今後10年間で最も成長が予測される国にインドが注目されています。
本日のブログでは、インドと越境ECを掛け合わせて、インドにおける越境ECの未来について考察してみましょう。
7月11日に発表された国連の「世界人口予測2024年版」による世界人口上位国ランキングの 2024年の1位は、昨年4月に中国の人口を抜いてインド(14億5100万人)が世界最大の人口を有する国となっています。
国連によれば、今後もインドの人口増加は続き2054年までインドが1位(予想人口16億9200万人)であり、少なくとも2100年までは人口世界一の国であり続けると予測されています。
| 人口上位10カ国の推移 | |||
| 順位 | 2024年 | 2054年 | 2100年 |
| 1 | インド
(14億5100万人) |
インド
(16億9200万人) |
インド
(15億500万人) |
| 2 | 中国
(14億1900万人) |
中国
(12億1500万人) |
中国
(6億3300万人) |
| 3 | 米国
(3億4500万人) |
パキスタン
(3億8900万人) |
パキスタン
(5億1100万人) |
| 4 | インドネシア
(2億8300万人) |
米国
(3億8400万人) |
ナイジェリア
(4億7700万人) |
| 5 | パキスタン
(2億5100万人) |
ナイジェリア
(3億7600万人) |
コンゴ民主共和国
(4億3100万人) |
| 6 | ナイジェリア
(2億3300万人) |
インドネシア
(3億2200万人) |
米国
(4億2100万人) |
| 7 | ブラジル
(2億1200万人) |
エチオピア
(2億4000万人) |
エチオピア
(3億6700万人) |
| 8 | バングラデシュ
(1億7400万人) |
コンゴ民主共和国
(2億3800万人) |
インドネシア
(2億9600万人) |
| 9 | ロシア
(1億4500万人) |
バングラデシュ
(2億1900万人) |
タンザニア
(2億6300万人) |
| 10 | エチオピア
(1億3200万人) |
ブラジル
(2億1500万人) |
バングラデシュ
(2億900万人) |
インド政府は2047年までに、先進国になるという野心的な国家目標を掲げています。
その目標を達成するための政策として、公共インフラへの投資や規制緩和と並行して、UPI※といったインド独自の決済システムの導入など、急速にデジタル・インフラの整備を推進しています。
また、社会的背景にはインドのインターネット普及率も急速に伸びており、今後、消費の主役になる存在として注目されているZ世代とミレニアル世代の人口も世界最大であることから、国境を越えたEコマースやビジネス展開におけるインドの国際的な重要性は高まり続けているとと言われています。
越境EC市場も最近急成長していて、2023年のインドのEコマース売上高は567億米ドル(1ドル120円換算で、68兆4000億円、日本の2023年のEC市場規模は約18兆円なので、インドEC市場規模は2023年の時点で、日本のすでに3.7倍)で、2020年から比較した場合、300 億米ドル近く増加しています。
インドのEコマース市場は、2027年までに1.1兆米ドル、2032年までに 2兆米ドルに達すると予想されています。
ちなみに、日本のEコマース市場ですが、2027年には約3,259億米ドルに達すると予想されています (IMARC)。4年後の未来で、すでに約4倍の市場規模の大きさがインドにはあることになります。
※UPI(Unified Payments Interface)は、インドの国立決済公社(National Payments Corporation of India, NPCI)によって開発されたリアルタイム決済システムです。UPIは、複数の銀行口座を一つのモバイルアプリケーションで統合し、シームレスかつ迅速な資金移動を可能にします。
UPIは、インドにおけるデジタル決済の普及を大きく推進しました。2016年の導入以来、取引量は急速に増加し、現在では毎月数十億件の取引が行われています。
National Payments Corporation of India (NPCI)
インド市場は広く英語が普及しているため、英語によるGoogle広告やFacebook広告が有効です。
先進国では1クリック単価が30円~以上しますが、インド市場は1クリック1円前後なので、多くのクリックを獲得することができます。
インドは特定の製品に対して厳しい輸入規制を持っており、特に食品や薬品に関しては品質基準やラベル表示の規定があります。また、関税率は製品ごとに異なり、インド政府の輸入関税表を確認することが重要です 。
当社が開発した関税検査ツールで、調べることもできます → 関税計算ツール
越境ECでインドを市場として攻略するには、GSTの理解が欠かせません!
輸入品にはGST(Goods and Services Tax、日本でいう消費税)が課されます。ですので、買い手がGSTの支払いを拒否するようなことがないように、インド向けの越境ECでは、輸入関税元払いが100%安全だと言えます。先進国のように関税後払いの売り方には多くの輸入トラブルが発生すると思われます。
インドは輸入の際に、輸入者登録番号(Importer Exporter Code, IEC)の取得も必要なため、どちらにしても完全元払いが推奨されます。
インドは広大な国土のため、田舎などの地域までの配達は発展途上と言えます。
特に日本郵便EMSの場合は、紛失のリスクが伴います。受取人の署名が利用できるFedEx・DHLによる出荷の方が事故リスクが少ないと言えます。
インドのECにおける決済シェアは以下の通りです。インドはdlocal が必須ですね。
2026年には日本の新幹線の技術を活用した印高速鉄道も開通する予定だそうで、、今後のインドの発展から目が離せません!