活用したい!越境EC代行サービス


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越境EC市場は、2021年には2017年の2倍に拡大すると予測されている。
2017年の越境EC統計では、日本から対中国・アメリカへ越境ECで販売金額は2兆106億であった。これが、2021年には2倍の約4兆円規模に拡大するとの予測だ。
このように越境ECは今後、インバウンド需要の拡大とともに大きく成長が見込まれ、新たに、越境ECビジネスに参入する企業も増えていると聞く。
参入する主なサービスは、越境EC運用代行サービス、海外発送代行サービス、海外BtoB輸出サービス、中国向け出品代行サービス、海外翻訳サービスなど、越境ECで海外販売を行う際に壁となる、多言語翻訳、輸出のための書類作成、配送、マーケティングなど、ECショップ経営者が海外販売を行う際に煩わしいと感じる業務を代行するビジネスだ。
今回は、越境EC周辺のサポートビジネスで伸長している企業を見ていこう。

日本の商品を代理購入し海外配送するサービス「Buyee」

buyeeサイト

Buyee(バイイー)」は、配送代行で有名な「転送コム」の「tenso株式会社」が運営するサービスのひとつである。
そして、Buyeeは海外から日本の商品を購入したいという海外ユーザーを対象に、日本国内ECサイトの商品を代理購入して、海外発送するサービスである。

海外のユーザーは、「Buyee通販サイト」から日本の商品を購入する。 Buyee通販サイトは、ヤクオク、楽天、ZOZOTOWN、Amazonなど、1800以上のECサイトと提携しており、海外ユーザーは、商品をBuyeeサイトの商品をカートに入れ注文する。
注文された商品は提携ECサイトからBuyee倉庫に配送され、Buyee倉庫から海外ユーザーの住所まで配送される。
海外ユーザーのメリットはBuyeeサイトが連携している、多くのECショップから多品目の商品を購入できる点である。
また、配送はBuyeeの倉庫から一括して行われるので、送料はまとめ代金となり、いろいろなECショップから複数商品を購入し、それぞれの店舗から発送されるより、海外送料が割安になるところだろう。

決済に関しては、海外発行のクレジットカード、銀聯カード、paypal、alipayなど対応しており、支払いは全てBuyeeが代理で行っている。
配送についても、EMS(国際スピード郵便)、船便、SAL便、AIR便、DHL、Fedexなどの発送も可能。世界120カ国への配送が可能となっている。
Buyeeサイトは英語・簡体中国語・繁体中国語に対応しており、現在の会員数は150万人(2018年3月)、提携サイトは1,850以上となっている。
国内販売中心のECショップであっても、Buyeeと提携ECサイトとして契約すれば、越境ECなど知識、経験がなくても、海外販売を実現できるのである。

越境ECのBtoBサービス「SDエクスポート」

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企業間取引BtoBを支援する「ラクーン」では「スーパーデリバリー」と「SDエクスポート」というサービスを展開している。
「スーパーデリバリー」は、アパレル・雑貨を中心とするメーカーと国内小売店や飲食店・美容室などの事業者を繋ぐ、卸し・仕入れサイトである。 そして、「スーパーデリバリー」は、国内だけではなく、海外の事業者向けに「SDエクスポート」を展開している。
「SDエクスポート」は国内のアパレル・雑貨メーカーと海外の小売店を繋ぐもので、国内メーカーが、海外小売店に対して輸出を行う場合、海外取引先との売買契約や、税関への書類の提出、取引商品のインボイスを輸入者宛に送付するなど複数の手続きが必要となる。
さらに、商品の代金支払いに関しても、信用状況に応じて L/C 決済を発行するなど、海外取引は国内取引のように簡単ではない。 これらの問題を一気に解消しているのが「SDエクスポート」である。
国内メーカーは、スーパーデリバリーの倉庫に商品を発送するだけで良く、その後の輸出インボイス作成、通関続き、梱包、発送、代金回収まで、必要な手続きは全て「ラクーン」が引き受ける。

国内メーカーが海外小売店と取引する際の「言葉の壁」「商習慣の違い」「複雑な輸出業務」から解放した「ラクーン」は、海外バイヤー数35,000店舗以上、出展メーカーも770社、出荷対応可能国は134カ国を数える。

 

越境ECの販路拡大をサポートする「トランスコスモス」

トランスコスモスサイト

トランスコスモス」は、企業の売り上げ拡大を支援する、ITアウトソーシングを展開する大手企業である。
サービスとしては、コールセンターサービス、デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービス、BPOサービス、データ分析等、多岐にわたる。
その中のひとつに海外販売(グローバルワンストップ)サービスがあり、その中の越境ECサービスでは、トランスコスモスが各国現地パートナーと連携し、越境ECでも特に中国、ASEAN市場向けた販路拡大サービスを行っている。
中国市場向けでは「天猫国際」「JD worldwide」、ASEAN市場向けでは「Lazada」「Lelong.my」など海外の越境ECプラットフォームを活用し、販売することが出来る。
さらに、海外販路拡大サポートだけではなく、越境ECサイト構築・運用、購買データ分析、受注管理、問い合わせ対応、輸出の際の書類作成、通関手続き代行、受注管理など、まさに「越境ECワンストップサービス」を提供している。

中国マーケティング分析をサポートする「アドウェイズ」

アドウェズサイト

アドウェイズ」はアフィリエイト広告事業を展開する企業である。 2015年「楽一番」を手がける、トロピックスメディアを子会社化して、越境EC本格参入した。
「楽一番」ではECサイト向け海外配送代行サービスで、海外ユーザーに対し、国内EC企業の海外配送だけではなく、カスタマーサポート対応なども行っている。

また、「アドウェイズ」は中国越境EC市場におけるデータ分析サービス「Nint for China」も展開している。
「Nint for China」では、中国大手ECモール「タオパオ」「Tmall国際」「JDワールドワイド」における各越境ECチャンネルを分析し、中国の越境ECが今、どうなっているかを知ることができる。
例えば、日本・海外の売れ筋商品は何か?、売れてるブランド名どこか?、トレンドの変化はどうなっているか?、さらには、自社製品の市場シェアなど、中国越境EC情報を提供している。 さらに、「CHANet」では中国向けPC・スマートフォンユーザーに対し、アフィリエイト広告のサービスなども行っている。

nintサイト

 

まとめ

今回、越境EC周辺サポートビジネスを調べて感じたことは、中国向け販売などの代行サポートビジネス業が多くなっているということだ。
11日に行われた「独身の日」の集計を見ても、日本は越境EC売り上げ額トップを獲得し、中国消費者の購買率の高さを示しているように、そこにはビジネスチャンスが大きくあることを示している。
そして、中国には言葉の壁以外に、中国のネット検閲の壁があり、これが中国販売を難しくしており、この壁を超えるには、中国のネット事情に精通する専門サービスを利用することがひとつの選択肢となってくる。
越境ECが今後、盛り上がれば、盛り上がるほど、これら、越境EC周辺ビジネスの数・種類、内容も多くなるに違いない。

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