日本政府観光局(JNTO)が2017年の外国人観光客数の発表した。2017年の訪日外国人数は前年比19.3%増の2,869万人と好調をキープしているという結果であった。
結果を見ると、ここ数年は韓国から観光客数が急激に増加しており、前年比40%増の714万人と、韓国人観光客が訪日観光客数の増加を牽引している状況となっている。
そして今後、増え続ける外国人観光客に対して、企業のインバウンド対策はどこまで進んでいるのだろうか?
3月22日(木)に「訪日ラボ」では「インバウンド対策意識調査」にアンケート調査を掲載しており、その内容をベースに、今後、行うべきインバウンド対策は何かについて見ていこう。
2017 年の1月から12月までの訪日客は、前年比 19.3%増の約2,869 万人(+465 万人)(推計値)となった。これは、日本政府観光局(JNTO)が統計を取り始めた1964年以降、累計で過去最高を更新し、これで6年連続の増加である。
国・地域別で見ると、訪日客が多い上位3つの地域は、昨年と同様、1 位は中国735万人(前年比98万人増、15.4%増)、2位は韓国714万人(前年比205万人増、40.3%増),3位は台湾456万人(前年比40 万人増、9.5%増)となった。
下の図表にはないが、伸び率が高い国・地域は、訪日客が多い地域 2 位である韓国 の714 万人(前年比205万人増、40.3%増)を始め、ロシア7.7 万人(前年比2.2 万人増、40.8%増)、ベトナム30万人(前年比 7.5 万人増、32.1%増)となっている。
日本滞在時の消費額を見ると、中国が全体の38.4%を占め1兆6946億円でトップである。2位は、台湾が全体の13.0%の5744億円である。3位は韓国で、5126億円(同11.6%)、4位は香港の3415億円(同7.7%)、5位は米国が2503億円(同5.7%)と続き、 これら5カ国で全体の76.4%となっている。
一人当たりの旅行支出については、最も支出が多いのは中国で一人平均23万円、ついでオーストラリアで22万6000円、次にイギリスの21万5000円となっている。
日本百貨店協会が発表した、2017年の全国百貨店売上高は前年比で0.1%増で3年ぶりに前年を上回っている爆買いの時期に多く売れた電化製品は売上は落ちているが、化粧品などは、引き続き売上を伸ばしている。
株式会社movが運営する「訪日ラボ」が「インバウンド対策意識調査」に関するアンケート調査を実施した。
今回はその内容から一部を抜粋し、インバウンド対策はどこまで行われているのかを見てみよう。レポートは2018年3月5日から3月14日の期間に158名を対象に行われたものだ。以下一部を抜粋し、その内容を見ていこう。
今回のこの「インバウンド対策意識調査」を見ると、75%以上がインバウンド対策を何らかの形で実施しているようだ。WEBサイトの多言語化も進んでおり、実に7割近くが外国語に対応したサイトをもっているようだ。
しかし、「実施したインバウンド対策」の項目の「越境EC」対策については、実施率は8.4%と低い。つまり、ホームページは多言語で対応しているが、取り扱う商品の販売まで行っているところは少ないという結果である。
訪日前の外国人観光客との接点はあるが、滞在時に接点を持ったお店の商品を帰国後、購入するチャンスが少ないということが推察できる。
外国人との接点を増やすには、外国語に対応したホームページだけではなく、Facebook、Instagram、Twitter、Youtubeなどを利用し、多くのメディアに露出することである。そして、来店してもらうことができれば、お店の中で商品の価値をリアルに実感し購入していただけるのである。
そして、帰国後も、その商品を継続して購入いただけるように、越境ECサイトなどの商品購入ツールを用意することが重要である。
今や、訪日した外国人は日本製品を気に入り、帰国後再度、その商品を購入する流れがつきつつある。インバウンド需要には越境ECサイトの構築は必須であると言える。
政府は東京オリンピック開催の2020年には訪日外国人客数は4,000万人、外国人観光客の消費額8兆円を目標にしいる。この数字は過去を振り返ると、2011年の外国人観光客数は622万人から、その後6年で2,869万人まで増えているのを見ると、2020年の4,000万人は達成可能な数字と言えるだろう。
今後、増え続けるインバウンド需要に対しては、官民あげて行うことは、外国語に対応した環境をしっかり構築すること。そして、多くの決済手段が日本で行えること。さらに越境ECでも日本の商品を購入できることである。
図表出典: 2017年4Qインバウンドデータレポート
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