2019年5月16日Googleは「検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)」を更新した。前回は2018年7月だったので、約1年ぶりの更新となる。
Googleは検索結果の品質を高めるため、1万以上の検索品質評価者と契約している。
検索品質評価ガイドラインは、品質評価者がGoogle検索の品質を評価するための解説書になる重要なものである。
また、サイト制作者にとっては、ガイドラインを重視し、規定に沿ったものにすることで、長期的なSEO対策として大いに役立つものとなる。
このガイドラインの内容は膨大な量となるので、今回は「需要との一致」、「品質の高さ・信頼性」、「使いやすさ」の3つに要点をしぼりまとめてみた。
Google検索品質評価ガイドラインとは、WEBサイトにおけるGoogleの評価基準を定めたもので、Googleの検索アルゴリズムのデータの基礎となっている。
また、このガイドラインの目的は、Google検索の評価基準を示すことでもある。
「品質評価ガイドライン」には、Google がウェブサイトやページのどの点を、どのような基準で評価するかを明確に規定しており、その基準は「Needs Met(需要との一致)」「Page Quality(品質・信頼性)」「ユーザビリティ(使いやすさ)」とし、詳細に解説している。
このガイドラインを参考書として活用すれば、SEO対策に効果を発揮し、ウェブサイトの長期的な成功に役立つだろう。
ガイドラインは導入部+全4章の計5パート構成となっている。
その中で、重要な項目は、
1章のPage Quality Rating Guideline、
2章のUnderstanding Mobile User Needs、
3章のNeeds Met Rating Guidelineである。
1章のPage Quality〜は「コンテンツの品質」であり、2章のUser Needsは「使いやすさ」であり、3章のNeeds Met〜は「ユーザー需要との一致」である。
この中で重要とされているのが、3章のNeeds Met〜で「ユーザーが必要とする情報を、適切な形で提供しているか」の評価である。
WEBサイトとは、「WEBサイト・サイトページ」は「ユーザーの役に立つために作られなければならない」という、大きな理念がGoogleにはある。
「ユーザーの役に立つために作られるもの」、ここが重要である。
そのページが何ために作られ、どのように役に立つのかを明確に示す必要がある。
「品質評価ガイドライン」にはWEBサイトの目的が挙げられている。
である。つまり、「情報の共有、発信」、「意見の発信」、「商品・サービスの販売」などユーザーの役にたつものを提供するものでなければならない。
GoogleはこのWEBサイトの目的を起点として、評価の基準を「Needs Met(需要との一致)」「Page Quality(品質・信頼性)」「ユーザビリティ(使いやすさ)」としている。
次にこの3つについて、要点をまとめてみた。
「Needs Met(需要との一致)」は、WEBページのコンテンツが、「ユーザーの需要に合った質・量の情報を最低限の手間で提供できるか」を評価する。
評価は以下の5段階である。
では、高評価を獲得するにはどうすれば良いか。
一つは、ユーザーが求めている情報を適切な量で、余分なものを含まないことである。
そして、ユーザーが迅速にかつ、最低限の手間で目的を達成できるように設計することである。
ユーザーは特定の情報を求めており、そのようなユーザーに対して、「即座に」「完璧に」「明白に」その情報を提示することである。
つまり、「情報の質」「情報の量」「サイトの簡便性」のバランスである。
例えば、Amazon.com、Facebookアプリの評価はFully Meets(最高評価)である。
「Needs Met(需要との一致)」をさらに補正する内容として、「Page Quality(品質の高さ・信頼性)」がある。
つまり、「情報が高品質であり、その情報は信頼できるか」を評価する。
需要は一致しているが、信頼性に欠けたもので、低品質な書き写し記事やまとめ記事だった場合は評価は低いだろう。
「PageQuality」の評価スケールは、Highest、High、Medium、Low、Lowestの5段階評価となっている。
WEBサイトの信頼性を獲得するはどんなことに留意しなければならないのだろうか?
この信頼性の獲得で重要になるのが、Googleでは「E-A-T」と「YMYL」という概念である。
「E-A-T」とはExpertise=専門性、Authoritativeness=権威性、Trustworthy=信頼性の意味で、適切な「E-A-T」がない場合、評価は低下する。
そして、「YMYL」とは、Your Money or Your Lifeの頭文字をとった言葉である。
「YMYL」はユーザーの健康や財産に深刻な影響を与える「Your Money, Your Life」関係のコンテンツである。
これら「YMYL」コンテンツに関しては、Googleは高い「E-A-T」配慮を求めている。
以下が「YMYL」の5つの内容である。
記事のジャンルによっては引用元を開示できな記事は、低品質と見なされる可能性があある。
Googleの品質評価の最後は、WEBサイトの「使いやすさ」である。WEBサイトのコンテンツが、いかに「役に立つ」「高品質」な情報であっても、操作しにくい・読みにくいなどストレスを感じるようでは価値が低下する。
ガイドライン内では特に「スマートフォンで使いやすいこと」と「ユーザーの目的達成を邪魔しないこと」が基本となっており、ガイドラインでは、以下の4点について言及している。
Google検索品質評価ガイドラインは膨大な量であり、このガイドラインの何に重点をおけば良いのだろう。
これについて、電通デジタルの記事では評価の優先順位は下記の内容であると記述している。
理由は、「検索品質評価ガイドライン」の冒頭にある「ユーザーの需要に合わないページは、どんなに高品質でも評価は“最低”になる。役に立たないものは、役に立たないので。」という一文である。
つまり、WEBサイトの目的である、「WEBサイトとはユーザーの役に立つために作られるもの」というGoogle理念である。
どんなに使いやすいサイトでも、どんなに情報の質が高いコンテンツでも、ユーザーの役に立たなければ意味がない、「ユーザーの役にたつもの=Needs Met評価(需要が一致)」が最重要項目であると記している。
しかし、「Page Quality(品質の高さ・信頼性)」や「ユーザビリティ(使いやすさ)」を軽視してよいといわけではない。
検索品質評価ガイドラインは、Google検索の品質を評価する際に評価者が参照する解説書である。元々は非公開であったが、2015年11月に一般公開された。
このガイドラインは不定期に内容が更新されているが、最新版が2019年5月19日に新たに公開された。
最新の2019年版ではこれまで、記した概要、内容を書きかえるほどの大きな変更点はない。強いて挙げるとすると、次の3点が比較的特筆すべき変更となっている。
である。
1の「E-A-Tからページ品質へ」については、E-A-Tという専門用語が減り、代わりに “Page Quality”(ページ品質)という一般的な用語に置き変わった。
2の「著者の専門性要件の緩和」については、コンテンツ著者の専門性がほぼあらゆるサイトに求められるような傾向がガイドラインの更新のたびに強まっている。
特に「YMYL」に該当するサイトには特に高い品質が必要になる。
3の「インタースティシャルへの言及」は、インタースティシャルへの言及が拡大している。
インタースティシャルとはアプリとWebサイトのインタフェースにポップアップとして表示される広告のこと。
インタースティシャルでユーザー体験を阻害しているページは品質が低いとみなされる。このインタースティシャル広告について情報を追加している。
「Googleの品質評価ガイドライン」の目的は、サイト制作者にユーザーに役に立つサイトを製作し、運営することを言及している。
そのためには、WEBサイトの目的、ページコンテンツの有用性を定めることが第一義である。
そして、ガイドラインの優先順位に沿って、ユーザーの目的、需要にあったコンテンツを作ること、さらにコンテンツの質を高めること、適切な情報量にする、コンテンツの専門性を高めることである。
さらに、ユーザビリティを考慮し、サイト設計し、情報の信頼性を高め、最終的にユーザーにこのページを訪問した後にどうなっていることが望ましいかを意識することが重要である。
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