むためのワークショップは10地域で行う。
また、国内6地域において「訪日インバウンド新潮流~稼げるインバウンド 注目の有望市場~」をテーマにしたセミナーを開催する。

 

●日本のインバウンドの課題とは?

日本も外国人観光客の訪日数が大きくなるにつれ、新しいマーケットができつつある。インバウンド市場は2020年オリンピック開催に向け、大きく盛り上がることは間違い無いだろう。 日本のインバウンドの特徴は、都市部から地方へ観光客が流れているというものである。
これは、フランスなどには見られない例で、都市部と違い日本の地方では外国人相手にいろいろな課題があるのも事実である。おもてなし「ニッポンのココが残念」 では以下のような課題が示されている。

  1. 外国語サービスが少ない
  2. 無料Wi-Fiの整備が遅れている
  3. 飲食店の食券システムがわからない
  4. 飲食店で食べ方を教えてくれない
  5. 現金しか使えない店が多い

 

観光庁が行った外国人旅行者に対するアンケートによると、旅行中に困ったことの第1位は「無料公衆無線LAN環境」の36.7%であった。2位は「コミュニケーション」24.0%で、英語が通じないという内容が、もっとも多いかと予想されたが、インターネット環境、無料Wi-Fiが少ない、遅れているとの指摘は意外なところである。
今や、インターネットで情報を収集し旅行をするのが当たり前の時代、いい観光地があったら、facebookやtwitterなどSNSで投稿されることで拡散が期待される効果も、その環境が整っていないのは致命的である。この無料Wi-Fiの整備は早急に行う必要があるだろう。

 

●まとめ

10月12日の朝日新聞デジタルによると、「世界の都市総合力ランキング」の2017年版で、東京は昨年に続き3位となった。1位はロンドン、2位はニューヨークである。 アメリカとイギリスはインバウンド数トップテン内に位置している。
このランキングは、「文化・交流」「交通・アクセス」「経済」などの6分野から、「海外からの訪問者数」「GDP」「賃金水準」といった70指標を選んで点数化。2433点満点で評価したものである。
今回の調べた内容を見ても、日本の観光マーケットは他国と比べても遜色ない水準であり、大きな伸びしろがあることが分かる。そして、2020年に4,000万人のインバウンド数を目標とするなら、通信環境や外国語サービスなど、ハード面(インフラ)の改善とソフト面(おもてなしの心)を充実させることが重要である。

 

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