« ブログのトップページに戻る

ebayが日本再上陸 勝算はどこにあるのか?

   投稿者 : 2018年3月2日 By

イメージ画像

2月27日(現地時間)米ebayはアジア各国で展開するECサイト「Qoo10(キューテン)」を運営するジオシスから、日本事業を買収したと発表し、実質、ebayは日本EC市場に再度参入することとなった。
ebayは1999年にヤフーオークションと同様のネットオークションサイトとして、日本に進出したが、2002年には撤退している。現在は日本には海外に販売するebay.japanがあるのみである。 今回は、買収された「Qoo10(キューテン)」の概要と今後の日本EC市場でのebay展開の強みなどを検証してみた。

 

ebay(イーベイ)とは

イーベイ画像

eBayは、日本ではあまりメジャーではないが、世界ではAmazon、アリババにつぐインターネットECサイトである。世界中で1.6億人、Sellerは2,500万人(個人・法人含む)とインターネットオークションサイトでは世界最多の利用者を誇っている。 ebayはネットオークションサイトとして急成長したが、現在では固定価格で購入できる商品の割合が9割近くに達しており、通常のECサイトとして利用されていることが多い。

日本では、1999年10月に日本法人「イーベイジャパン」設立、NECと組んで2000年にオークションサイトとして日本に進出したが、すでにEC市場を席巻していた、Yahoo!オークションには太刀打ちできず、2002年3月に撤退した。その後、海外の消費者に商品を販売したい日本企業向けの越境EC支援ビジネスを2009年から日本で展開している。

今回、「Qoo10(キューテン)」を買収し、日本のEC市場に再上陸となるわけだが、デビン・ウィニグ最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞社の取材に対して、「急拡大しているキューテンの日本事業の買収で、基盤を構築し、アジアでの事業拡大にもつなげたい」と述べている。
さらに、「日本のEC市場規模は世界で3番目に大きいがEC普及率はまだまだ低く、拡大の余地は大きい」とも強調した。

それでは、今回、買収された、日本でもあまり知られていない、「Qoo10(キューテン)」 とはどのようなサイトなのだろう。
このサイトを探ることで、今後のebayの日本での展開のヒントが見えてくるかもしれない。

 

Qoo10(キューテン)とは

Qoo10画像

Qoo10(キューテン)とは、ジオシスが運営がアジア地域5カ国7地域に展開するインターネットショッピングモールのことである。日本での運営は、ジオシスグループ傘下のジオシス合同会社が行っている。 Qoo10の日本での運営は2010年6月からサービスを開始し、17年1月時点で750万人の会員を抱えている。

サイトではどのような商品を扱っているだろうか?目立つのはアパレルやコスメ、化粧品、ダイエット食品、飲料製品など、女性をターゲットにした商品やバナー広告だ。 Qoo10の日本サイトは20代~30代女性がメインのユーザー層、ターゲットであることがわかる。

このサイトの強みは、若いユーザー層ともう1つ、海外Qoo10への出品が簡単であるところだ。販売設定時に海外販売対応を設定すれば、販売商品を海外のQoo10ユーザーにも閲覧、販売が可能になる仕組みである。

Qoo10(キューテン)と楽天市場を比較すると、メリットは、月額固定費が不要なので、出店しやすいこと。デメリットは「認知度の低さ」「集客力の差」と言ったところである。
このデメリットをebayがカバーし認知度をあげることに成功すれば、Amazon、楽天に次ぐショッピングモールサイトに成りうるだろう。

Qoo10(キューテン)のメリットを以下にまとめた。

  1. 月額の固定費が不要なので出店しやすい
  2. 若い女性層を中心とした集客力がある
  3. モールが発行するカートクーポンのお得度が高い(実質20%割引)
  4. プロモーションにかかるコストが低く、商品単体で高い売上を狙える
  5. アフィリエイト系の広告利用による集客力がある
  6. 海外Qoo10で販売できる

 

●今後ebayの展開は?

ebayのQoo10の買収は、越境ECの加速を促す起爆剤となるだろう。 米ebayのジュマン・パーク氏(アジア太平洋地域シニア・バイス・プレジデント)は、買収の狙いをこう語る。「成長著しいアジア市場の中でも規模が大きく、今後も成長が見込める日本市場に注力することで、競合に対するアジア市場での存在感を高めたい」と。
ebayはQoo10ユーザー、Qoo10出店者を取り込み、アジアを中心にした越境ECを展開に特化したショッピングモールECサイトを目標にしているのだろう。

そして、Qoo10には商品を出品すると、自動的に海外Qoo10サイトにも出品できる機能がある。今後はQoo10に出品した商品を、海外で展開するebayのECサイトに自動出品できる機能連携を実現予定である。
韓国で展開しているebayが運営するECサイトGmarketにはAPIを通じて海外ebayに自動出品できる機能がある。同様の機能をQoo10に搭載することで、1億7000万人いるebayユーザーに対し商品を販売することができ、ebayの越境ECを一気に加速させることだろう。

倉庫などインフラとしては、Qoo10の倉庫が活用されるだろう。 Qoo10では2016年に出店事業者が、Qoo10倉庫に商品を預けると自動的に海外Qoo10サイトに自動出品されるサービスがあり、この倉庫の規模は2015年から毎年、約2倍に拡大している。

 

●まとめ

買収額の正式な公表はされていないが、米メディアによると7億ドル(約750億円)程度で、これは大きな取引額である。
米ebayパーク氏は「今後3~5年で市場の平均成長率を大きく上回る成長を遂げ、楽天やAmazon.co.jp、ヤフーといった市場リーダーの一群に入ることを目指す」との目標を掲げている。
このコメントから米ebayの並々ならぬ意気込みが伝わってくる。 Qoo10買収手続きは2018年6月末までに完了する予定である。
eBayは、今回のアジアにおける最新の投資により、日本での存在感を強化することである。今年は日本のネット市場の競争が、ますます激化しそうである。

 

記事参考:
米イーベイ、日本でネット通販再参入 事業買収で
 eBayが日本のeコマースQoo10.jpを買収して日本でのプレゼンス強化に本気
4年間Qoo10(キューテン)に出店してみての評判とメリット・デメリット

関連する記事

マレーシアのネット通販 2021年までに利用者数2000万人へ... この記事ではマレーシアのネット通販事情について見ていきましょう。 経済 マレーシアの人口は約3000万人、GDPは2,960億ドルである。1人当たりGDPは10,757ドルで、2021年には15,492ドルに達すると予想されている。2015年から2021年にかけて8.4%以上の高いCAG...
越境ECモールにはどんなものがあるの?... 越境ECを構築すれば、これまでのマーケットを世界に広げることができる。越境ECは、海外に販路を広げるためにはもっともリスクの少ない方法である。海外を視野に入れると、日本では注目されないものや、思いがけないものが高額で売れることもある。 そこで、今回は海外に販路を広げるための一つの方法として、...
eBayで40億売った男 amazon輸出やeBay輸出で日本のものを海外に売るという副業が流行ってますが、これもこの1年で終わり、もしかしたらすでに限界なのでは、、、と言うのが私の直感。 どの業界でもそうだけど、うまくやっているのは1%ぐらいでしょう。 最近、法人からeBay海外販売の相談が増えまして...
スマホ上でトレンドとなっている”努力の無い商売” Zero Effort Commerce... スマホ上では努力の無い商売が標準化しています。これは日本で言うメルカリのようなビジネスが習慣化することです。 メリカリとは、スマホ上でフリマで必要な写真投稿から説明文、ユーザーとのコミュニケーションまでを全部完結できてしまうアプリのことです。売り手は販売する努力というよりも楽しんで売っている...
東南アジア最大級のECサイトLazada(ラザダ)を調べてみた... 越境EC市場というと中国が中心と言わざるをえないが、今、急成長を遂げ、中国の次のマーケットと呼ばれているのが東南アジア市場だ。東南アジア市場では、東南アジア6カ国で展開しているモール型ショッピングサイトがあることをご存知だろうか?Lazada(ラザダ)というサイトだ。 Lazadaは昨年、...
国別に見た越境ECでの売れ筋商品 いつもはeBayアメリカサイトで、どのような日本の商品が売れているのかを調べながら、その月の販売動向などを記事にしているが、今回は当社Live Commerceとご契約のお客様が越境ECで販売している商品で、よく売れている商品にはどんなものがあるのか、各国別に特徴などあるのか、などを調べてみ...

タグ: , ,

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

今なら海外展開の為の成功BOOKを無料ダウンロードできます。是非この機会にお読みください。