スマートフォンの爆発的な普及でこれからのECサイトはPCのサイトデザインが基本ではなく、タッチスクリーンディバイスを基本にデザインするというのが時代の流れになってゆくのではないだろうか。
そこで海外ECサイトでは今、どのような動向が主流となっているのか、そしてユーザーに優しいECサイトとするには何が重要なのか、3つのポイントを整理した。
“少ないほど豊か”“simple is best”そんな言葉で強調される非常にシンプルなデザインが多いのが海外のECサイトだ。商品イメージを最大限に強調した写真と、説明のためのコピーを極力少なくなくしているのが特徴である。そしてページは下へ下へとスクロールし、長くなっている。
メリットしては、レスポンシブWebにしやすいという点があるが、ユーザー視点に立つならば、大きな写真は見やすい、わかりやすい、迷わない、ということがある。ひとつの商品画像が大きくなれば、タッチスクリーンで選びやすく、迷わないサイトになることは言うまでもない。
画面サイズが大きく、かつ解像度が高くなることで、商品情報の詳細を知ることができる。このことはユーザーエクスペリエンスの向上を意味する。
ECサイトでは五感のうち「見る」ことしかできない。したがって、いろいろな商品情報を「見る」ことで得たいとと思うのは当然である。実際の店舗ショッピングでは商品を触ったり、いろんな角度から見たりすることができる。バーチャルなECサイトではいかにいろいろな商品情報、つまり商品を使ってりる様子だったり、商品の外側だけではなく内側だったり、商品情報を補足して見せることがポイントである。
また、関連商品をコーディネイトできることも重要である。コーディネート次第では他の商品を購入してもらえるチャンスが生まれる。
商品評価を5ツ星などで示すことにより、商品の信頼度が上がり、さらにユーザーレビューなどは商品を使ってみてのユーザーの意見なので、実際に商品を使用したときのポイントなどが分かったり、ユーザーにとっては親切で非常に参考になる。これは、商品購入の後押しにつながっていくだろう。
日本のECサイトは限られたスペースのなかでいかに情報を詰め込むかという設計が主流である。海外の主流となっているサイト事例やデザイン動向を参考にし、ECサイトに加味し、ユーザーにとって優しく、見やすい情報を提示することで、ユーザーはECサイトを初めて訪問しても、サイトから信用を得、海外販売の不安を軽減することができると感じる。
新しく越境ECサイトを展開する場合やECサイトリニューアルなど行う際は、上記内容も考慮に入れデザインしていただきたい。
もちろん、ECサイトは奥が深く、これだけ行えばよいということではない。これ以外にもたくさんのUIが必要だ。ECサイトの目的はユーザーが気持ちよく、商品情報を得ながら、スムーズに買い物することでユーザーを満足させることだ。ECサイトのUI技術や知識は、これからさらに需要は増え、中身も進化して行くことだろう。