越境ECを構築し、まず行わなければならいのが集客である。集客ができなければ、海外向けてECサイトを作ってもすぐに注文が入るわけではない。
欧米ではGoogleの利用が65.7%と圧倒的なシェアで、さらにビジネスマンの90%は1日に3回以上はパソコンまたはスマートフォンで”検索”しているというデータもある。この”検索”されたとき上位に表示されるように、まずはサイトを最適化することが必要となる。
今回はアメリカのGoogle検索結果で上位表示させるにはどうしたら良いか、つまり、アメリカにおけるSEO対策について調べてみた。
日本でもアメリカでもSEO対策の基本は「キーワードの設定」だ。「Search Marketing Benchmark Report – SEO Edition」によると、SEOで効果創出のために重要なものとして「Keyword Research」が1位となっている。
キーワードの設定として重要なのは、ターゲットユーザーを明確にして、ターゲットが検索エンジンに入力する言葉を見極めることである。そして、ユーザーの特徴として、一語のみで検索する割合が約20%、2〜4語の複合ワードで検索する割合が60%となっており、一語より競合の少ない複合キーワードでキーワード選定するのが良い。
そして、さらに「キーワードの設定」の他にGoogleの最近の重要なアルゴリズムのポイントは「ユーザーの検索意図を理解して、どんなページが適切かを自動的に判断できる」というものがある。
以前であれば、キーワードに対して、そのキーワードを文書中にたくさん表記したり、キーワードに関連するリンクをたくさん集めたりすることで検索上位になることもできたが、今のGoogleは「キーワード」に対する「コンテンツ」も重視する内容になっている。
つまりアメリカではコンテンツマーケティングをサイト内で充実させる”コンテンツSEO”が重要視されているのである。
スマートフォン使用率が58%のアメリカにおいては、スマートフォン検索に対応したモバイルフレンドリー対策は越境ECでも必要不可欠になっている。
どんなに良いコンテンツであっても、モバイル検索されたとき、モバイル対応したサイトでないと上位に表示されないというモバイルフレンドリーは昨年4月にGoogleより発表され、今年、5月にはさらにモバイルフレンドリーは強化されたようだ。
今後はますます、スマフォ対応のサイトを構築することは、集客にとって必須となっている。
パンダアップデートとは、Googleがサイトのコンテンツの品質を評価し、順位を上昇または下降させる、Googleのアルゴリズムである。アメリカではこの「パンダアップデート」による、検索順位に乱れがでてきているようだ。
パラダイムアップデートの特徴は、まず、サイトをコピーしただけのページや情報量の少ない低品質なページの順位を下げるというのが一つ。さらに研究結果や分析されたレポートなど、オリジナルなページは順位を上げるというものだ。
オリジナルで情報量が多く、ユーザーのためになるコンテンツ作りが重要であるということだ。SEO対策は単にHTMLを最適化するだけではなく、情報の質=「人が読みたくなる良いコンテンツを持っているかどうか」が問われる時代になった。
ペンギンアップデートにより順位が下がったのはないかというサイトもあり、このペンギンアップデート対策、つまり被リンク先をもう一度確認し、リンク設定を正すことも重要である。
「ペンギンアップデート」とは、ページ内容とは関係のない意味のないサイトや、またはリンク先が低品質なサイトへのリンクではないか、Googleがリンクをチェックし、そのアルゴリズムがアップデートされているのだ。
ペンギンアップデートのアルゴリズムは人為的にリンク獲得が行われているサイトやSEOだけを目的とした意味のないリンク集サイトから大量のリンクが貼られていたサイトなどのランクを下げるというものである。
リンクを貼る場合、または、貼られる場合の基本はとしては「ディープリンク」、「ゲストポスト」、「シンジケーション」である。「ディープリンク」とはリンクを記事の参考としてリンクを貼る場合にサイトのトップページではなく、参考となった内容ページに直接貼るということ。
そして「ゲストポスト」とは、他のサイトの記事に対し良いコンテンツを投稿し、署名欄に自分サイトリンク先を貼ってもらう方法である。「シンジケーション」とは訪れたユーザーに対し記事と関連した参考となる外部リンクを提供し、顧客満足度を上げる方法である。
ベニスアップデートとは、ユーザーが検索する現在位置によって、その近隣エリアに存在する店舗や施設などが優先的に検索結果に反映されるアルゴリズムをいう。
これはローカルエリアをターゲットとしたウェブサイトが優先されるアルゴリズムだ。ベニスアップデートはユーザーの検索場所の基づいてローカライズされるもので、渋谷にいる人が「レストラン」と入力して検索すると渋谷にあるレストランのサイトがランキングにおいて優遇され、表示されるものである。
主に店舗や施設などの場合は、このローカルSEO対策が重要になってきており、ローカライズされたサイト構築をすることで検索結果で上位表示されるようになる。
対応方法としては郵便番号や住所、電話番号、地図などの所在地をサイトに掲載する。地域に関連した情報を掲載する。タイトルタグやキーワードに所在エリアを入れるなどがある。
検索エンジンはSNSユーザーの関心の高さ、共有度の高さを評価基準に取り入れている。つまり、SNSマーケティングを行う必要があるということだ。
具体的には、Facebookボタン・ページを活用し、「いいね」「シェア」を増やす。Twitterを活用し、ツイート、リツイート、フォロワーを増やす。Google+1を活用し、共有してもらうなどであるが、SNSとサイトコンテンツをつなげることで、SNSからのトラフィックが増え、サイト全体のアクセスが高まれば、サイトパフォーマンスが向上しやすくなる。
そしてSNSリンクされることで、URLが拡散され、自然な被リンクが増えやすくなり、アクセス数のアップ+検索エンジン対策の双方にメリットが生まれる。
これまでのキーワード検索から導き出された検索結果はキーワードの関連性から検索処理されたものだったが、これからは「セマンティック検索」へと変わってゆくだろう。
これは、”ランクブレイン”と呼ばれる人工知能「AI」システムをベースとしたアルゴリズムで、「AI」による学習機能で得た膨大な検索クエリのデータを使い、ユーザーが入力した検索キーワードから、ユーザーが何の情報を求めているかを推測し、ユーザーが知りたいことを表示するというものだ。
この”ランクブレイン”と呼ばれるアルゴリズムはGoogle検索の数百あると言われるアルゴリズムの一つであり、これはSEO要因そのものではなく、対応策は具体的にはないが、これはGoogleの思想である、ヒト、モノ、コトに関する様々な実体情報を検索結果の要素として含ませるということが現実化した内容と言える。
Googleが昔から変わらずWebサイトに求めていることは「ユーザーの利便性を第一に考える」ということである。
日本でもアメリカでも、ユーザーに質高い有意義な情報を提供し続けていれば、検索順位は上がり、トラフィックは向上する。
また、2016年2月にはジョン・ジャナンドレア氏が検索エンジンの責任者に就任した。彼は人工知能(AI)の責任者でもあることから、今後は、Google検索に人工知能(AI)が搭載され、人工知能よる検索行動の機械学習が進み、検索結果に反映されていくと思われる。